エルメスの刻印とは?刻印から分かる製造年や刻印の場所を紹介|コラム

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エルメスの刻印とは?刻印から分かる製造年や刻印の場所を紹介|コラムについて

ブランド品の真贋を確かめる際、アイテムに刻まれた刻印やシリアルナンバーをチェックする場合がある。一流ブランド・Hermes(エルメス)のアイテムにも、情報が詰め込まれた刻印が押されている。エルメスを持っている人は、ぜひ探してみて。

目次

Hermes(エルメス)の刻印の基礎知識

エルメスに刻印があることを知っていても、その刻印が何を表すかまで知っている人は少ないのではないだろうか?今回は、エルメスを持っている人にぜひ知っておいてほしい、刻印の基礎知識を紹介していこう。

製造年・製造したアトリエ・製造者を示す

エルメスのアイテムには、一つ一つに刻印が施されている。刻印はアルファベットと数字で構成され、それぞれが製造年・製造したアトリエ・製造者を表している。例えば「N5 A」と書かれた刻印は、「N5」が製造されたアトリエや製造者を示し、「A」が製造年を表す。

製造年を表す刻印は、1年ごとにアルファベットが変わり、年によってアルファベットを囲う記号の形が変わる。同じアルファベットでも、記号の有無や種類で製造年が変わるのだ。

消費者が分かるのは製造年のみ

製造したアトリエや製造者の情報が詰まった刻印は、一つひとつ手作りでアイテムを製造している職人のプライドを感じさせてくれるものだ。

ただし、一般の消費者が刻印から読み取れる情報は製造年のみ。アイテムに押される刻印と製造したアトリエや製造者の関係は、公開されていない。

刻印が示す、製造したアトリエや製造した職人の情報は、エルメスの販売員にさえ明かされていない。そのため「この刻印が付いているバッグはどのアトリエで作られたものか?」とエルメスの販売員に尋ねたとしても、詳細を教えてもらうことは難しいだろう。

刻印が押されている場所

刻印がある場所はモデルごとに異なる。また、同じモデルでも必ずしも同じ場所とは限らないが、刻印が押されている可能性の高い場所を集中的に探せば、効率的に刻印を見つけられるだろう。

刻印の場所【バッグ編】

バッグの刻印は、どれも比較的見つけやすいところに押されている。

バーキン・ケリー:初期のモデルは正面にあるベルトの裏側で、金具を外すとあらわになる部分。2015年以降に販売された新しいモデルは、向かって左側の、本体内側上部

ボリード:ファスナー端のタブの裏側

エヴリン:初期のモデル[Ⅰ]はショルダーの付け根部分の裏側。[Ⅱ]以降のモデルは、パンチングが施された面側に垂れ下がったベルトの裏側

ピコタンロック:ベルトを通す金具が付いている側の本体内側

コンスタンス:本体内側のマチの部分

刻印の場所【財布編】

財布の刻印は、バッグよりもやや入り組んだところにあるため、見つけづらいかもしれない。光の当たり方が変わると見えやすくなる場合があるので、財布の角度を変えながら探してみよう。

ベアン スフレ:コインケースの裏に付いている札入れの内側。初期のモデルの場合、コインケース内側のマチ部分にあることも

ドゴン コンパクト:カードポケットの裏側にある札入れの中

アザップ シルクイン:財布の内部に付いているタブの裏側

アザップ クラシック:札入れの中で「HERMES PARIS」のロゴ下

ジジェ デュオ:本体の札入れ内側のマチ部分

刻印がない・薄いHermes(エルメス)は偽物なの?

エルメスのアイテムに刻印が見つからないと、「もしかして偽物かもしれない」と焦ってしまうもの。でも刻印がないからといって、即偽物だと確定するわけではない。エルメスのアイテムに刻印がない、もしくは薄いケースにはどんなパターンがあるのか解説していく。

もともと刻印がないモデルもある

エルメスには、そもそも刻印がないアイテムがある。エルメスの刻印は、主に革製品に押されるものだからだ

刻印が見つからないときは、そのアイテムが何でできているかに注目してみよう。革ではなくキャンバス地なら、もともと刻印がない可能性が考えられる。

コットンキャンバス地でできた「フールトゥ」や、ナイロンキャンバス地でできた「エールライン」は、キャンバス地ゆえに刻印がないエルメスバッグの典型例。

そのほか「アカプルコ」「トロカホリゾンタル」なども同じ理由で刻印がない。

ものによっては薄くて見えづらい場合も

エルメスの革製品なのに刻印が見つからない場合、打刻するパワーが十分でなく、刻印が薄いケースがある。

エルメスのバッグは、職人が最初から最後まで一人で作り上げている。刻印を押すのも、そのアイテムを作った職人個人。打刻の力加減は職人に委ねられているため、ものによっては打刻のパワーが足りず、ほかのアイテムよりも薄い刻印になってしまう可能性がある。

刻印が薄いと革の斑などと紛れてしまい、判別が難しくなって「刻印がない」と勘違いされてしてしまうケースもある。刻印が薄い、もしくは見当たらないからといって、すぐさま偽物とは断言できない。

刻印の場所や刻印を押すかどうかは職人次第

あるべき場所に刻印がない、本物のエルメスも存在する。エルメスの革製品は、刻印が入っているものがスタンダード。ただ刻印を押すか押さないか、押すとしてもどこに押すかは、職人のさじ加減に委ねられている。

そのため、ごく稀ではあるものの、刻印が押されているはずのモデルなのに刻印がなかったり、イレギュラーな場所に刻印が押されていたりするケースが存在する

実際にエルメスの買い取りの現場でも、刻印があるべき場所にない、本物のエルメスが確認されている。そのため、刻印が見つからないからといって、すぐに偽物と判断するのは早計だろう。

刻印が表す製造年

ここからは、刻印が表す製造年を一覧で紹介していく。エルメスのアイテムに刻印を見つけた人は、そのアイテムがいつ作られたのか確認してみよう。なお「□R」の表記は、実際には「四角で囲まれたR」を表す。

1964~1996年を表す刻印

1964~1970年を表す刻印は、T~Zのアルファベットのみ。1971~1996年はA~Zのアルファベットを丸で囲んだ刻印が刻まれている。

1964年T
1965年U
1966年V
1967年W
1968年X
1969年Y
1970年Z
1971年○A
1972年○B
1973年○C
1974年○D
1975年○E
1976年○F
1977年○G
1978年○H
1979年○I
1980年○J
1981年○K
1982年○L
1983年○M
1984年○N
1985年○O
1986年○P
1987年○Q
1988年○R
1989年○S
1990年○T
1991年○U
1992年○V
1993年○W
1994年○X
1995年○Y
1996年○Z

1997~2022年を表す刻印

1997~2014年は、A~Rのアルファベットを四角で囲んだ刻印が押されている。2015~2022年を表す刻印は、T~Uのアルファベットのみ

1997年□A
1998年□B
1999年□C
2000年□D
2001年□E
2002年□F
2003年□G
2004年□H
2005年□I
2006年□J
2007年□K
2008年□L
2009年□M
2010年□N
2011年□O
2012年□P
2013年□Q
2014年□RもしくはRのみ
2015年T
2016年X
2017年A
2018年C
2019年D
2020年Y
2021年Z
2022年U

特別な意味を持つ刻印

エルメスの革製品には、製造年や製造したアトリエ・職人を示す刻印以外の刻印が押されているアイテムもある。

特殊な意味を持つ刻印は、「HERMES PARIS MADE IN FRANCE」のロゴマークの上下や横に打刻されている。特殊な刻印が持つ意味を知れば、エルメスについてより深く理解できるだろう。

素材を表す刻印

爬虫類系の高級レザーには、素材を判別する刻印が付いている。爬虫類系は、見た目だけで何のレザーか判断するのが難しいからだ。

「Λ」で表されるのは、「クロコダイル ポロサス」。主にアフリカに生息するワニの革で、エルメスの中でも、特に高級な素材として知られている。

「●●」で表されるのは「クロコダイル ニロティカス」で、アフリカのナイル川流域に生息する、大型のワニの革だ。ポロサスよりもマットな質感で、落ち着いた印象がある。

アリゲーターは「□」で表現される。北アメリカやオーストラリアに生息するワニの革で、クロコダイルよりも斑が大きいのが特徴だ。

「-」はリザードを表す。東南アジアに生息するトカゲの革で、きめ細やかな斑と独特の光沢感が魅力。

オーダー品やソルド品を表す刻印

一般に出回るものとは異なるアイテムに押される刻印もある。馬の蹄(ひづめ)のマークが付いているのが、パーソナルオーダー品だ。パーソナルオーダーとは、素材やカラー、配色を自分の好みでオーダーできるシステムのこと。

流れ星のマークが付いているのは、エルメス関係者向けに作られたアイテム。星のマークは「スターマーク」と呼ばれ、エルメスの職人や販売員の身内からオーダーを取って製造したアイテムに押されている。

エルメスが定期的に開催するセールイベントで販売されたアイテム、いわゆるソルド品に付いているのが「S」の刻印だ。「S」とともに数字が押されているパターンもある。

Hermes(エルメス)のレザーバッグ

ここからは、刻印が押されている、代表的なエルメスのレザーバッグを紹介していこう。どれもエルメスらしい、気品あふれるアイテムだ。

エルメス バーキン エプソン ハンド バッグ "ブラック"

エルメス バーキン エプソン ハンド バッグ ブラック 画像 「エルメスのバッグといえばこれ!」と多くの人がイメージする、エルメスのアイコン的なバッグ。フラップと金具の付いたベルト(クロア)がトレードマークだ。バーキンが誕生したのは1984年で、馬の鞍(くら)を入れるカバン「オータクロア」を原型としている。

エレガントな見た目と裏腹に、たくさんの荷物を収納できるのが魅力。たっぷり荷物を入れても形が崩れないので、日常使いやビジネスシーンで活躍してくれるだろう。

ブラックのバーキンは、一つ持っているといろいろなシーンで役立つアイテム。バーキンを選ぶなら、まず候補に入れたいカラーといえるだろう。素材は人気のエプソン。ハリ感が強いので、型崩れを気にせず使用できるだろう。

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エルメス ケリー トゴ ハンド "ブラック"

エルメス ケリー トゴ ハンド ブラック 画像 ケリーは、バーキンに負けず劣らずの人気を誇る、エルメスのバッグ。ケリーが発売されたのは1936年。当時は「サック・ア・クロア」と呼ばれており、ケリーと呼ばれるようになったのは1955年頃から。

見た目が似ているバーキンとの違いは、ハンドルの数。バーキンが2本なのに対し、ケリーは1本しかない。また、肩掛けできるショルダーストラップが付いているのも、ケリーの特徴。

ケリーはバーキンよりもエレガントな雰囲気なので、格式高いシーンで特に活躍してくれるだろう。素材はほどよい柔らかさが魅力のトゴ。エルメスの中でもベーシックな素材なので、ファーストエルメスにもぴったりの素材といえるだろう。

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エルメス エヴリン 3 トリヨンクレマンス ショルダー "ブラック"

エルメス エヴリン 3 トリヨンクレマンス ショルダー ブラック 画像 馬の蹄鉄にインスピレーションを得た、エルメスのショルダーバッグ。登場したのは1978年のこと。トレードマークは、エルメスの頭文字「H」をかたどったパンチングデザイン。

「I」「Ⅱ」「Ⅲ」と3つの型があり、現行モデルの「Ⅲ」はショルダーベルトが調節できるようになっている。

エヴリンは、エレガントさの中に適度なカジュアルさを感じさせるバッグで、日常的なコーデと合わせやすいので「バーキンやケリーは格式が高すぎる」と感じる人におすすめ。

素材は柔らかさが特徴のトリヨンクレマンス。傷やこすれに強いので、バッグを日常使いしたい人におすすめの素材だ。

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刻印をチェックしてHermes(エルメス)への理解を深めよう

エルメスの革製品には、製造年・製造したアトリエ・製造者を表す刻印が押されている。アトリエと製造者の情報は公開されていないが、刻印を確認すれば、そのアイテムがいつ頃作られたものかが分かるようになっている。

ほかのブランドの刻印と違い、「エルメスの刻印がない、もしくは薄いと偽物」と判断する材料にはならない。エルメスの場合、さまざまな理由で刻印が薄くなったり、押されていなかったりする可能性があるからだ。

あなたも手持ちのエルメスアイテムの刻印をチェックして、愛用のアイテムについて理解を深めてみよう。

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