新着投稿

スニーカーダンク コミュニティガイドライン
やっぱり僕は、「原点」や「未公開作品」、「没案」などに強く惹かれてしまう。
た
ユーザーアイコン

bamb

やっぱり僕は、「原点」や「未公開作品」、「没案」などに強く惹かれてしまう。
たとえば、漫画の読み切り版、映画の前日譚、曲のデモ音源――そういった未完成さは面白いと思う。

「ここは受け継がれたんだ」「ここは大きく変わったんだな」と、正史の成果を知っているからこそ得られる視点で、「読む」「観る」「聴く」ってことが好きなんですよ。

だからこそ、名作スニーカーの“没案”を「履く」ことができる、という体験には衝撃を受けました。しかも、デザインも僕の好みにドンピシャだった。

そのスニーカーが、こちらスニダンさんで購入した「MoMA × NIKE AIR MAX 95 “Reverse Neon”」

ただ、ひとつ疑問も浮かびました。
なぜニューヨーク近代美術館(MoMA)とのコラボモデルが、没案ベースの“イエグラ反転”だったのか。
もしAIR MAX 95の周年にちなんだ企画なら、なぜ正規版従来デザインや新デザインではなく“没案”なのか。

僕の語彙では気の利いたワードは出てきませんが、コラボなら例えば「airmoma95」なんてロゴをシュータンにドンと載せても良かったんじゃないか……とも思った。

でも、実物のリバース・ネオンを手にしてじっくり眺めながら考えてみると、MoMAとしては、このスニーカーそのものに「AIR MAX 95への祝福」を込めつつ、限定生産で“履かせる”というプロセスそのものに、美術的・アート的な意味を持たせたのではないかと感じた。

人はやっぱり“成果物”が好きだと思います。
原点や没案に惹かれるという話も、それが完成品の存在と成功によって価値を帯びるからであって、先に成果があるからこそ、過程にも意味が生まれる。

もちろん、「最初から原点が好きだった」という筋金入りの人もたまにいますけどね(笑)

だからこそ、「没案を作って、売れて、プレミアまでつく」今の状況は、オリジナルの“イエグラ”の成功があってこそ。
この没案スニーカーの存在は、改めてAIR MAX 95というモデルの偉大さを証明しているようにも思う。そう考えれば、とても粋な祝福の形ともいえます。

ただ、僕が考える“アート的な意味”の方は少し厄介です。

正直、「祝う」だけなら、他にも方法はあったはずです。
でもMoMAといえば、ウォーホルやリヒターなど、大量生産・消費への批評性を持つ作家を数多く扱ってきた美術館。

わざわざ“没案”を選び、数量や販路を絞って、確実に売り切れるように設計したその姿勢には、「大量消費へのアンチテーゼ」が込められているようにも感じました。

もちろん、イエグラを追い求める人たちを否定する意図など、まったくないと思います。そこにはむしろリスペクトがある。

だからこそ、「イエグラの価値はもうみんな知っているでしょう? だったら、そろそろ視野を広げてみませんか」と語りかけるために、イエグラの“没案”という題材――しかも「リバース(反転)」というコンセプトを選んだのではないでしょうか。

そう思うと、この解釈もまたMoMAらしくて、納得できる。
正直、安直な「ロゴコラボでいいんじゃね?」とか思ってしまった自分を叱りたくなります(笑)

消費って、THE YELLOW MONKEYの名曲のように「追いかけても、追いかけても〜」と、どこかで虚しさを感じてしまう瞬間が僕にはあります(笑)
でもこの体験は、そんな消費の中でも新鮮で、面白かった。
考察の余地がある消費、そんな風に感じました。

最後まで読んでくださって、ありがとうございました。

9

2025/06/27

モマデザインストア エクスクルーシブ ナイキ エアマックス95 OG "リバースネオン"

モマデザインストア エクスクルーシブ ナイキ エアマックス95 OG "リバースネオン"

全569837件 601〜700件目

今日の人気記事

新着記事

写真や雑談を投稿