90年代スニーカーブームとは?カルチャーと名作スニーカーをご紹介!【コラム】について
こんにちは!スニーカーダンク編集部のSENNORです。
今回は、日本スニーカーカルチャーの礎である90年代スニーカーブームについて解説いたします!
この「90年代スニーカーブーム」は、エアマックス狩り、マイケル・ジョーダンらNBAスター選手のバッシュ、ダンクに代表されるヴィンテージスニーカーなど、スニーカーが人気アイテムという点が同じというだけで、それぞれ別のカルチャーで発生したさまざまなブームの総称となります。
インターネットではなく、雑誌やテレビ、もしくは現場に足を運んでの情報収集がメインだった当時のブームを、各カルチャーごと、そして人気スニーカーと共に見ていきましょう。
※今回紹介する各スニーカーは復刻モデルとなります。ご了承ください。
1. エアマックス狩りを引き起こしたハイテクスニーカーブーム
90年代スニーカーブームと言えば「エアマックス狩り」という言葉がよく出てきますが、これはハイテクスニーカーブームにまつわるものです。ちなみにハイテクスニーカーとは、高い機能性と近未来的なデザインが共存したスニーカーを指します。
まずはこのブームの人気スニーカーを見ていきましょう。
1-1. ブームの主役 Nike Air Max 95
このハイテクスニーカーブームの主役はなんと言っても「ナイキ エアマックス95」です。リリース翌年の1996年に日本で大人気商品となったこのモデルは、当時のインフルエンサーら、広末涼子さん、木村拓哉さん、イチローさんに着用されたことで、その人気が大爆発しました。
しかし、エアマックスを手に入れたいユーザーが膨れ上がり過ぎたことで、フェイク品の横行や、道ゆく人が履いているエアマックスを奪う「エアマックス狩り」、そして納品予定だったスニーカーを手に入れるため、運用会社のトラックごと盗む、など衝撃的な事案につながってしまいます。それほど熱狂的だったのが、このハイテクスニーカーブームです。
オリジナルカラーである"イエグラ"ことイエローグラデーションは、2020年にも復刻を果たしており、今でも高い人気を誇っています。
スニダンでナイキ エアマックス95 OG "ネオンイエロー/イエローグラデ" (2020年リリース)をCheckする1-2. 斜めに入ったシューレースNike Air Footscape
1995年にリリースされたエアフットスケープもハイテクスニーカーブームで注目されたスニーカーの1つです。
このモデルの最も大きな特徴は、アッパーを横切るようなシューレース。これは、「通常の構造を持つシューズを履いた場合、毛細血管が集まっている足の甲へ高いプレッシャーがかかり、それがアスリートのパフォーマンスを阻害する可能性がある」という研究結果から、誕生したデザインとなります。
ちなみに、アメリカよりも日本での人気を獲得したと言われるスニーカーと言われており、のちの2005年に復刻に至っています。
スニダンでナイキ エアフットスケープ "ヴァストロイヤル/ホワイト"(2005年リリース)をCheckする1-3. The ハイテクスニーカー Reebok Instapump Fury
リーボック インスタポンプフューリー。こちらも90年代ハイテクスニーカーブームを代表するスニーカーとなります。
空気でフィット感を調整できるポンプテクノロジーを搭載し、その軽量性や高いクッション性などハイテクスニーカーの名に相応しいモデルとなっています。また、90年代前期と後期で若干作りが違うことでも知られています。
90年代前期にリリースしたオリジナルカラーCitron(シトロン)の赤黄の組み合わせに目を奪われた人も多いのではないでしょうか。今でも復刻モデルを街で見かけることができます。
スニダンでリーボック インスタポンプフューリー OG "シトロン"(2020年リリース)をCheckする2. バスケの神様が巻き起こしたNBAブーム
次に紹介するのは、世界最高峰のバスケットボールリーグNBAにまつわるブームです。
90年代当時、今でも伝説として語り継がれるマイケル・ジョーダン選手が現役でプレーしており、彼と彼のライバルたちによるド派手なショーは、言語関係なく注目を高めました。
日本の若者が憧れていたアメリカンカルチャーの流れも相まって、当時の人気雑誌「Boon」でもその人気で別冊が出るほど、その影響力を随所で発揮しています。
2-1. 絶対的な人気を博したAir Jordan シリーズ
当時のバスケットボールシューズはファッションと結びつき、ストリートカルチャーとしても注目を集めます。
今でも伝説として語られるマイケル・ジョーダン選手のジョーダンシリーズ人気は特に凄まじく、アメリカで殺人事件を引き起こしてしまうほどでした。
そのシリーズの"エアジョーダン11"は、エナメル素材を用い、それまでのシューズにない高級感をもたらしています。ちなみに2018年の復刻時には、ナイキ公式サイトより「究極のシューズ」とも謳われたモデルです。
スニダンでナイキ エアジョーダン11 "コンコルド"(2018年リリース)をCheckする2-2. ネクスト・ジョーダン「ペニー」のシグネイチャーシリーズ
マイケル・ジョーダンがベテランとして活躍していた90年代NBAでは、若い選手が次々台頭しており、特に「ネクスト・ジョーダン」と謳われたアンファニー・"ペニー"・ハーダウェイ選手の鮮やかなプレーは世界中に衝撃を与えました。
また、NBAの最強メンバーが集まったバスケットボール アメリカ代表通称「ドリームチーム」にも選ばれ、当時の代表ベテランメンバーであるスコッティ・ピッぺンやチャールズ・バークレー、そして若手のシャック、グラント・ヒルなどとともに1996年アトランタオリンピックで金メダルを獲得しています。
彼のシグネイチャーバスケットシューズ「エアペニー2」もよく知られており、1996年 日本でのNBAゲームで着用されました。もちろんこのモデルも復刻を果たしています。
スニダンでナイキ エアペニー2 "オーランド"(2015年リリース) をCheckする3. 日本スタイルに昇華したバスケ漫画ブーム
前項でお伝えしたようにNBAを含むバスケットボールは、ストリートカルチャーとも結びつきましたが、それはストリートだけの話に留まりません。日本が世界に誇るカルチャーである漫画もその一つです。
スラムダンク、ハーレムビート、DEAR BOYSなどバスケ漫画の名作が次々登場しており、劇中キャラクターがどのバッシュを着用しているのか注目されていました。
ちなみに、スラムダンクに大きく影響を受けたのが実際の高校バスケ。その中でも注目を集めたのが日本人初のNBAプレイヤー田臥勇太選手です。90年代真っ只中に高校時代を過ごした彼は、インターハイ、国体、選抜を3連覇しており、観客席を満席にするほどの日本高校バスケ熱を呼び込みました。
3-1. 桜木花道モデル Air Jordan 6
スラムダンクの主人公、桜木花道が着用したエアジョーダンは2モデルあり、そのうちの1つが、今回紹介するエアジョーダン6です。
劇中にて、彼が初めて購入したバッシュがこのモデルであり、登場カラー"Infra Red"(インフラレッド)は、「桜木花道モデル」と言われるほどの認知度を誇ったモデルとなります。
2014年に復刻して以来、未だ復刻がないので、今後のリリースも期待してしまう1足です。
スニダンでナイキ エアジョーダン6 レトロ "インフラレッド ホワイト" (2014年リリース)をCheckする3-2. 流川楓モデル Air Jordan 5
スラムダンクで、主人公 桜木花道のライバル兼チームメイトとして描かれた流川楓は、エアジョーダン5を着用していました。
天才的な才能を持つキャラクター、そしてあのマイケル・ジョーダン選手と同じポジションでプレーしている彼をみて、彼とバスケットボールの神様を重ねた読者も多いと思います。
ちなみに、流川楓も身につけたヒールのNIKEロゴバージョンのエアジョーダン5 "ファイアレッド"が2020年に復刻されたことはご存じでしょうか。スラムダンクに憧れた方もそうでない方にもおすすめしたいモデルです。
スニダンでナイキ エアジョーダン5 レトロ "ファイアレッド"(2020年リリース)をCheckするよりスラムダンク関連のスニーカーが知りたい方は、【コラム】スラムダンクキャラ着用のバッシュを徹底解説!をお読みください!
4. ローテクスニーカーが主役!ヴィンテージブーム
80年代から90年代前半にかけての「渋カジ」などで知られるアメカジブーム。ここから派生したのがヴィンテージブームです。
当時人気を誇ったLevi’s(リーバイス)やLee(リー)などのジーンズやジャケット、ゴローズのアクセサリー、レッド・ウィングのブーツなどと同様に、80年代スニーカーは人気を博します。
この背景には、ヴィンテージスニーカーの希少性も大きく関わっていました。
現在、復刻スニーカーとして当時の名モデルらが多数登場していますが、当時は、ほぼオリジナルモデルしかリリースしていない、しかもネットも普及していないため、スニーカーが今よりも手に入りづらい環境となります。
そのため、フェイク品でも高値がつけられたり、自分のサイズより明らかに大きいデカサイも購入するなど、どんな形でもそのスニーカーを手に入れたいという風潮が流れていました。
4-1. レジェンドスニーカー Nike Air Jordan 1
そのヴィンテージスニーカーブームにて、80年代ナイキ名作中の名作エアジョーダン1はもちろん注目を集めました。
AJ1は、1985年にリリースされたマイケル・ジョーダン選手のファーストシグネイチャーモデルであり、1994年に初の復刻を果たしています。今では人気のダンクなどが復刻していない当時に復刻したという事実だけでもこのモデルの人気が計り知れると思います。
1985年リリースのオリジナルモデルも当時から高額商品として取り扱われており、中には希少なカラーのエアジョーダン1も流通していたようです。
ファーストカラーの一つ"シカゴ"は、2015年を最後に未だ復刻されていません(2022年6月現在)。ですが、今年再復刻すると言われており、またもや人気に火がつきそうなモデルとなっています。
スニダンでナイキ エアジョーダン1 レトロ ハイ "シカゴ "(2015年リリース)をCheckする4-2. 紺黄(コンキ)が有名なNike Dunk
同年リリースのエアジョーダンに似た2トーンカラーを持つナイキ ダンク。エアジョーダン1と違い、クッションにエアが採用されていないのが特徴の1つです。(ごく稀に搭載されていたバージョンも出回ったと言われていますが真偽は不明です。)
紺黄(コンキ)と親しまれた"Michigan"(ミシガン)カラーが特に人気モデルとして有名で、同じくオリジナルカラーの黒黄の"Iowa"(アイオワ)カラーや青白の"Kentucky"(ケンタッキー)もよく知られています。
この人気は後の99年ダンク復刻に繋がっており、2020年のミシガン復刻を筆頭とした現代の再ブームにも影響を及ぼしています。
スニダンでナイキ ダンク ハイ "ミシガン"(2020年リリース)をCheckする4-3. ダンクよりも人気?Nike Terminator
ダンクの兄弟モデル"ターミネーター"も注目モデルとなっていました。 実はダンクよりもターミネーターの方が当時人気だったとの声もあります。
ジョージタウン大学のシグネイチャーモデルとして誕生したこのモデルには、ヒール部にプリントされたクラシックな"NIKE"ロゴがあり、レトロな風合いを持っています。ちなみにそのヒール部のロゴには、ジョージタウン大学の愛称"HOYAS"と刻まれたバージョンもありました。
オリジナルカラーである紺灰のターミネーターは幾度か復刻していますが、直近ではリリースされていません。ですが、ついに2022年の復刻がリークされています!続報を待ちましょう!
スニダンでナイキ ターミネーター ハイ (ヴィンテージ) "グラナイト/ダークオブシディアン-セイル"(2008年リリース)をCheckする5. スニーカーを含むファッション全体に影響!音楽、映画カルチャー
ハイテクスニーカーと対照的なローテクスニーカーも人気を博したのが、90年代スニーカーブーム(全くの同タイミングというわけではありません)ですが、そこには当時の音楽や映画が絡んでいます。
カルチャーがあるところにスニーカーがあり、、、と思えるぐらい、当時流行った作品とスニーカー含むファッションスタイルは関係があります。
その1つ「ブリットポップファッション」は、UKロックバンド"オアシス"と"ブラー"などが頭角を表したUKミュージック「ブリットポップ」をファッションに昇華したもので、60〜70年代に流行したモッズやパンクファッションとはまた違い、ゆるっと着崩したスタイルです。
5-1. OASISも履いていた!? adidasローテクスニーカー
このブリッドポップに通じるスニーカーとして、キャンバス、ガッツレー、スーパースター、ウルトラスター、スタンスミス、サンバなど、多数のアディダス ローテクスニーカーがあります。
アディダス好きとして知られている"オアシス"のギャラガー兄弟は、それらのローテクスニーカーはもちろん、アディダスのジャージなども着用し、それらが彼らのトレードマークの1つとなっていました。
先ほど挙げたアディダス キャンパスなど現代のファッションシーンでも活躍しているスニーカーも多いため、取り入れやすいモデルとなります。実は、このスニーカーらは、先述したヴィンテージブームに通ずる部分もあり、80年代にフランスで生産されたモデルが注目されていました。
スニダンでアディダス キャンパス 80s "ブラック ホワイト"(2021年リリース)をCheckする5-2. トレスポといえば Converse All Star Hi
当時日本でも人気を博したイギリス映画「トレインスポッティング」では、ユアン・マクレガー氏演ずる主人公マーク・レントンのファッション(タイトなTシャツ、ケミカルウォッシュのジーンズ、そしてコンバースのオールスター)が代表的です。
特にそのコンバース オールスターは、かなり使用感があるもので、こなれ感を演出していました。
こちらもファッションの定番スニーカーの1つとして知られているので、ぜひ1足持っておきたいスニーカーです!
ちなみに、当時日本では、ミニシアターブームが巻き起こっており、その文化を象徴する映画としてもこの「トレインスポッティング」があります。
スニダンでコンバース キャンバス オールスター ハイ "オプティカル ホワイト"(2020年代モデル)をCheckする6. さまざまなブームの発信地 裏原宿ブーム
最後に紹介するのは、裏原宿ブームです。裏原宿ブームでは、藤原ヒロシ氏やNIGO氏、高橋盾氏、江川 "YOPPI" 芳文氏などの現在でも影響力を持つファッショニスタらが、次々ブランドを立ち上げていきました。そして、彼らを追うようなファッションが街に溢れ、道でスナップを撮られる「カッコマン」など当時の流行最先端が集まったカルチャーとなっています。
先述したエアマックス95やダンクブームもこの裏原宿から始まったという説があり、もしそれが本当ならば、とても大きな影響力を誇っていたと思われます。ちなみに、この時、ア ベイシング エイプやアンダーカバーなど、日本発のブランドも数多く立ち上がり、ファッション界での立ち位置を確立しました。
6-1. 90年代を代表する裏原ブランドとのコラボが有名!New Balance 580
裏原ブームは、当時を代表するスニーカーがその一端を担い、本記事で紹介した各ブーム形成に大きく関わっています。
そのスニーカーの中には、ニューバランスももちろんあり、1300、 576、580などが時代を彩ったそうです。その中でも裏原ブームと強い結びつきを持つのが580。知らない方もいらっしゃるかもしれませんが、90年代を代表する裏原ブランドとして江川 "YOPPI" 芳文氏がディレクターを務めたHECTIC(ヘクティク)とのコラボで注目されたスニーカーです。まず90年代の終わりに企画化され、その後2000年代に順次発売となりました。
このHECTICコラボ580では、2000年代になってからmita sneakers(ミタスニーカーズ)とのトリプルコラボや、Stussy(ステューシー)、Undefeated(アンディーフィーテッド)と共作した4ネームコラボなどもリリース。
発売は2000年代ですが、90年代からの裏原ブームの影響を色濃く感じさせるモデルです。
スニダンでヘクティク × ステューシー × アンディフィーテッド × ニューバランス MT580PT "マルチカラー"(2006年リリース)をCheckするまとめ〜90年代から現代へつながるスニーカーブーム〜
ご紹介したように90年代スニーカーブームにはいろんな切り口がありました。
スポーツ、音楽、ファッションなどさまざまなカルチャーがひしめき合い、同じアイテム「スニーカー」に注目が集まります。
では、その90年代と30年近く経った現代を比べてみるとどうでしょう。空前のダンクブームや八村塁選手も大きく関わるバスケブーム、そして、カスタムにも注目を集めるヴィンテージスニーカーブームなど、90年代に似たブームが起きています。
そういう目で見てみると現代にも多様なカルチャーがかけ合わさったスニーカーブームが再来しているように思えます!
逆に違うのは、現代では、90年代に注目を浴びたスニーカーたちの復刻リリースが続いており、あの時手が届かなかった憧れスニーカーをすぐ手にできる点です。本当に欲しいモデルが当時より高確率で手に入るのは嬉しいですよね。
このように再来しているかもしれないさまざまなカルチャーが混ざったスニーカーブーム、そして90年代ブームからの復刻スニーカーなど、これらを通して、現代のスニーカーブームをより楽しんでいきましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました。
関連コラム
ハイテクとローテクとは?スニーカーの違いやブームの歴史を解説!90年代のNBAを彩ったナイキバッシュ列伝!!
NBAのスター選手たちが着用したバッシュをご紹介!
スラムダンクキャラ着用のバッシュを徹底解説!
エアジョーダン歴代全36モデル+4モデル紹介!
エアジョーダン 1の伝説的人気カラー"つま黒"とは?
国内外エアジョーダン人気ランキング!おすすめ
ナイキ ダンク オリジナルカラー(カレッジカラー)、裏ダンクご紹介!
Nike Air Max人気モデルを年代別にご紹介!
ニューバランス初心者必見!576や990など人気モデルや歴史を紹介!
最新情報が入り次第、スニーカーダンクで更新予定!
スニーカーダンク公式アプリ(無料)で最新情報をお届け!
iPhoneの方はこちら / Androidの方はこちら