Nikeのダンク・SBダンクはなぜ人気?歴史と理由を徹底調査!|コラムについて
Nike(ナイキ)の人気モデルである"Dunk"(ダンク)。スニーカー好きなら一度は見たことがあるだろう。
ダンクとは、1985年にバスケットボールシューズとして誕生し、2002年にはSB ダンクというスケートボードに特化したモデルが登場。2020年に、誕生から35周年を迎えた歴史あるモデルだ。
ナイキには数多くのモデルが登場し続けている中で、なぜダンクの人気がここまで続いているのだろうか?
本記事では、歴史や数々の伝説的なエピソードを振り返りながらダンクを紐解いていく。
バスケットボールシューズの常識を覆した!ナイキのダンクとはどのように誕生した?
昨今、インラインからコラボまでさまざまなモデルが発売されているダンクはとても魅力的だ。
そんなダンクは1985年に誕生。Air Jordan 1(エアジョーダン1)と同じデザイナー"Peter Moore(ピーター・ムーア)"氏によって生み出された。
ファーストカラーは7色。NCAA(全米大学体育協会)を盛り上げるプログラムの一環として、これに所属する強豪チームのイメージカラーが落とし込まれている。
大学スポーツに焦点を当てるユニークさはもちろんだが、当時のバスケットボールシューズ=ホワイトという概念を覆すカラーリングであったため、良くも悪くも大きな注目が集まることに。
現在ではSB ダンクを含め豊富なカラー展開があり、履いているだけでファッションのポイントになるため人気を集めている。
2020年に35周年を迎えたダンク。その歴史を振り返る!
2020年に誕生から35周年を迎えたダンク。
近年の人気は主に"シンプルかつ自由度の高いデザイン"が大きな要因を占めていると思われる。
しかし、発売からの道のりをたどると、根本には様々なカルチャーと結びつき、着実に積み上げられた人気があることに気付かされた。
ここからは歴史を刻む過程で起きた、伝説的なトピックを掘り下げていく。
■1985年、ダンクの誕生
先にお伝えしたとおり、ダンクのファーストモデルはNCAAに所属する強豪校のイメージカラーをあしらった7色。"バスケットボールシューズ=ホワイト"という概念を覆すカラーリングに、良くも悪くも注目が集まった。
また、「大学スポーツ」に焦点を当てた売り出し方そのものが実にセンセーショナル。
各チームを応援している人たちがそのチームのカラーやアイテムを身に着けるのは日本でもよくあることだ。ダンク誕生時のポスターに書かれた"BE TRUE TO YOUR SCHOOL"(母校に忠誠をちかえ)というキャッチコピーからも分かるように、カルチャーを盛り上げるのに最適なアイテムだったと言える。
その中でも特に人気のカラーは、ミシガン大学のカラーをあしらったその名も"ミシガン"。現在も復刻版を着用している人がいるほどの定番カラーだ。
ナイキ ダンクハイ "ミシガン"をスニダンでCheckするその頃の日本でダンクは売られていた?
ファーストカラーのダンクは、最初の2年ほど(1985〜1987年頃)は継続販売されていたが、日本には流通がなかった。
これは純粋に、NCAAが日本で馴染みがなかったからだと推測できる。
当時の主な入手経路は、ごく僅かに売られていた並行輸入品。
そのため、本国の発売と同時にすぐに人気になったわけではなく、一部の感度の高い人達が手に取るようなモデルだった。
■1990年代、日本での人気のきっかけとなるアメカジブームの到来
1990年代、日本にアメカジブームが到来。
ダンクを含むヴィンテージスニーカーにも注目が集まった。
ダンクはその当時も正規店での販売経路が存在せず、ヴィンテージショップやフリーマーケットなどで出品されたものを購入するのが主だったという。
このあとに紹介する"ファーストカラーの復刻"までの間、ダンクはそもそも数が少なく希少価値も高かったため「憧れの一足」だったと考えられる。
■1999年、日本企画でのオリジナルモデルの復刻と"東京シティアタック"
1999年は、"CO.JP"(コンセプト・ジャパンの略)と呼ばれる日本からの企画により、国内でダンクの正式リリースが決定した記念すべき年だった。
ファーストモデルの復刻とともに、"東京シティアタック"という企画も発足。
これは、発売する都市をイメージしたカラーを、限られた都市、限られた店舗でゲリラ販売するというもの。これによって、ダンクそのものの希少価値をさらに高めることとなった。
特に注目すべきは、ファーストモデルのカラーリングを反転させた通称"裏ダンク"。生産過程でエラーが起きた商品をどう売るか、というのがきっかけだったという噂もあるが、現在も復刻が繰り返されるほどの人気カラーとなっている。
ナイキ ダンク ロー "バーシティー メイズ/ミッドナイト ネイビー"をスニダンでCheckする誕生からしばらく、バスケットボールとともに歴史を歩んできたダンク。この日本でのムーブメントは、現在の「スニーカーそのものがカルチャー」というベースにもつながっていったのかもしれない。
■2002年、SB ダンクが登場
新しいカラーが次々と発売されるダンク。売れ残りセールに流れるものもあったわけだが、そこに着目したのが当時のスケーターたちだ。
スケートボードをやったことがある人達なら分かる通り、スニーカーは消耗品。バスケットボール用の耐久性とグリップ力を持ち合わせたダンクが安く売られていたとすれば、手に取らない理由は無かったのだろう。
そんな当時のカルチャーに影響を受け、2002年にNike SB(ナイキ スケートボーディング)が発足している。このラインからスケートボード仕様のダンクがリリースされることとなった。
日本で発売されたのは、本国で発売があった少し後。シュプリームとのコラボアイテムが注目を集めたそうだ。
シュプリーム × ナイキ SB ダンク ロー "ブラック セメント" (2002)をスニダンでCheckする
SBラインについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もチェック!
■2020年、ダンクの誕生から35周年
ダンクのファーストモデル誕生から35周年となったこの年。
ブラック×ホワイトの"パンダ"と呼ばれる人気カラーが誕生した。今も復刻を繰り返し、そのたびに完売するほどの人気カラーだ。
ナイキ ダンク ロー レトロ "ホワイト/ブラック"をスニダンでCheckする
■ナイキが50周年を迎えた現在も、ダンクは人気
2022年、ナイキの50周年を迎えてもなお、ダンク人気は顕在している。
半年ほどの間に、ファーストカラーや人気となった商品の復刻商品が数多くドロップし、話題に事欠かなかった。
また最近多いのは、海外(特にアメリカ)の著名人のSNS投稿がブームのきっかけになること。
中でもナイキのスニーカーに欠かせない存在なのがTravis Scott(トラヴィス・スコット)だ。自身のブランドのコラボ以外に、私生活でもナイキのスニーカーを愛用している。
そんな彼のダンク着用ショットを発見。これまで紹介したカルチャーをしっかりと理解しているからこそ、彼の着こなしに注目が集まるのではないかと筆者は考えている。
特に注目すべき、今日の人気につながるモデル"SB ダンク"
以上の歴史の中でも特に注目したいのが、ナイキのスケートボードラインから発売されている"SB ダンク"。
先述した通り、ダンクがスケーターに愛用されていたというバックグラウンドから生まれたモデルだ。
ソールには、通常のダンクには搭載されていないクッショニングシステムである"Zoom Air"(ズームエア)を搭載。シュータンには厚みがあり、複雑に動く足首を保護してくれる。
現在も人気モデルは入手が困難。販路も限定的なものが多く、地元密着型のスケートボードショップなどで抽選が行われることも少なくない。
手に入りづらい希少価値の高さも、人気の大きな理由となっているのではないだろうか。
そんなSB ダンクから、今年発売された人気モデルを紹介!
先述した通り、2022年はSB ダンクの誕生から20周年ということで、すでに沢山のモデルが販売されている。
その中から、スニダンで人気のアイテムを紹介。比較的シンプルなカラーリングのものが多いが、随所にSBらしいこだわりが見られるアイテムは必見だ!
■マリファナの日を祝したカラフルなコレクションより発売された一足
ナイキ SB ダンク ロー "ブルーラズベリー"
ナイキ SB ダンク ロー "ブルーラズベリー"をスニダンでCheckするフルーツをイメージしたコレクションから発売された、彩度の高いブルーカラーが印象的な一足。シュータンの裏にはコミカルなイラストが描かれており、遊び心のあるデザインを施している。
■キリスト教の祝日を祝うカラーリング
ナイキ SB ダンク ロー "セント・パトリックス・デイ/シャムロック" ナイキ SB ダンク ロー "セント・パトリックス・デイ/シャムロック"をスニダンでCheckする3月17日はアイルランドにキリスト教を広めた聖人、聖パトリックの命日であり、その記念日を祝うカラーリングが掲載モデルとなる。ちなみに祝日には、国中が緑色一色になるそうだ。
金色のスウッシュの下に、アイルランド国花であるクローバー(シャムロック)の刺繍が控えめに入ることで、ダンクのデザイン性を高めている。
■メジャーリーグのチームカラーをイメージした一足
ナイキ SB ダンク ロー プロ "フィリーズ/バラーブルー アンド チームマルーン" ナイキ SB ダンク ロー プロ "フィリーズ/バラーブルー アンド チームマルーン"をスニダンでCheckするメジャーリーグで活躍する"フィラデルフィア・フィリーズ"のユニフォームカラーを落とし込んだ一足。
爽やかな水色にワインレッドのスウッシュが印象的で、チームのファンはもちろん、純粋にかっこいいと思えるカラーリングだ。
■ナイキスニーカーおなじみのカラーパターンを採用
ナイキ SB ダンク ロー "クロロフィル" ナイキ SB ダンク ロー "クロロフィル"をスニダンでCheckする"クロロフィル"はナイキの名物カラーパターンの一つで、1980年後半に発売された"Air Trainer1"(エアトレーナー1)が元ネタとなっている。
シンプルなカラーリングだが、シュータンにあしらわれたライムグリーンが個性的だ。
■シンプルなカラーリングで素材やシルエットの魅力を引き出す
ナイキ SB ダンク ロー "フォグ" ナイキ SB ダンク ロー "フォグ"をスニダンでCheckするSB ダンクの中では、比較的シンプルで落ち着いたカラーリング。アッパーのスエードの素材感や、SB ダンク特有の少しふっくらしたシルエットを楽しむことが出来る一足だ。
オリジナルモデルも根強い人気。2022年発売のおすすめカラーを紹介
ダンクは豊富なカラーリングに加え、レザーが主な素材となっており、ほのかなクラシック感が漂うのも魅力だろう。
ここから、2022年に入ってから発売されたモデルのうち、人気となった商品を一覧で紹介する。
※再販モデルを含む。
■大人気のセレクトショップとコラボした、センスの良いカラーリング
ユニオン × ナイキ ダンク ロー パスポートパック "アルゴン/ハイパーロイヤル"
ユニオン × ナイキ ダンク ロー パスポートパック "アルゴン/ハイパーロイヤル"をスニダンでCheckする■シュータンロゴの差し色がアッパーのブルーに映える
ナイキ ダンク ロー "バレリアンブルー" ナイキ ダンク ロー "バレリアンブルー"をスニダンでCheckする■ケンタッキー大学カラーの"裏ダンク"を思わせるカラーに注目
ナイキ ダンク ロー "レーサーブルー アンド ホワイト/リバース ケンタッキー" ナイキ ダンク ロー "レーサーブルー アンド ホワイト/リバース ケンタッキー"をスニダンでCheckする■キレイ目なファッションに合わせたいシックなカラーリング
ナイキ ダンク ロー "グレー" ナイキ ダンク ロー "グレー"をスニダンでCheckする■"パンダ"と呼ばれる人気カラー
ナイキ ダンク ロー レトロ "ホワイト/ブラック" ナイキ ダンク ロー レトロ "ホワイト/ブラック"をスニダンでCheckするまとめ
ここまで、ダンクの代表的なエピソードとスニーカー、直近で発売されたカラーを紹介してきた。
本記事の内容をまとめると、ダンクの人気の理由は以下の3つだと考えられる。
・歴史とともに刻まれた伝説的なエピソード
・実用的でありながら、カラフルでファッションに取り入れやすいデザイン
・主にSB ダンクから発売されるモデル・カラーの希少性の高さ
様々な魅力を持つダンク。人気の理由を皆さんはどのように考えるだろうか?
紹介したアイテム以外にも、これから発売を控えているカラーも多々あるので、スニダン内でもぜひチェックしてみてほしい。
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