「リーバイスのブラックデニムはコスプレにならない」。ベルベルジン遊歩道のディレクターが語るブラックデニムの魅力とは?

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定番のブルーデニムに並び、近年盛り上がりを見せるリーバイスのブラックデニム。巷で市民権を得つつあるオールブラックのコーディネートとの相性もいいため、今気になっている方も多いのではないだろうか? そこで今回、スニダン編集部はオープン時から精力的にブラックデニムを提案しているベルベルジン遊歩道を訪問。同店のディレクターを務める蒔田さんがリアルに愛用しているブラックデニムを例に取り、改めてその魅力に迫る。

プロフィール

蒔田 康介

BerBerJin YUHODO Director

蒔田 康介|Kosuke Makita

Instagram:berberjin_kosuke

今年でオープン5年目を迎えるベルベルジン遊歩道のディレクションを担当する若きエース。古着だけでなく、バイクやサーフカルチャーにも精通。近年はyoutubeでの発信も積極的に行っている

遊歩道店のオープンから間もなく5年。「まだ市場で価値が付いてないアイテムをかっこよく見せたい」

─ まずはいくつかあるベルベルジンの店舗の中でも、遊歩道店で重点的にセレクトしているラインナップについて教えてください

原宿の本店がいわゆる王道のアメカジを展開しているのに対して、フェイクアルファという店舗はもっとヘリテージ寄りのデッドストック系やロカビリーのアイテム、レザージャケットなどに特化しています。僕がディレクションしている遊歩道店では、いわゆるトゥルーヴィンテージと呼ばれるものだけでなく、バンドTシャツに代表されるようなグラフィックに特徴があるTシャツ類も主軸にしています。直近のトレンドとして盛り上がりを見せるネルシャツ類にも力を入れていますね。とにかく、アメカジと呼ばれるカテゴリーの定番アイテムは、もう絶対に毎月アメリカに買い付けに行っています。

取材当日は、ヴィンテージのワッペンでセルフカスタムした80sの「ビッグマック」のヒッコリーシャツと、ホットロッド好きにはたまらない「ムーンアイズ」のTシャツでスタイリングしていた蒔田さん


ー各店ともアメカジをベースにしつつ、それぞれ異なる個性があるんですね。買付けはアメリカがメインになるんでしょうか?

僕たちのポリシーとして、アメリカ以外での買い付けはやらないんです。エリアは主にロサンゼルスが多いですね。それこそリーバイスもサンフランシスコだし、西海岸の匂いがするようなスケートカルチャーやモーターカルチャーなどもカリフォルニアが発祥なので、そんな現地のリアルな空気感をお店に持ち帰ることも大事にしています。

ー今でこそ、ヴィンテージのバンドTシャツや映画関連のTシャツに興味を持つ人が増えましたが、遊歩道のお店はオープン当初からそれらをいち早く提案してきた印象があります。

バンTや映画Tなどは、遊歩道店がオープンした5年前の時点から積極的に打ち出していたアイテムですし、ブラックデニムもそれに当たると思います。当初はあまり見向きされていなかったものが、すごく需要があるアイテムに変化していく過程を体感してきましたし、当然その逆もあります。そういう市場の変動はこの5年の中でもすごく感じますね。市場的にまだそこまで価値が付いていないアイテムをいかにかっこよく見せられるかというのは、オープン時から変わらず意識しているポイントです。

店内には希少なヴィンテージの映画TシャツやバンドTシャツがところ狭しと並ぶ。取材時に蒔田さんが腰掛けていたハンマーミラーの名作家具として名高いタンデムスリングシーティングや、店内奥のチェット・ベイカーの映画ポスターなど、店内のインテリアも必見だ

「リーバイスはコスプレにならない」。リアルな西海岸カルチャーと通じるブラックデニムの魅力

遊歩道のお店でブラックデニムを重点的に置くようになった経緯も聞かせてください。

ひと昔前はブラックデニムはヴィンテージという扱いをされていなかったんですよ。やっぱりブルーデニムの方が価値は上だった。僕がいた頃の原宿の本店でも、ブラックデニムには特に力を入れていませんでした。本店に勤めていると、やはりヴィンテージのブルーデニムを身にまといたくなる空気があるのですが、「いや、ブラックデニムもかっこよくない?」ということは僕なりにずっと発信を続けてきたつもりです。



ーブラックデニムについての熱量は蒔田さん発信だったんですね。

ブルーデニムはもちろん外せないのですが、僕は本当にブラックデニムが大好きだったので、まだ相場が1万円以下のときから何本も買ってきました。個人的な思い入れはすごく深いです。おそらく品番違いで合計20本以上は持っていると思いますね。遊歩道店を任されるタイミングのとき、ブラックデニムを重点的にやらせてくださいと代表の山田に相談したのを覚えています。

ーそうだったんですね。そもそもブラックデニムはどのようにして現在のような人気を獲得したのでしょうか?

振り返ってみると、2010年前後にディオールオム、そこからサンローランに移ったエディ・スリマンがブラックデニムのナローパンツを流行らせましたよね。世間でブラックデニムはロックみたいな前提が浸透したのをきっかけにして、徐々にという感じじゃないでしょうか。個人的には、ここ10年くらいで少しずつ盛り上がってきた印象があります。



ー蒔田さんから見て、ずばりブラックデニムの魅力とはどこにあるのでしょう?

インディゴ、ブラック問わず、ヴィンテージデニムの何が魅力かと問われれば、やはり色落ちだと思います。ただ、インディゴの色落ちとブラックの色落ちは全くその風合いが違うんですよね。ブラックならではの色落ちは独特。簡単に言うと後染め、先染めの違いがあるのですが、染め方で色の落ち方は全然違うし、それぞれの良さがあります。先染めのブラックデニムはちょっとグレーっぽく色落ちしていくのですが、後染めと呼ばれる方はよりブラックの色味を残したまま色落ちしていくイメージです。

先染めと後染めは大まかに裏地で判別できる。よこ糸に白糸を用いる先染め(※画像左)の裏地は、"綾目"と呼ばれる斜めの線が白く際立つのに対して、よこ糸に黒糸を用いる後染め(※画像右)の裏地は全体が均一に黒く(色落ち具合によってはグレーに)見えるのがポイントだ


ーブルーデニムと比べると、ブラックデニムはまたニュアンスの違うかっこよさがあるということでしょうか?

そうですね。そもそも、ブラックデニムは80年代に登場したアイテムです。元々は作業着としてのルーツが強かったブルーデニムが日常着として広く世に普及したタイミングで、よりファッションアイテムとしての立ち位置を明確にして世に出てきました。モーターカルチャーやスケートカルチャーとの繋がりも強く、アメリカに買い付けに行くと、現地のチョッパービルダーとかがブラックデニムをさらっと穿いている感じが本当にかっこいいんです。裾を切りっぱなしにしたブラックデニムにボロボロのコンバースを合わせて、上はチェックシャツみたいな。日々の生活の中でリアルに穿けるかっこよさがあるのがブラックデニムの魅力なのかもしれません。



ー色落ちだけでなく、西海岸ならではのカルチャーと紐づいている点も魅力なんですね。その中でも、リーバイスのブラックデニムというのはやはりちょっと違いますか?

僕の中でリーバイスはずっと特別な存在です。ここ最近になって、リーやラングラーのブラックデニムを手に入れる機会もあったのですが、やはり一番所有しているのはリーバイス。何というか、コスプレにならないところに惹かれるんですよね。もちろん、リーもラングラーもかっこいいのは大前提にあるのですが、普段のコーディネートに合わせると、ちょっとカウボーイの匂いが強すぎると感じてしまうときがあります。その点、リーバイスというブランドは仮に100年前のモデルを穿いたとしてもコスプレにならない。それはブラックデニムについても同じことが言えると思いますね。

蒔田さんが愛用するブラックデニム3選。デッドから下ろした先染め501と505、レングスが特徴のレア品番も

ここからは蒔田さんが実際に愛用するブラックデニムの中から、3本をピックアップして解説していただく。しっかり色が残った先染めの501から、リアルな色落ちがたまらない505、しっかり穿き込んだからこそ生じる自然なダメージに目を奪われる550まで、その個性はさまざまだ。

先染めのデッドストックなら10万オーバー? きれいに穿きたい枠の"501"



いわゆる先染めと呼ばれる501ブラックのデッドを手に入れたので、糊付けしてから下ろした一本です。糊付けはうちの原宿本店でもサービスとしてやっています。最初は自分で頑張って色を落としてヒゲを付けようと思ったんですけど、早めに諦めて洗っちゃいました(笑)。ブラックデニムは穿いて洗ってを繰り返すと、当然色が抜けていくんですけど、これはカチッとした感じがあって好きなんですよ。これに関しては、常に黒い状態を保っておきたいので、たまに穿く一本にしてます。

内タグはもう読み取れないが、80年代後半くらいとのこと。先染めのブラックデニムは市場的な価値が上がっているため、今ならデッドストックで10万円を超えることもあるという


ブラックデニムの色落ちの完成系。かつては毎日穿いた"505"



次は先染めの505です。手持ちのブラックデニムの中では一番穿いたんじゃないかな。僕の中ではブラックデニムの色落ちの完成系ですね。荒々しすぎないし、わざとらしさもない。これもデッドストックから下ろしたので、元々は真っ黒の状態だったのですが、糊付けとかは一切せず普通に毎日穿いていました。糊付けして激しいヒゲを付けるのもいいのですが、何も気にしないで普通に穿き込むだけでも、これだけきれいな色落ちになるというのは伝えたいポイントですね。もしサイズアウトしたとしても手元に置いておきたいくらい思い入れのある一本です。

ウエストとレングスのサイズはW30×L30。「当時よくこれ穿けてたな」と蒔田さん本人も感慨にふける


日本人体型に合う"550 HUSKY"。元からレングス短めなのが◎



550というちょっとバギー寄りなシルエットの品番です。その中でも、この550 HUSKYというモデルは初めからレングスがちょっと短いんですよ。僕も聞いた話なのですが、ハスキーというのはおそらく中学生などのジュニア向けのラインだったらしく、レングスが元々の表記で27、28、29が多いんです。やはりメンズものだと、なかなか30以下のレングスがないのですが、これは28インチというのがいいなと。僕が穿くとくるぶし丈くらいになるので、バンズやコンバースなどのローカットのスニーカーを合わせて、カラーソックスをチラ見せするスタイルでよく穿いていますね。穿いている過程で出てきたダメージ具合も気に入っています。

内タグの印字が薄くなってしまっているが、"550 RELAXED FIT"の下に"HUSKY"の表記が確認できる


着用を繰り返すうちに生じたというウエストや裾のダメージもクール。遊歩道の店ではそのヤレ具合が魅力につながっている個体も積極的に提案しているのだそう

SHOP INFO

BerBerJin YUHODO

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Instagram:@berberjin_yuhodo

YouTube:@BerBerJin YUHODO

スニダンで買えるブラックデニムの古着もチェックしよう

ちなみに、実はスニダンでも古着の取り扱いを開始しているのをご存知だろうか。アメリカ製のリーバイスのブラックデニムに絞っても、記事執筆時点(※2026年6月4日)で150点以上がヒットする。後染めだけでなく、希少になりつつある先染めのブラックデニムもわずかに見つけることができるため、ぜひ併せてチェックしてみてほしい。

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