Levi's®がこれまで世に出してきた歴史的名品の数々を忠実に再現するコレクション「Levi’s® Vintage Clothing(LVC)」が、いまアツい。デニムジャケットの王道である"1st"や、ジーンズに詳しくない人でも一度はその名を耳にしたことがあるであろうマスターピース「501®」など、さまざまなアイテムが復刻されては激しい争奪戦が繰り広げられている。ではなぜLevi's®の品々はファッション好きたちをそこまで虜にし続けるのだろうか?BerBerJinにてディレクターを務める藤原 裕さんに話を聞いた。

Profile

藤原 裕さん

BerBerJin director/BIG YANK creative director

Instagram:@yuttan1977
YouTube:ヴィンテージデニムアドバイザー藤原 裕 CH

大戦モデルは人気だが、「501®」が"完成された"のは1947年

─ さきほどデニムジャケットでも伺いましたが、たくさんお持ちの「501®」の使い分けってどうされてるんですか?

藤原 裕さん(以下、藤原): もうそれもいまの自分の気分で。「少し長めのが好きだな」という感じだったのが、この1〜2年。でも最近はスニーカーよりブーツとか革靴の方が好みなんです。たまたまAlden(オールデン)の革靴を2〜3足買ったんですけど、そうなってくると「501®」のストレートの裾がズボッと被るのもシルエットとして違うかなと。なので、いまはやや短めの「501®」が気分だったりします。

ひとつ前の記事で比べていただいた大戦モデルと1947年モデルは、どちらの方が人気とかってありますか?

藤原: いままで「LVCの復刻で一番売れてるのは1947年モデルだ」って聞いてたんですね。でもジャケットの大戦モデル(1st)が復刻で出ちゃったから、みんなセットアップでパンツもほしがるじゃないですか。そういった理由で、いまは大戦モデルも売れてるみたいですね。

藤原: でも実際のところ、Levi's®といえばこのアーキュエイトステッチがお尻から見えてるのがカッコいいワケじゃないですか。そしてそれがペンキじゃない方がいいじゃないですか。だから普通に考えたらそっち(1947年モデル)を選ぶと思うんですけど、たまたまいまは大戦モデルのジャケットが出て、それとセットアップで着たい方が多いのかなと。

さきほどお話したように、省略されまくってるのが大戦モデルです。それは見た目でわかりやすいから人気があるだけで、「501®」が"完成された"のは1947年です。コインリベットも戻り、Levi's®らしいボタンに戻り、アーキュエイトステッチも戻りましたしね。

いまでは逆に「いいモノ」と評価されている、大戦モデルに使われた荒々しい生地

─ じゃあ藤原さん一番のお気に入りも1947年モデル?

藤原: そうですね…ただ、じつは1946年モデルってのもあるんですよ(笑)

─ え!そうなんですか!?

藤原: 使われてる生地は大戦モデルと同じで、ちょっと厚めなんです。Levi's®はコーンミルズ社と契約して生地を買っていたんですけど、もしかしたら戦争中は物資統制があって違う会社のモノを使っていたかもしれないですね。だからちょっと荒々しい。コーンミルズ社じゃない生地だとしたら(品質が)よくないモノなのかもしれないですけど、色に深みがあって色落ちがいいんで、いまでは逆に「いい生地」として評価されてるんです(笑)

─ その歴史はめちゃくちゃおもしろいですね(笑)

藤原: それで戦争が終わって物資統制の必要がなくなると、ディテールが切り替わりますよね。ステッチも戻るし、コインリベットも打ってよくなる。でも1946年当時はまだ大戦モデルと同じ生地を使ってた、という感じなんです。

昔は僕らも認識せずに売ってたんですけど、いろいろ細かく調べていったら「これって『1946年モデル』って謳っていいんじゃない?」っていうのが出てきちゃったんですよね。で、さらに「1942年モデル」というのも出てきて。だから、この本『THE 501®XX A COLLECTION OF VINTAGE JEANS』を作ってから新たなモノがいくつか出てきている。

─ そんないろいろなパターンが発掘されている「501®」ですが、いま現在、LVCで復刻モデルが出されているモノの中だと、やはりもっとも完成されていると感じていらっしゃるのは…。

藤原: それは1947年モデルです。もしかしたら今後、もっと細分化されて「1946年モデル」とかもLevi's®が出してくれたらおもしろいですけどね。僕らヴィンテージ業界はみんな興奮すると思います(笑)

─ じゃあ、今後はどんなのを復刻してくれるか期待ですね!

藤原さんが「穿かずに墓場まで持っていこう」と考えている、超激レアな一本

藤原: そういえばLevi's®が150周年、BerBerJinが25周年のときにLevi's®本社の方から「Mr.Fujihara、なんかお祝いで作ろうか?」って言われたことがあって。それで実際に作ってもらったのが、この1942年モデルです。僕が実物を所有してたので、それを本社に預けてイチから作ってもらいました。世界限定80本です。というか「80本しか作れない」って言われました(笑)

─ えぇ…そんなレアなアイテムなんですか…。

藤原: 生地に関しては余ってたモノを使ってもらったんですけど。いまから10年くらい前にLevi's®が大戦モデル用に作っていた生地が、たまたまサンフランシスコの本社に余ってたみたいで。それで、本社の近くに元々は工場だったところを研究所にした「Eureka Innovation Lab(ユーレカ・イノベーション・ラボ)」っていう施設があるんですね。

藤原: かつて縫い子さんとして働いてた方々も集結してるうえ、当時のミシンもまだ15台ぐらい残ってるんです。そこで縫ってくれた「メイド イン サンフランシスコ」のアイテムはこれだけです。そしてこのギャランティチケットも現物を持っていたので、その写真データを送ってLevi's®にイチから作ってもらったモノです。

それらを実現した結果、定価が12万5,000円になっちゃいまして(笑)

─ おぉ…それはなかなかお高い…。でも世界で80本限定なら、やっぱり争奪戦でしたか?

藤原: 400人並びました。でもヤフオクに2本出品されたっきり、たぶん市場には出てないですね。ちなみにその中でも、私がシリアルナンバー「01番」をいただきました(笑)

─ あ!それはすごい!

藤原: ウエストは32、34、36。レングスは長すぎるといやだから32。それを80本に分けたんですけど、ウエスト32と34がそれぞれ35本ずつ、36を10本でお願いしたんです。そうなったとき、普通はシリアルナンバーってウエスト32のものから順に付いていくと思うんですけど、Levi's®に「僕のサイズは34です」って伝えたら、それを01番にしてくれて。

─ Levi's®さんの粋な計らいですね。

藤原: そうなんです。ただ、やっぱり穿けないですよね(笑)。というのもLVCからお店やブランドでなく、ほぼ個人のレベルで「501®XX」の別注モデルを出した日本人は、おそらくNIGO®さんと自分だけみたいで。

─ じゃあ、今後も穿かれる予定は…いまのところは…?

藤原: これは墓場まで持っていこうかなと(笑)

─ なるほど(笑)

「LVCとはまたいつか、一緒に何かできたら」

藤原: ただ、これはレアな年代のモノですが実際に存在するモデルの復刻ですし、このために作ってもらった以上、データはLevi's®にあるじゃないですか。だからのちのち、LVCがいま作っているラインナップの中に「1942年モデル」として出してもいいんじゃないですか?ってことは、一応、言ってはいます。いま手元にあるこれはユーリカで縫ってもらったりシリアルナンバーが入ってたりするので、また別モノにはなりそうですが。

─ それは本当に期待したいです!

藤原: そしてLVCとはまたいつか、一緒に何かできたらなって思ってます!

─ では最後に、いま現在のLVCで復刻されている「501®」からおすすめを教えてください。

藤原: やはり人気ですし「1947年モデル」がいいんじゃないかなって思いますが、色落ちを楽しむなら「1955年モデル」もおすすめです。そのあたりは好みで選んでいただければと!

「Levi’s® Vintage Clothing」の「501®」をスニダンでチェック!

リーバイスビンテージクロージング 1944 501 ジーンズ リジット "ダーク インディゴ ブルー"の定価/発売日

ブランド リーバイス(LEVI'S)
カテゴリ ボトムス
発売日 2026年3月26日
定価 ¥41,800(税込)

「人気なのは大戦モデルだけど『501®』が完成されたのは1947年」 BerBerJin藤原さんに聞く、歴史的名品の魅力 Vol.4の抽選/販売店舗

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