6月30日 2:00(日本時間)にキックオフされた、決勝トーナメント1回戦(ラウンド32)の日本VSブラジル。日本は前半に先制という最高のスタートを切ったものの、後半に追いつかれる苦しい展開に。さらにアディショナルタイムに決勝ゴールを奪われ、惜しくも敗戦。今大会の挑戦はここで幕を閉じた。

世界の壁は分厚く、悔しい幕切れとなったが、強豪を相手に見せた躍進の記憶は決して色褪せない。今回は、各選手が着用したユニフォームとともに、オランダ戦、チュニジア戦、スウェーデン戦、そしてブラジル戦で生まれた熱狂のゴールシーンを振り返る。

得意の"敬斗ゾーン"から貴重な同点弾を奪った#13 中村敬斗

世界屈指のタレントを擁するオランダを相手に、自身が最も得意とするプレーで日本を救った中村選手。この日は左ウイングバックとしてスタメン出場し、0-1とリードされて迎えた後半12分に大仕事をやってのける。ボックス内でパスを受けると、相手ディフェンスの裏をかく鮮やかな股抜きシュートをニアサイドへ一閃。25歳にして果たした本大会デビューの舞台で、起死回生の初ゴールを突き刺した。

アフリカの堅守を打ち破った圧巻の2ゴール。日本のエース#18 上田綺世

前回大会での不発から4年。とうとう日本のエースストライカーが覚醒した。チュニジア戦の前半31分、右サイドを駆け上がる伊東選手をおとりに自らシュートコースを作ると、迷わず右足を一閃。相手DFの股下を鋭く抜いた弾道は鮮やかにゴール左隅へ吸い込まれ、チームへ貴重な追加点を記録した。さらに3-0で迎えた後半38分には、佐野選手からのクロスに対し、圧巻の跳躍力を披露。ディフェンダーを凌駕する打点の高さから、難しい体勢のままヘディングシュートを叩き込み、ダメ押しのチーム4点目をマークした。

ピッチを切り裂く"イナズマ"。持ち前の快速でゴールに迫る#14 伊東純也

爆発的なスプリントで自らがおとりとなって上田選手の得点をお膳立てするなど、数字に残らない局面でも違いを作り続けた"イナズマ"が、2度目の大舞台で念願の初ゴールを記録。チュニジア戦の後半24分、その瞬間は訪れた。田中選手の縦パスを上田選手がダイレクトでフリックし、絶妙なタイミングで抜け出した伊東選手がそのままペナルティエリア内へ侵入。相手ディフェンダーを背中で巧みにブロックしながら冷静に右足を振り抜き、チーム3点目を叩き込んだ。

2戦連発。持ち前の戦術眼で攻撃を司るプレイメーカー#15 鎌田大地

酷暑のピッチでも頑なに長袖のユニフォームを愛用するチームの頭脳が、決定的な仕事を連発。まず初戦のオランダ戦では、1-2で迎えた後半44分、CKにドンピシャのタイミングで合わせた小川選手のヘディングシュートが鎌田選手の頭をかすめてゴールへ。SNSで"鎌田の1mm"と大バズりしたこの一点が生まれたのは、オフザボールと呼ばれる直前の動きの賜物だ。世界屈指のDFファン・ダイクをブロックし、小川選手のシュートコースを空けていたからこそ生まれたゴールだった。

続くチュニジア戦では、試合開始わずか4分で魅せる。冨安選手の縦パスを起点にしたパスワークから、最後は中村選手の折り返しに反応。ゴール前で相手の意表を突くヒールシュートを流し込み、日本人としては稲本潤一氏以来2人目となる本大会2試合連続ゴールを記録。その後の電話を掛けるような仕草のパフォーマンスは、所属クラブで怪我に苦しむエディ・エンケティア選手と交わしたセレブレーション。普段はクールな司令塔が、内に秘めた仲間想いの一面を垣間見せた。

魂を揺さぶる無尽蔵の走力。大舞台で再び躍動した韋駄天 #11 前田大然

2大会連続のゴールを成し遂げたのは、スウェーデン戦の後半11分。菅原選手のパスをフリックした後、上田選手からのリターンを受けた堂安選手がPA内へ絶妙なスルーパスを送る。逆サイドから敵陣内へと侵入した前田選手が冷静なコントロールから相手GKの動きを見据えて右足で流し込み、日本に先制ゴールをもたらす。その後、同点に追いつかれ1-1の引き分けに終わったものの、日本はグループ2位での決勝トーナメント進出を決定した。

世界を震撼させる"回収"力。独力で奪い、運び、射抜いた#21 佐野海舟

強豪ブラジルを相手に耐え続ける時間が続く中、前半29分、歓喜の瞬間が訪れる。相手DFの横パスをインターセプトした佐野選手が自らボールを持ち運び、バイタルエリアへと侵入。ペナルティエリア外からコンパクトなシュートモーションで振り抜いたボールはゴール右隅に吸い込まれ、貴重な先制点を日本にもたらした。彼の代名詞であるボール奪取能力と推進力だけでなく、自ら試合を決定づける得点力も備えていることを全世界のサッカーファンに見せつけてみせた。

おわりに

世界の強豪相手に真っ向からぶつかり、堂々と渡り合ってみせた全8ゴールは、間違いなく日本サッカーの歴史を塗り替えた。今大会の熱狂の記録として、このユニフォームを手に取ってみてはいかがだろうか。

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