王道デニム「リーバイス501」。その魅力と豊富なラインナップを紹介|コラムについて
"ジーンズ"と聞いて真っ先に思い浮かぶものが、「Levi's 501(リーバイス 501)」と答える人は多いと思う。501はリーバイスの定番モデルというだけでなく、ジーンズそのものの歴史に大きな影響を与えた画期的なアイテムだ。
本記事では、そんな"生ける伝説"である「リーバイス 501」の歴史と魅力を徹底紹介。インラインのアイテムから、復刻ラインであるLevi's Vintage Clothing(リーバイスヴィンテージクロージング)も紹介するので、ぜひ読んでみてほしい。
リーバイスの歴史
via:Levi's
まずは501をより深く知るために、リーバイスの歴史から振り返ろう。
1853年、アメリカ・サンフランシスコで創業したリーバイス。設立後には、金鉱で働く労働者に向けたワークパンツを製作。1853年からはワークパンツの素材を耐久性の高い"デニム"に変更し、色もインディゴ・ブルーを採用。1873年にさらに耐久性を重ねるために、リベットで補強するというアイデアを思いつき、特許を取得。このときに初めてジーンズが誕生したと言われている。
その後も労働階級に向けたアイテム「ジーンズ」を展開していくが、1940年代からはアメリカ・西海岸の大学でファッションアイテムとして501が注目され始める。1950年代にはアメリカの名俳優 James Dean(ジェームズ・ディーン)氏らに着用されることで、リーバイスのジーンズはファッションアイテムとして定着するようになった。
そして、現在リーバイスは世界的デニムブランドへと成長。年代を問わず老若男女から愛されるジーンズを展開しつつ、ストリートブランドやハイブランドなどとのコラボレーションも積極的に展開し、ストリートシーンでも欠かせないブランドとなった。
王道ジーンズ「501」
via:Levi's
アメリカの港町から世界中へと渡っていったリーバイス。彼らを代表するプロダクトといえば「501」に他ならない。
前述のリーバイスの歴史で記述したように1873年に誕生したジーンズだが、代表作である「501」の誕生はそれよりももう少し後になる。1890年、取り扱い商品の品番統制により、ロットナンバーとして「501」が初めて商品につけられた。これがジーンズの原点である501の始まりだ(ちなみに1890年前には「XX」と呼ばれていた)。当時の501はベルトループがなかったため、サスペンダーボタンとシンクバックが取り付けられており、バックポケットも1つのみと、今とは異なるデザインだった。
実は501は誕生から、今の501になるまで、何度もディテールやシルエットを変更している。だからこそ、現行のみでなく各年代のモデルごとにファンがいるのも501の特筆すべきポイントだ。次項にて、501を各年代ごとに紹介する。
501の進化を辿る〜歴代501紹介〜
各年代の501には、それぞれの良さがある。そこに着目し、現在も展開されているスペシャルコレクションが「Levi's Vintage Clothing(リーバイス ヴィンテージ クロージング)」、通称LVCだ。
細部までこだわった至極のシリーズを見つつ、501の変化の歴史を辿っていこう。
■1890年
復刻モデル:Levi's Vintage Clothing 1890 XX501 Jeans Rigid "Dark Indigo Blue"
501が誕生した1890年。同年の復刻モデルを見ると、現在よく知られている501とは多くのポイントが異なっている。
腰周りにはベルトループではなくサスペンダーボタンを配し、バックポケットも片側しかない。当時の炭鉱の作業員に愛されたこのデニムこそ501の始まりを告げたジーンズだ。
■1937年
復刻モデル:Levi's Vintage Clothing 1937 501 Jeans Rigid "Dark Indigo Blue"
時代を経るにつれベルトを通すことが一般的に。1937年のモデルにはベルトループが付き、それに伴ってサスペンダーボタンが取り除かれた。ウエストを調節できる腰後ろのシンチバックは健在している。
世界大恐慌時代に展開されたこのモデルは、リーバイスのアイコン"レッドタブ"が初登場したジーンズとしても知られるモデルだ。
■1944年
復刻モデル:Levi's Vintage Clothing 1944 501 Jeans Rigid "Dark Indigo Blue"
第二次世界大戦のころ、衣服に使う資材も最低限にするように国から指示が出された。それに習い、徹底的に無駄を省いたデザインを採用した501は通称「大戦モデル」と呼ばれ、ヴィンテージ市場でも高い人気を誇っている。
当時のモデルは、バックポケット中央のステッチも排除しペンキで代用していた。(復刻モデルはステッチを採用)
■1947年
復刻モデル:Levi's Vintage Clothing 1947 501 Jeans "Medium Indigo"
1947年、第二次世界大戦が終戦を迎え、リーバイスは排除していたディテールを復活させた501をリリース。シルエットには、それまでのものよりもスリムなものを採用した。
この501は、1940年代のロックンロール創世記を支えたプロダクトでもある。
■1954年
復刻モデル:Levi's Vintage Clothing 1954 501 Jeans Rigid "Dark Indigo Blue"
501といえばボタンフライだが、それをジップフライに変更したモデルも存在する。それが、1954年に展開された501Zだ。
このモデルはリーバイスがアメリカ西海岸から東海岸へと販路を広げる際、新たなユーザーを獲得するため馴染みやすいジップフライへと変更したため誕生したと言われている。
■1955年
復刻モデル:Levi's Vintage Clothing 1955 501 Jeans Rigid "Dark Indigo Blue"
1950年代はリーバイスが世界中へ広がっていった時期。当時の501は、無骨さを象徴するような角ばったフォルムを採用していた。
世界の若者のトレンドを席巻したこのジーンズには、レザーを模した紙製のTwo Horse Pull(右後ろにつけられているリーバイスのアイコン)が初めて導入されている。
■1960年
復刻モデル:Levi's Vintage Clothing 1960 501 Jeans "Dark Indigo Blue"
60年代に進むにつれ、自由な音楽スタイルとより深く結びつき始めるリーバイス。同時期に、若者向けに501をアレンジした503がリリースされた。
これを復刻した501は、常識にとらわれない若者の感性に応える至極の一品だ。
■1966年
復刻モデル:Levi's Vintage Clothing 1966 501 Jeans Rigid "Dark Indigo Blue"
1966年から1971年の5年間で、リーバイスはコレクターを唸らせる501を世に展開することとなる。その代表的なディテールこそBig E(ビッグE)だ。
これは、英大文字表記のレッドタブのことを指しており、ヴィンテージジーンズ界にて重要なデザインとして認識されている。
豊富な501ラインナップ
このように、501は時代を経ながら、バージョンアップを続けてきた。現代の501も同じくアップグレードを続けている。
しかも、各ファッションスタイルやメンズやウィメンズの違いに合わせ、豊富なバリエーションを展開している。これも現行の501らしさだろう。
歴史を絶やさず紡いできた現在の501をメンズ・ウィメンズのカテゴリー別に見てみよう。
【メンズ】
■定番モデル
Levi's 501 Original Fit Her Eyes "Dark Indigo Blue"
最もオーソドックスな501。生誕当初のモデルと比べ、足回りがすっきりしたフォルムを採用している。
ボタンフライやコットン100%の作成などはそのままに、現代へ501のレガシーを紡ぐプロダクトだ。
■スタイルを良く見せるスリムテーパード
Levi's 501 Slim Taper Engine 67 "Dark Indigo Blue"
腰回りのサイズ感を変えずに足にかけて強めのテーパードをかけた501。
デニムらしい快適性も保持しつつ、スタイリッシュな一着に仕上がっている。
■リーバイス生誕の地で作られた
Levi's Made In The USA 501 Original Fit Indigorins 14OZ "Dark Indigo Blue"
リーバイスが本社を置くアメリカにて作られた501。
アメリカ製を証明するタブがパンツ内側につけられている。またBig Eのレッドタブを採用しているのも嬉しいポイントだ。
■音楽と繋がりの深い501
Levi's Made&Crafted 80'S 501 "Light Indigo"
ロックスターや海外セレブに愛された1980年代の501をベースデザインに採用。
ゆったりとしたそのシルエットはジェンダーレスな普遍性を備えている。
■ヴィンテージ風フィット
Levi's Made In The USA 501 '93 Straight Born This Way Miu "Blue"
やや深めの股上のシルエットを採用した93年製501の復刻モデル。
ウエストで穿くヴィンテージ風フィットが特徴的なプロダクトだ。
■1973年のコレクションにインスパイア
Levi's Fresh 501 Original Fit Stone Wash "Brown"
1973年に展開されたコレクションにインスパイアされたLevi's Fresh(リーバイス フレッシュ)。
サステナブルな生産工程と淡いカラーが特色のシリーズとなっている。
【ウィメンズ】
■ハイライズなウィメンズモデル
Levi's 501 Jeans For Women Troy Horse "Dark Indigo Blue"
リーバイスは、女性らしいシルエットを持つ501も多く展開してきた。
その中の一シリーズ"Jeans For Women(ジーンズ フォー ウーマン)"では、ハイライズかつゆったりしたシルエットを採用している。
■現行モデルよりもゆったりめ
Levi's 90'S 501 Mad Love "Dark Indigo Blue"
90年代のシルエットと現行の501を融合させたジーンズ。
現行のものよりもゆったりとしたシルエットを採用し、ヴィンテージデニムのような風合いを醸し出している。
■淡いカラーが光る一着
Levi's Fresh 90'S 501 Stonewash "Grey"
メンズでも紹介したリーバイス フレッシュのウィメンズモデル。
淡いカラーが際立っており、着用者の個性を演出してくれる501だ。
■足のスタイルを活かす
Levi's 501 Skinny Tango Light "Light Indigo Blue"
足のシルエットを綺麗に見せるスキニータイプの501も展開されている。
程よい深さの股上に、綺麗に伸びたストレートタイプ。程よいサイズ感で履くことができるジーンズだ。
■抜け感を演出
Levi's 501 Crop Ojai Luxor "Light Indigo Blue"
足首を見せるクロップド丈を501に採用したモデル。
ファッションに抜け感をもたらし、程よいテーパードでカジュアルにコーディネートをまとめる。
おわりに
“王道デニム”とも言えるリーバイスの501を深掘りしていったが、プロダクトの歴史やモデルのバリエーションを見ると、時代に合わせた柔軟性、逆に譲らなかったアイデンティティなど、501の魅力が次々と浮き彫りになった。
知れば知るほど、好きになるアイテム「501」。
現代ファッションに欠かせない「ジーンズ」というアイテムだからこそ、よりこだわって選ぶことが重要なのかもしれない。
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