「Supreme(シュプリーム)」秋冬シーズンの幕開けを飾るフォトTシャツ。毎年高い注目を集める一枚だが、その歴史はブランド設立11年目の2005年まで遡る。その第1弾を飾ったのが、伝説のヒップホップクルー、ウータン・クランのメンバー、レイクウォン氏だ。今回、そんなシュプリームの歴史を語る上でも欠かせないマスターピースをスニダン編集部で入手。実物のディテールを写真付きで紹介する。
そもそもSupremeのフォトTとは?
シュプリームのボックスロゴTシャツを著名人が着用し、そのポートレートをフロントにプリントしたTシャツが一般的に"フォトT"と呼ばれる。FWシーズンのウィーク1で発売されることが多く、今回レポートするレイクウォン氏を筆頭に、ミュージシャンが起用される割合が高いのも特徴。
これまでナズ氏やタイラー・ザ・クリエイター氏といったラッパー、ニール・ヤング氏やブジュ・バントン氏などのジャンルを超えたレジェンドなどがTシャツのフロントを飾ってきた。さらに、スーパーモデルのケイト・モス氏や格闘家のマイク・タイソン氏、果てには『セサミストリート』などに登場するカエルのキャラクター、カーミットまで実に多彩な顔ぶれだ。
エルモに機関銃…物議を醸した伝説の一枚
今回実物フォトレポートをするレイクウォンTシャツは、2005年にフォトTの第1弾として発売された。レイクウォン氏は1992年にスタテンアイランドで結成されたヒップホップグループ、ウータン・クランの人気メンバー。1994年にニューヨーク・ラファイエットストリートで産声を上げたシュプリームの"顔"として適任だろう。
ストリートのリアルをラップしてきたレイクウォン氏なだけあり、このフォトTも発売当時波乱を呼んだ。というのも、ポートレートにはエルモのぬいぐるみを抱えたレイクウォン氏と、機関銃を携えた彼のボディガードが収められている。これを見た『セサミストリート』側が子ども向け番組のキャラクターに銃火器を近付け、許諾を取ることもなく商品化するとは何事かと、発売取り下げを求めたそうだ(後に和解し、2008年にはカーミットのフォトTもオフィシャルで発売されている)。なんともストリートブランドらしい逸話だが、そんな事情もあり流通量は限られており、古着市場では10万円を超える高値で取引されることも珍しくない一枚だ。
フォトT第1弾"レイクウォン"実物を写真付きでレポート
さっそくレイクウォンTのディテールをチェックしていこう。今回入手したのは、スニダンに出品されていた古着の一枚。ホワイトのLサイズで、身幅55cm、着丈77cm、肩幅52cm、袖丈25cmという平置き実寸だ。襟周りに変色はあるが以前のオーナーも大切に着用してきのか、さほどボディに縮みは出ていない様子。ボディはコットン100%のUSA製で、年代的には「American Apparel(アメリカンアパレル)」のものだろうか。20年ほど前の古着ではあるが、さほど生地痩せもしておらずまだまだ一軍として着用できる状態だ。ちなみに、近年のTシャツと異なり襟タグ裏に"SUPREME"の透かしは入っていない。
先述のようなストリートらしい逸話も残るグラフィックだが、経年から考えるとプリントの状態も悪くない。過度なフェードや劣化は無く、ブルーの背景も発色良好。レイクウォン氏が着用しているTシャツ部分などに若干の割れが見られる程度だ。
近年のシュプリーム同様こちらも着丈は長めだが、身幅は数cmタイトな印象。版が比較的大きいためボディとグラフィックのバランスは悪くない。シンプルな白Tシャツなので、写真のようなミリタリー系パンツのほか、ストリートライクにバギージーンズ、綺麗めにスラックスなど、あらゆるボトムスともマッチするだろう。
今後のラインナップにも期待
レイクウォン氏を皮切りに、多くのレジェンドがバトンを繋いできたシュプリームのフォトTシャツ。26FWのウィーク1では映画『スター・ウォーズ』シリーズよりシスTシャツが登場したが、25SSのウィーク18でディーン ブラントTがリリースされたように、今後のウィークでいわゆる"フォトT"が発売される可能性も。次はどんな著名人がブランドの歴史に名を刻むのか、これからもシュプリームのフォトTから目が離せない。

