ナイキの人気モデル「エアマックス」の歴代モデルを年代別に振り返り!|コラムについて
Nike(ナイキ)が誇る名作シューズ「Air Max(エアマックス)」。スニーカーの歴史を語る上でも欠かせない人気モデルは、時代を超え多くの人に愛され続けてきた。
改めて、同モデルをチェックしてみると、"エアマックス"と名前がつくスニーカーはとても多く、新作と復刻モデルが入り混じる複雑なラインナップとなっている。
そこで今回は歴代のエアマックスを年代別に振り返るとともに、人気の理由や各モデルの特徴を紹介する。
Air Maxとは
そもそも「エアマックス」とは、ナイキが誇るクッショニングシステム"Air"(エア)を搭載したシューズカテゴリーのこと。
ここでよくある勘違いとして、「エアを搭載しているシューズ全てがエアマックスと認識されること」がある。
はっきりお伝えすると、エアが使われてるからといって、エアマックスとなるわけではない。
例えば、Air Jordan(エアジョーダン)、Air Force(エアフォース)など"エア"の名を持つ別シリーズも多々存在している。
つまり、エアマックスとは、エアクッショニングシステムを搭載し「エアマックス」というカテゴリーに振り分けられたモデルだと知っておこう。
そもそもAirとは
引用:Nike
ここで、すでに何度か登場した"エア"についてもう少し深堀りしていく。
エアとは、1977年に開発がスタートされたナイキ独自のクッショニングシステムのこと。
元NASA(ナサ)の技術者だったM. Frank Rudy(マリオン・フランク・ルディ)が 宇宙飛行士が被るヘルメット構造の技術を応用し、空気をベースにしたクッションシステムというアイデアをナイキに持ち込んだ。
引用:Nike
1978年には、彼のアイデアを基に、初のエア搭載シューズ「Air Tailwind(エア テイルウィンド)」をリリース。ハワイのホノルルマラソンで鮮烈なデビューを飾っている。
その後、ナイキは1978年当時実現できなかった"外からエアが見える仕様にする"ことも含め、エアシステムの向上を続けている。
なぜAir Maxは人気なのか
1987年に誕生した「エアマックスシリーズ」。長期間に渡って、さまざまなモデルが人気を獲得したシリーズは、他ブランドにもほとんどない。
なぜ、ここまでエアマックスは人気を得たのか。様々な説があるが、一つの理由として機能面とデザイン性を両立したことが挙げられるだろう。
引用:FOOTSHOP
1987年より以前にもエアを搭載したモデル"エアテイルウィンド"はあったが、エアマックス登場まで、ソールからエアが覗くVisible Air(ビジブルエア)を搭載したモデルはなかった。
今では、この画期的なデザイン「ビジブルエア」はナイキの代名詞となっており、ブランドにとって"外からエアが見える仕様にする"という夢を叶えている。
このように、"革新的な技術による機能性"と"エアを活かしたルックス"の両方を兼ね備えることが、エアマックスの最大の特徴だ。
また他の特徴として、モデル毎に違うデザイナーが手掛けていることも挙げられる。
通常、エアジョーダンシリーズに代表されるように、人気シリーズでは固定のデザイナーが長期間手がけることが多いが、エアマックスはそうではない。
引用:FOOTSHOP
数々のエアジョーダンを手がけ、初代エアマックス、エアマックス 1のデザイナーでもあるTinker Hatfield(ティンカー・ハットフィールド)から、日本でも大ブームを引き起こしたエアマックス 95を担当したSergio Lozano(セルジオ・ロザーノ)、近未来的なデザインで人気を博すエアマックス 97を担当したCristian Tresser(クリスチャン・トレッサー)など、デザイナーが短期間で変わる。
このようなデザイナーの変更によって、デザインやシューズフォルムなどが変化し、各エアマックスがそれぞれの特徴を持つことなった。
つまり、各エアマックスのキャラクターが違うことによって、どんな人でも自分の好きなエアマックスを見つけられるとも言えるかもしれない。
引用:Nike
歴代エアマックス一覧
人気の高さを証明するように、ほぼ毎年新しいモデルがリリースされている「エアマックス」。
これまで何種類のエアマックスがリリースされてきたか調査したところ、正確な数は確認できなかったが、1987年から2022年までで50種類以上のエアマックスがあることがわかった。
これは、歴史の長いエアジョーダンシリーズの最新作が"37"となっていることから考えても、1シリーズとしてとてつもない数がリリースされていることがわかるだろう。
ここからは、そんなエアマックスシリーズから、特に人気の高いものや復刻してから注目を集めたもの、計30足を紹介する。
どのエアマックスが好きか考えながら、読み進めるのも楽しいので、ぜひやってみてほしい。
初期エアマックス(1987年〜1994年)
まず紹介するのは、シリーズ誕生から1994年までにリリースされた11足だ。
エアクッションテクノロジーの着実な進化は、1996年のハイテクスニーカーブームを引き起こすことに繋がる。初期エアマックスにしかないレトロなディテールをチェックしていこう。
Air Max 1(1987)
引用:STREETOPIA
世界初のエアマックス「Air Max 1(エアマックス1)」。ティンカー・ハットフィールドがデザインを担当し、フランスの有名建造物"ポンピドゥーセンター"をヒントに、外からエアが見える"ビジブルエア"を初採用したモデルだ。ちなみに"1987年3月26日"というリリース日が現在のエアマックスデーに繋がっている。
画像:atmos × Nike Air Max 1 Premium Retro "Elephant"(2017) 引用:Nike
ここ数年、コラボモデルの注目も増しており、人生の浮き沈みを表したPatta(パタ)との"Wave(ウェーブ)コレクション"や、逆スウッシュで知られるTravis Scott(トラビス・スコット)とのコラボなど、数多くのスペシャルデザインがラインナップに加わった。また、日本のファンにとっても馴染み深いエアマックスで、2016年に世界各国でおこなわれた"復刻して欲しいエアマックス1"ランキングにて、日本のスニーカーショップatmos(アトモス)とのコラボモデルが1位に輝いている。
幻のAir Max
引用:STREETOPIA
エアマックス1の補足情報として、デザインの基になった"幻のエアマックス"を紹介する。
2015年にリリースされたAir Max Zero(エアマックス ゼロ)は、"ティンカー・ハットフィールド"によるエアマックス1の初期スケッチを基に作られたモデル。当時リリースされることのなかった貴重なエアマックスは、現代的な素材を取り入れ、2015年のエアマックスデーに初お披露目となった。
Air Walker Max (1988)
引用:STREETOPIA
エアマックス1登場の翌年、後に続くエアマックスに影響を及ぼしたと言われるAir Walker Max(エアウォーカーマックス)がリリース。
Walker(訳:歩く人)の名の通り、ウォーキングシューズとして製作された。安定感を高めるためにレザーを多く用い、わざとエアマックス1より重量のあるシューズにしたと言われている。ソールに入った4本のラインも特徴の一つだ。
Air Max Light(1989)
引用:STREETOPIA
ランニングカテゴリーとしては、二代目エアマックスとして誕生したAir Max Light(エアマックス ライト)。
エアマックス1とエアマックス90という二足の名作モデルの間に生まれたこともあり、注目度はさほど高くなかったそう。しかし、mita sneakers(ミタスニーカーズ)提案モデル「エアマックス ライト プレミアム QS "サーモン"」を筆頭に他エアマックスにはないスペシャルデザインもリリースされるなど、"隠れた名エアマックス"となっている。
Air Max 90 : Air Max 3 (1990)
引用:STREETOPIA
1990年リリース当時、エアマックス3と呼ばれたモデルは、現在「Air Max 90(エアマックス90)」の名で知られている。エアマックス3の名の通り、シリーズ3代目のモデルとして発売された。エアマックスライトから導入されたアッパーのTPUパーツなど、着実な技術進化を感じるディテールを持つ。
引用:FOOTSHOP
現在でもエアマックスの代表格と知られる人気モデルであり、オリジナルカラーのInfra Red(インフラレッド)は、エアマックスの枠を飛び越えて、他モデルにも採用されるほどの有名カラーだ。昨今のDunkブームもあり、ナイキSB ダンクのカラーに採用されたのも記憶に新しい。
Air Max BW : Air Max 4(1991)
引用:STREETOPIA
4代目エアマックス「Air Max BW(エアマックスBW)」は、エアマックス4という名前でリリースされたモデル。"BW"という名で呼ばれている理由は、先代モデルよりも大きなエアウィンドウ、Big Window(訳:大きい窓)を用いているからだ。
スタイリッシュなデザインを持つエアマックスであり、アッパーを一周する白いラインや、オリジナルカラーの"ブラック/パープル"の組み合わせは、同モデルの個性を引き立てている。
Air Max 180 (1991)
引用:STREETOPIA
1991年当初にエアマックスではないシューズとしてリリースされ、復刻後にエアマックスカテゴリーの一員となったAir Max 180(エアマックス180)。
このモデルから、新たなエアユニット"180度ビジブルエア"を搭載し、のちに別ナイキスニーカーにも採用される同システムの走りとなった。エアマックス180は度々復刻されており、2018年のパリコレで登場した「COMME des GARÇONS Homme Plus(コムデギャルソン オム プリュス)」とのコラボモデルは強烈なインパクトを残している。
画像:COMME des GARÇONS Homme Plus × Nike Air Max 180 "Black/Pink"
Air Max ST (1992)
引用:STREETOPIA
ティアドロップ型のエアウィンドウを採用したAir Max ST(エアマックスST)。
オリジナルカラーは、ネオプレン素材のスウッシュや粗めのメッシュ素材を採用し、レトロスポーティーなルックスに仕上がっている。ちなみに、このSTはStructure(訳:構造)の頭文字を取ったもの。他の名作ナイキシューズ、Air Stab(エアスタブ)、Air Structure(エアストラクチャー)、Air Max Triax(エアマックス トライアックス)とも関係を持っており、ブランドにとって重要なエアマックスとなる。
Air Max 93 (1993)
引用:STREETOPIA
インナーブーツ仕様と270度ビジブルエアが特徴的なAir Max 93(エアマックス93)。ファンの間で最も美しいエアマックスと形容されるモデルだ。
エメラルドグリーンを採用したオリジナルカラーは、スウッシュにクリアパーツを用い、清涼感のある爽やかな一足に。Air Huarache(エアハラチ)譲りのインナーブーティースタイル「ハラチフィットテクノロジー」の導入は、当時革新的なものだった。
Air Max 2 (1994)
引用:STREETOPIA
エアマックス93に引き続きハラチフィットシステムを採用した「Air Max 2(エアマックス スクエア)」。名前がややこしいが、2代目エアマックスというわけでなく、新たなエアマックスとしてリリースされたモデルとなる。
一つのエアユニットに2種類の圧力システムを用いる「マルチチャンバーエア」を搭載。そして、ミッドソール自体が大きく削るなど、前作のソールから多くの変更を施した。このほか、シュータンの「Air」ロゴや大きめのトゥガードなど、独特なディテールを多々兼ね備えている。ちなみに、マルチチャンバーエアはエアマックス95でも用いられたエアユニットだ。
Air Max 2 Light (1994)
引用:STREETOPIA
Air Max 2 Light(エアマックス スクエアライト)は、先ほど紹介したエアマックス スクエアの派生モデル。簡略的に説明すると、エアマックス スクエアの軽量版がエアマックス スクエア ライトとなる。
しかし、前作をただ軽くしたのではなく、アッパーなどデザインにも大きく変更が加えられた。2019年のアトモスコラボでは、90年代のストリートにインスパイアされたマルチカラーのモデルをリリースしている。
Air Max 94 (1994)
引用:STREETOPIA
1994年までのエアマックスのいいとこどりをしたような「Air Max 94(エアマックス94)」。例えば、エアマックス93のシュータンロゴとソールユニット、エアマックス1、エアマックスライトを思わせるサイドアッパー、そしてエアマックスBWを思わせる履き口などが用いられている。
実は、海外では何度か復刻しているが、日本での復刻リリースの機会にあまり恵まれていないモデル。90年代らしい主張あるデザインによって、リリースを待ち望むファンも少なくない。
中期エアマックス(1995年〜1999年)
次に見ていくのは、20世紀に突入する直前に生まれたエアマックス8足。
前足部にエアを搭載、またスウッシュに頼らない斬新なデザインの誕生など、多くの点で進化を遂げている。ハイテクスニーカーブームと深く関わるラインナップは必見だ。
Air Max 95 (1995)
引用:STREETOPIA
Air Max 95(エアマックス95)は、エアマックスシリーズを代表する看板モデルの一つであり、裏原宿を中心とした日本でのハイテクスニーカーブームの中心となったモデル。エアマックス95を履いている人からそれを強奪する"エアマックス狩り"など社会現象を引き起こした。
引用:Nike
デザイナー"セルジオ・ロザーノ"が「雨が流れる地表や肋骨などの人体」をヒントにしたアッパーは、それまでのエアマックスと全く違うものだった。初めて前足部にエアユニットを搭載したことも、他エアマックスとの違いを引き立てている。エアマックス95を代表する配色"イエグラ"ことYellow Gradation(イエローグラデーション)は、復刻の度に争奪戦を引き起こす人気カラーだ。
Air Max 96 (1996)
引用:STREETOPIA
エアマックス95のデザインを丸々引き継ぐのではなく、新たにティアドロップと呼ばれる雫をモチーフにしたアッパーデザインを採用したAir Max 96(エアマックス96)。メッシュ素材を使用し、90年代らしいハイテクスニーカー感を強めている。
日本のハイテクスニーカーブームでも大いに注目されたモデルであり、2021年にはアッパーにクリアパーツを採用したSupreme(シュプリーム)コラボがリリースされた。
画像:Supreme × Nike Air Max 96 "Black/Speed Red/Clear"
Air Max 96 2 :Air Max 97 SS(1996)
引用:atmos
2022年にAir Max 96 2(エアマックス96 2)という名前で復刻したが、リリース当時の名称はAir Max 97SS(エアマックス97SS)だったモデル。
オリジナルリリース時、後続のエアマックス97の影響もあり、日の目を浴びることがなかったという。しかし、コアなファンから愛され続け、オリジナルカラーでの復刻リリースに至った。90年代後期エアマックスとしては珍しく大きめのスウッシュがデザインされたモデルだ。
Air Max 97 (1997)
引用:STREETOPIA
発売から20年以上経った今でも近未来的なデザインだと感じられるAir Max 97(エアマックス97)。そのルックスから"サイバーマックス"と呼ばれることもある。adidas YEEZY(アディダス イージー)ラインのデザイナーも務めていたクリスチャン・トレッサーは、日本の新幹線と水玉模様などをヒントにこのモデルを生み出している。
引用:Nike
機能面の大幅なグレードアップとして、トゥの先端以外にエアクッションを搭載したフルレングスビジブルエアを初搭載した。これは、「ソール全体にエアを搭載する」というナイキの悲願達成でもある。現在も継続的にリリースされ続ける人気モデルであり、オリジナルカラー"シルバーバレット"を筆頭に多くのカラーが展開されている。
Air Max 98 (1998)
引用:STREETOPIA
Air Max 98(エアマックス98)は、前作の特徴をさまざま引き継ぎつつ、斜めがかったシュータンロゴなど新たなデザインを積極的に取り入れたモデル。オリジナルカラー"レッド/ブルー/ホワイト"の組み合わせは、日本のアニメキャラクターを思わせることから"ガンダム"の愛称で親しまれている。
ちなみに、2022年リリースのシュプリームコラボで登場した「Air Max 98 TL(エアマックス98 TL)」は、ここで紹介したエアマックス98ではない。同コラボでは、「エアマックス TL」と呼ばれていたモデルに新たな名前をつけたようだ。
Air Max Plus(1998)
引用:STREETOPIA
世界的スニーカーショップFoot Locker(フットロッカー)との別注モデルとして誕生した"マップラ"ことAir Max Plus(エアマックスプラス)。今では、エアマックスの中でも数少ない、ほぼ毎年復刻されるプロダクトの一つとなっている。
引用:Shelflife
シューデザイナーSean Mcdowell(ショーン・マクダウェル)がヤシの木と海に沈む夕日をモチーフにデザインしたエアマックスは、グラデーションカラーが斬新な装いに。1998年当時の最新システムであるTuned Air(チューンドエア)を搭載、"Tiger"(タイガー)と呼ばれるオレンジカラーのリリースなど、個性的な要素が組み合わさったモデルだ。
Air Max Deluxe(1999)
引用:STREETOPIA
エアマックス97をベースに改良を加えられた「Air Max Deluxe(エアマックスデラックス)」。他のいくつかのモデルと同様に、90年代を締めくくるエアマックスだった。
当時、ヨーロッパでカウンターカルチャー「レイブ」が流行しており、その影響を受け前衛的なデザインを採用。例えば、マーブル柄のカラーブロックはレイブのうねるような音とエネルギーを表現している。また、アッパーには、ネオプレン素材を用いたフューチャリスティックなものを使用した。この特徴的なルックスによって、ベースモデルのエアマックス97と同じくヨーロッパで人気を獲得したモデルだ。
Air Tuned Max (1999)
引用:Shelflife
1999年のナイキでは、最先端の技術を結集したプロダクトを作る企画「Alpha Project(アルファプロジェクト)」が立ち上がっていた。当時のナイキスポーツシューズには、アルファプロジェクトを象徴する5つのドットが刻まれており、いくつかのエアマックスモデルもそれに当てはまる。
その中の一つ「Air Tuned Max(エアチューンドマックス)」は、エアマックスプラスでも採用されたチューンドエアを搭載し、そのまま名前に引用したモデル。オリジナルカラーは、同モデルと縁深いSkepta(スケプタ)とのコラボモデルに採用されている。ちなみにチューンドエアとは、エアの中に半球状のプラスチック樹を組み合わせたもので、高いクッショニング性と安定性を実現させたミッドソールシステムだ。
2000年代のAir Max
2000年代、シリーズが加速し、新機能を持つエアマックスのラインナップが増えていった。
本記事では、その中でもナイキにとって大きな転換点となったモデルを抜粋して紹介する。
Air Max 2003 (2003)
引用:STREETOPIA
エアマックス95を担当したセルジオ・ロザーノ。彼がデザインした別のエアマックス「Air Max 2003(エアマックス2003)」は、近未来的なエアソールとスタイリッシュなアッパーという、対照的なパーツを組み合わせている。
特に、陸上スパイクやサッカーシューズを思わせるアッパーは、エアマックスシリーズでも異質なデザインだ。シュータンやヒールに筆記体のナイキロゴが採用されたことも、モデルのスペシャリティを高めている。
Air Max 360(2006)
引用:STREETOPIA
Air Max 360(エアマックス360)は、20年の歳月をかけて完成された360度ビジブルエアを初搭載したモデル。オリジナルカラーの"ホワイト/レッド"は、初代エアマックスのオリジナルカラーを受け継ぎ、2006年まで培ったシリーズの集大成を感じさせてくれる。
加水分解の原因となるウレタンフォームを取り除いたソールユニットは、歴代エアマックス復刻の際にも採用されることに。「アッパーがエアマックス90やエアマックス95でありながらソールユニットだけ360度ビジブルエア」というハイブリッド仕様は、それからのナイキスニーカーの新たなスタイルを切り開くこととなった。Air Max LD-Zero(2016)
引用:STREETOPIA
Fragment Design(フラグメント デザイン)の主催であり、ナイキの発展にも大きく貢献してきた藤原ヒロシ氏により生み出された「Air Max LD-Zero(エアマックス LD-ゼロ)」。ソールに、Air Max 2014(エアマックス2014)と同じ、屈曲性にも優れた"360度エアソールユニット"を搭載している。
画像:Nike Air Max LD-Zero H "Hiroshi Fujiwara"
現代的なソールユニットと、1977年リリース「Nike Boston(ナイキ ボストン)」のクラシックなアッパーをミックスし、レトロかつ新鮮さを感じさせるデザインを構築。ちなみに、リリースされた2カラーが2021年のsacai × Fragment Nike LD Waffle(サカイ × フラグメント ナイキ LD ワッフル)にも採用されている。
Air Vapormax (2017)
引用:STREETOPIA
2000年代、ナイキの開発者を悩ませていたのは、それまでのエアマックスの進化により、ソールのエア搭載スペースに限界が近づいたことだった。その"エアユニットの限界"を一気に引き上げたモデルこそ「Air Vapormax(エアヴェイパーマックス)」となる。エアのみで形作られ、他のパーツをほぼ必要としないソールは、当時のスニーカー業界に衝撃をもたらすこととなった。
引用:Nike
「空気(エア)の上を走る」という斬新なコンセプトを具現化したのは、クッショニングソールを開発した"Zachary Elder(ザカリー・エルダー)"とナイキ サッカーシューズを手がけていた日本人デザイナー"南哲也"だ。彼らが手がけた新たなエアマックスは、リリース直後すぐ品薄となった。その後、同モデルの争奪戦は落ち着きを見せたが、Off White(オフホワイト)コラボで再脚光を浴びている。
Air Max 270 (2018)
引用:Nike
ヒールに搭載されるエアユニットとしては、"2018年までのエアマックス歴代1位"の32mmの高さを持つ「Air Max 270(エアマックス 270)」。このエアユニットは、ブランド史上初めてライフスタイル向けに開発されたものだ。
目を引くソールもさることながら、二つの名エアマックス(エアマックス93とエアマックス180)からインスパイアされたデザインも人気のモデル。ちなみに、このエアマックス270という名は、エアマックス93が開発当時「270」と呼ばれていたことに由来している。デザイナー Dylan Raasch(ディラン・ラーシュ)によってポップなカラーが多く採用されたのも特徴の一つだ。
Air Max 720 (2019)
引用:STREETOPIA
2023年1月現在、最大容量のエアユニットを搭載したエアマックスが、Air Max 720(エアマックス 720)となる。前年に発売されたエアマックス270には32mmのヒールエアユニットが搭載されていたが、エアマックス720ではそれを超える38mmの高さを実現した。
この「720」という名は、360度のビジブルエアが"縦横の二方向から見える"ことを表す「360×2=720」から取られたそう。オリジナルモデルの多くが、溶岩、オーロラ、朝日など自然現象を活かしたカラーを採用している。
Air Max 2090 (2020)
引用:STREETOPIA
エアマックス90の誕生から30年後の2020年、同モデルを継承したエアマックス「Air Max 2090(エアマックス2090)」がリリースされた。新エアマックスでは、スウッシュの形状やヒールパーツなど、多くのポイントでエアマックス90を思わせるデザインを採用している。
ファーストカラーは、「2090年の自動車」をデザインテーマにシューズの前部と後部にヘッドライトとテイルライトを表現。2020年当時の電気自動車に多く持ちいられたカラーを組み合わせ、近未来的なフォルムに華を添えている。
Air Vapormax EVO (2021)
引用:STREETOPIA
ナイキ エアマックスシリーズ全てをひとまとめにしたようなAir Vapormax EVO(エア ヴェイパーマックス エヴォ)。"EVOLUTION(進化)"の略「EVO」の名に違わず、往年のエアマックスを感じるルックスが衝撃的な一足だ。
各パーツに採用されたのは、エアマックス90、93、95、96 2、プラス、チューンドマックスなど。歴代エアマックスのアイコニックなデザインが、ふんだんに盛り込まれている。また、ソールにエアヴェイパーマックスと同じものを使用するなど、過去の伝統を継承しつつ最新テクノロジーを搭載している。
Air Max Scorpion (2022)
引用:Nike
最後に紹介するのは、バブルエアユニットを持つAir Max Scorpion(エアマックススコーピオン)だ。足の形状を研究し、各所に必要なエアを配置した新ソールユニットを採用している。
アッパーもこだわっており、抜群に柔らかいシェニール素材と世界に誇るナイキテクノロジーの一つ"Flyknit(フライニット)"を組み合わせた。そして、シューズ全体の20%にリサイクル素材を使用。サステナビリティな取り組みやスコーピオンを思わせるルックスは、新時代のエアマックスシリーズを象徴している。
おわりに
ここまで、エアマックスの特徴や歴代エアマックス30足を紹介してきた。名シリーズの歴史を振り返ることで、ナイキの技術力の成長や、エアマックスの人気の高さを強く実感することができただろう。
実は、モデルの種類だけでも50以上超えているエアマックスは、カラーも合わせると1500種類を超える巨大なシリーズとなる。
それだけのエアマックスがあるということは、皆さんがそれぞれがかっこいい、かわいいと思えるエアマックスがどこかに存在し得るということ。
もし気が向いたら、皆さんの1番好きなエアマックスを是非コメント欄に載せてほしい。
それぞれの思い入れのあるエアマックスが集まれば、壮観な光景となるに違いない。
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