adidas(アディダス)の「トラックジャケット」は、1970年代の誕生から80年代のヒップホップカルチャー、さらには現代のブロークコアに至るまで、常にカルチャーの傍らに存在し続けてきた。スポーツウェアとしての枠を超え、なぜこの一着が時代や流行が移り変わる中でも色褪せない魅力を放ち続けるのか。本稿では、トラックジャケットの背景から現代的な着こなしのコツまでを整理するとともに、記事後半ではスニダンで入手可能なおすすめモデルを厳選して紹介する。
Run-D.M.C.によるストリートへの浸透
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アディダスのトラックスーツが街の風景に溶け込むようになった背景には、1980年代ヒップホップのレジェンド「Run-D.M.C.(ラン・ディーエムシー)」の存在がある。彼らが紐なしのスーパースターと共にセットアップをまとった姿は、当時の若者たちに強烈なインパクトを与えた。スポーツ用品をそのままファッションとして提示したムーブメントこそ、ストリートカルチャーのアイコンとして地位を確立する決定的な契機となったといえるだろう。
Wales Bonnerによる再構築とスタイルの拡張
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トラックジャケットの現代的な再構築において、「Wales Bonner(ウェールズ・ボナー)」とのコラボレーションは重要な要素となっている。クロシェ編みのディテールや独自のカラーパレットを導入したこの共作は、スポーツウェアにノスタルジックな要素を掛け合わせ、ハイエンドなファッションアイテムとしての選択肢を提示した。1970年代のアーカイブをベースにしたスリムなシルエットや素材の質感は、スポーツウェアの枠組みを維持しながら、スニーカーだけでなくドレスシューズとも調和する独自のカテゴリーを形成している。
サイズ選びとレイヤードで変化させる、現代的なスタイル
2026年は、長らく主流であったオーバーサイズも依然として魅力的だが、今季は"ジャストサイズ"を軸にしたクリーンな解釈を積極的に取り入れたい。
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例えば、シャツやタイ、ハンチングといった品格のあるアイテムを掛け合わせた独創的な"スポーツ・トラッド"は、トラックジャケットをテーラードジャケットに見立てて羽織ることで、クラシカルな装いに現代的なリズムが生まれる。無駄を削ぎ落としたタイトなシルエット選びは、タイドアップした端正な襟元とも品良く調和する。
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また、スマートなセットアップにコートを重ねるレイヤードも今季らしいアプローチの一つだ。こちらもインナーのボリュームを抑えることでアウターを羽織っても着膨れせず、シャープな輪郭を保つことが可能。スポーツの出自を持ちながら、トラッドやモードといった異なる文脈を自在に行き来する振り幅こそ、トラックジャケットが秘めるポテンシャルである。
2026年の注目モデル
2026年のラインナップに加わった「CTT チャイニーズ トラックトップ」は、フロントのチャイニーズボタン(釈迦結び)が特徴的な一着。ベースの設計はオーソドックスながら、ボタンの仕様をアレンジすることで、既存モデルとは異なるニュアンスに仕上げられている。 カラーはウォッシュ感のあるグレーを採用。適度な使用感を感じさせる古着のような風合いは、現代のスタイリングにも馴染みやすい。ベッケンバウアーやファイヤーバードといった定番から一歩踏み出した選択肢を探しているなら、有力な候補になるはずだ。 アディダスのトラックジャケットは、メインのトップスからインナーまで幅広く活用できる汎用性が特徴だ。ラン・ディーエムシーが築いたストリートスタイルから現代的なミックススタイルまで、対応可能な範囲は多岐にわたる。この機会に自身のワードローブと照らし合わせながら、今の気分に合う一着を探してみてはいかがだろうか。おすすめのトラックジャケット
おわりに