メゾンブランドが立ち並ぶ表参道から外れた路地裏に佇む"BAGGAGE COFFEE(バゲージコーヒー)"。人気セレクトショップであるGR8出身の竹内隆平氏が手がける同店には、スタイルも国籍も異なる人々が一杯のコーヒーを求めて朝早くから訪れる。

竹内氏がこよなく愛するフットボールの要素を色濃く打ち出しつつも、店に流れる空気はあくまでもフラットでおおらかだ。サッカー世界大会の熱狂がひと段落した今だからこそ、ユニフォームを日常着として楽しむ"ブロークコア"のスタイルを自然体で発信し続ける同店の魅力に迫る。

プロフィール

竹内 隆平

BAGGAGE COFFEE Owner

竹内 隆平|Ryuhei Takeuchi

Instagram:takenogrm

ラフォーレ原宿のセレクトショップ・GR8で経験を積んだ後、2020年に移動式のキッチンカーからBAGGAGE COFFEEをスタート。2022年に原宿に実店舗をオープン。現在は各ブランドのケータリングや、TOKYO 23のカフェエリア監修を担当するなど多岐にわたり活躍。


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竹内氏が好きなものを詰め込んだ"トランクケース"。店名に込めた思いを表現した店作り

─ まずは、原宿のセレクトショップ・GR8で長年キャリアを積まれてきた竹内さんが服屋ではなく、カフェという業態を独立の場として選んだ理由を教えてください。

GR8での仕事は接客や人とのコミュニケーションが本当に楽しかったですし、仕事としてすごく満足していました。GR8は僕にとって最高のセレクトショップだったからこそ、自分が独立するときに「また服屋をやりたい」という思いは一切ありませんでした。服以外のジャンルで、人が集まるコミュニティ的なスペースを作りたいなと。僕はお酒を全く飲まないので「じゃあコーヒーかな」と思ったのがきっかけですね。

コーヒーをツールにして人と人を繋ぐような店にしたかったと話す竹内氏。コーヒー豆は柏レイソルに所属する犬飼選手が手がけるTONÉS COFFEE ROASTERSのものを使用しているそう


─ キッチンカーからスタートした2年後には実店舗をオープンされ、さらにその数カ月後にはカフェスペースだけでなく、物販のスペースも拡張されています。"BAGGAGE=バゲージ"という店名にはどういう意味があるのでしょうか?

キッチンカーを始めるときに思いついた名前で、旅行に行くときのトランクケースのイメージなんです。南国に行くなら水着を入れるし、パリ出張ならお気に入りのワードローブを選りすぐって入れるじゃないですか。行く先や目的に合わせて好きなものを詰め込んで、帰るときには現地で出会った思い出や物を詰めて帰ってくる。自分たちの好きなものや好きな人たちとの取り組みを、ジャンルを問わず詰め込める空間にしたいという気持ちはそのときからありました。

スタッフ
エントランス右手には思い思いのユニフォームを着こなすスタッフさんが忙しく立ち働くテイクアウトスペースがある


スタッフ
伊東純也選手の背番号入りの日本代表ユニや、マンチェスターシティにて活躍したダビド・シルバ選手の一着など、スタッフさんのチョイスはさまざま


スタッフ
取材当日は同店の看板スタッフである"ペレ"くんも在店。運がよければ会えるかも?


─ そのコンセプトどおり、ひと言でカフェと形容するには、あまりに多様な空間になっているようです。

奥のスペースではサッカー仲間の兄弟がヴィンテージの自転車を扱っているコーナーがあります。その横には、サッカー古着を販売するコーナーや、仲間のひとりが運営するネイルサロンもあります。彼らがそれぞれの得意分野を持ち寄ってくれることで、僕やサッカーとは関係ない新しい人たちがまた足を運んでくれる。カフェ巡りの一環として訪れる女性のお客さんもいれば、サッカー目当ての方も来るし、海外の旅行客もよくいらっしゃいます。ジャンル関係なく、いろんな人に楽しんでもらえるスポットになってきたのかなという実感はありますね。

エントランス奥にはゆっくりくつろげるカフェスペースとともにバゲージコーヒーの物販スペースも。訪れた記念にプリクラ感覚で撮影できる証明写真機も人気がある


物販スペース奥では、ヴィンテージのロードバイクを街乗り用にカスタムして販売する"Ono Wheel"や、ネイルサロン"Béll"など、ユニークなショップインショップを併設


─ プーマやアトモスなどのブランドをはじめ、『ブルーロック』のようなタイトルに至るまで、さまざまなカテゴリーとのコラボレーションもお店の特徴です。コラボの基準はどうやって決めているのでしょうか?

正直、相手が有名かどうかみたいな基準は僕の中で全然ないんです。お話をいただいたときの熱量だったり、自分たちがワクワクできるかどうかで決めることのほうが多いですね。ふらっと店に来てくれた方との会話の流れから一緒にやることもあれば、前もってお声がけをいただいて進むこともあります。いずれにせよ、周りの縁に恵まれて、一緒におもしろいものを作り上げていけるのは本当にありがたいです。

店内のディスプレイ
PVCバッグをメインにしたポップなバッグが人気の「nana-nana」や、日本の伝統×最新技術をコンセプトに掲げる「goyemon」など、個性あふれるブランドとのコラボも一見の価値あり


店内のディスプレイ
伊勢丹新宿店のイベントの一環として企画され、話題になった『ブルーロック』とのコラボTシャツ。コラボ相手の幅広さがうかがえる

自らを"エセサッカーファン"と称する真意とは?「いろんな人をつなげるのが僕の役割」

─ 店内にはサッカーの要素が自然とあふれているのも、最初から意図していたことだったんですか?

どちらかというと、結果的にという感じです。僕自身、大学までプロを目指してサッカーをやっていたので、今でも趣味でボールを蹴りますし、サッカー関係の人とコミュニケーションを取ることはやはり多いです。2022年の秋に店舗を拡張したタイミングで、遊びに来てくれた選手や仲間がサインやポスターを置いていってくれたりして、サッカー関連のアイテムは自然と増えてきています。「そろそろ片付けなさい」と言われそうな自分の部屋みたいな感覚ですね(笑)。国内、海外問わずに活躍するプロの選手もオフのときにはよく遊びに来てくれます。

カフェスペースの入口付近には、竹内氏も企画に携わったコカ・コーラのキャンペーンに使用された限定ユニフォームが展示されている


ユニフォーム
何気なく飾られている日本代表のユニフォームは、板倉選手、伊東純也選手、南野選手、田中選手、旗手選手のサインが入る


─ ユニフォームを街着として取り入れるブロークコアと呼ばれるスタイルが定着して久しいですが、竹内さんはこの広がりをどうご覧になっていますか?

僕は自分が着たいものを着るタイプなので、世間のトレンド自体は正直あまり意識していないんです。ただ、お店でユニフォームを見て興味を持ってくれる方が増えている感覚はありますね。新作のユニフォームを着る方がいる一方、ヴィンテージのユニフォームしか選ばないという方もいるし、ユニフォームを着てスタジアムで写真を撮るのが好きという方もいます。入り方は人それぞれで自由でいいと思いますし、みんなが自分なりのスタイルでフットボールを楽しんでいるのはすごくうれしいですね。

竹内さん

竹内さん

─ ユニフォームを楽しむ方が増えた一方、"そのチームのことを知らずに着ていいのか問題"も常につきまとうテーマです。

それ、僕は本当に気にしなくていいと思うんです。僕自身、こういうお店をやっているのに、ヨーロッパのリーグの話とか本当に分からないんですよ。この前もお店でアーセナルの話になって、選手の名前がいろいろ飛び交うのを頷いて聞いていたけど、実はあまり分かってないていう(笑)。うちのスタッフのほうが詳しかったりするので、W杯のときも「今回のフランス代表ってそんなにメンバーいいの!?」と聞いたくらいです。その意味で言うと、僕は俗に言う"エセサッカーファン"だと思うんです。

─ プロを目指したほどの経歴と、サッカーへの愛情が深い竹内さんでも、エセサッカーファンということになるんでしょうか…?

僕自身はあまりサッカーのことを知らないお客さんと、めちゃくちゃコアなファンの方をつなぐ中間にいるのが自分の役割だと思っているんです。それこそ、ブロークコアとかテラスカルチャーのスタイルは、すごくかっこいいと思うんですけど、サッカーやファッションへの理解度は人によって温度差があって当然です。その両方の人が自然に集まれる場を作ることのほうが自分にとっては大事なんですよね。

ユニフォーム

─ ユニフォームを着る動機もその人ごとにいろいろありそうです。サッカー世界大会が落ち着いた今、ユニフォームを手に取るメリットについて改めてお聞きしたいです。

そのチームが好きな方はもちろん、単にそのユニフォームの色やデザインが好きという理由で着る方もいると思います。どちらにしても、そのユニフォームは自分の好きなものを表す"名刺代わり"になるんですよね。例えば、着ているだけで「あ、パリサンジェルマン好きなの?」みたいな会話がはじまって盛り上がるかもしれない。サッカーに対する新しい関わり方を見つけるという意味で、ユニフォームを着て街を歩くとまた新しい出会いや発見があると思います。

─ とはいえ、そのユニフォームスタイルを過度にプッシュしないところもバゲージコーヒーさんらしい感じがします。

そうですね。そういうスタイルを無理に盛り上げようとすると、お店に入りづらくなったり、誰かを排除する壁ができちゃう気がするんです。理想のイメージとしては、サッカーの試合の日になったら、声を掛け合わなくても自然と同じチームが好きな人たちが集まってくる感じ。カフェ巡りの人も、海外の人も、サッカー好きな人も、同じ空間で心地よく過ごせるオープンな場所であることが、一番目指している形なんだと思います。

ユニフォーム

ユニフォーム

あの"アウェイユニ"を今ならどう着る? 竹内氏のリアルなユニフォームスタイルをチェック!

取材当日は、この夏に話題になったアウェイユニフォームを着用していた竹内氏。普段、トレンドを意識することはないとのことだが、今ファッションシーンでも注目を集めるランニングベストを重ねたレイヤードを披露してくれた。ユニフォーム単体で着るのはもちろんだが、ベストを合わせたり、長袖シャツのインナーに使うスタイリングもおすすめとのことだ。

トップス / adidas、ベスト / TANTRUMS、ボトムス / Seventh、シューズ / adidas x Brain Dead by Disney、キャップ / COOTIE PRODUCTIONS
実際に現地でオランダ戦を観戦した思い入れもあるというアウェイユニフォームがこの日の主役。カリフォルニア発の新進ランニングブランド「TANTRUMS」のランニングベストを重ねたレイヤードがおもしろい。ちなみに同ブランドのデザイナーは来日した際、お店にもよく遊びにくるようだ
ボトムスはロンドン発「Seventh」のショーツ。足元には、「adidas」の名作プレデターをベースに「Brain Dead」がアレンジし、ディズニーのキャラクターを落とし込んだ一足をチョイス。竹内氏曰く、現時点では今年最もかっこいいと思った一足だそう

SHOP INFO

BAGGAGE COFFEE

BAGGAGE COFFEE

"ブロークコアのSNAP特集"をチェックして最大3,000円オフの初回限定クーポンをGETしよう!

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現在、スニダンではサッカーユニフォームをはじめとするゲームシャツの着こなしがチェックできる"ブロークコアのSNAP特集"を公開中。初回購入時に使用できる最大5%OFF(割引上限3,000円)のクーポンももらえるので、ぜひチェックしてみてほしい。

アディダス サッカー日本代表 2026 アウェイ レプリカ ユニフォーム 長袖 "オフホワイト/ブラック"の定価/発売日

ブランド アディダス(adidas)
カテゴリ ユニフォーム
発売日 2026年6月29日
定価 ¥14,300(税込)

「サッカーユニフォームは会話を繋ぐ名刺」。元GR8竹内氏が手がける"BAGGAGE COFFEE"流ブロークコアの現在地の抽選/販売店舗

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