知っていないと怖い?スニーカーの寿命解説!|コラムについて
スニーカーには寿命があることをご存知だろうか。
ここでいう寿命とは、ただ壊れることではなく「必要な機能を果たさなくなった」ことを指す。
このようなスニーカーを履き続けると、重大な事故につながる可能性がある。
事故を防ぐためには、スニーカーの寿命を理解し、正しい対処法や対策を講じることが必要になってくる。
そこで今回は、スニーカーの寿命に着目し、買い換えの目安や長持ちさせる方法など解説していく。
スニーカーの寿命ってどれぐらい?
スニーカーはどれくらいの年数で寿命を迎えるのか。
ニューバランス公式サイトでは、スニーカーのミッドソールによく使用されている「ポリウレタン(PU)」素材の寿命は製造から3~5年が目安、しかも使用状況や保管方法によっては早まる場合があると記載してある。
ここで重要なのが、履いても履かなくても同じ期間で寿命を迎えると言われていることだ。読者の方の中にも「久々に履こうと思って箱から出したら、ソールがボロボロになっていた」なんて経験をした人もいるだろう。
しかし、「履いていないのになぜ寿命が来るのか」と、疑問に思う方も多いのではないだろうか。その大きな要因として、加水分解というスニーカーで起きる化学反応が関係する。こちらに関しての詳細は、段落【加水分解とは】で後述する。
【見た目の寿命】
ここまであげたような機能的な寿命はもちろん、「見た目の寿命」が気になる方もいるだろう。汚れが"味"になる場合もあるが、汚れすぎている場合は買い替えるのがおすすめだ。
「どれぐらい汚れたらシューズを買い替えるか」は、人によって変わるかもしれないが、"シューズの大部分に広がる汚れが洗っても取れなくなったら"という点はわかりやすい基準となる。穴が空いていたり、明らかにダメージがあるのならば、もちろん買い換え時だ。
そのため、汚れが目立ちやすい白スニーカーや汚れを落としづらい素材のスニーカーは、"見た目の寿命"が早いと言えるかもしれない。
わかりやすいように購入時の写真を撮影し、現在の状態と比べてみるのもいいだろう。
寿命を迎えたスニーカーを履くのはリスク!
スニーカーの寿命に大きく関わる"ソール"は、負担が大きい分、使い方によってはすぐ寿命を迎えてしまう。
そして、ソールが劣化したスニーカーを着用し続けることは、非常にリスキーな行為でもある。
![ナイキ ダンク ロー レトロ ホワイト/ブラック画像](https://cdn.snkrdunk.com/uploads/media/20220427064715-0.jpeg)
スニーカーの"ソール"とは、スニーカー下部パーツの総称。
ソールは3パーツに分けて考えることができ、インソールはシューズ内部(中敷き)、アウトソールは接地部分、そしてミッドソールはインソール、アウトソールの間のパーツを指す。 そのため、ソールは歩くために重要な機能を多く持ち合わせていると言える。
・インソール:主に滑り防止のためのグリップ
・ミッドソール:足の負荷を軽減するクッション
・アウトソール:歩きやすくするための反発性
など
つまり、ソールの機能が著しく損なわれると、以下のような状態になる。
・道で滑ってしまう
・足に負荷がかかり過ぎる
・歩きづらさを感じる
ソールの劣化は、スニーカーの使用頻度、歩き方、履き方など、さまざまな要因で徐々に進行していくものだ。
その要因の一つに、履かずともソールが劣化する現象「加水分解」がある。
【加水分解とは】
![“加水分解画像”](https://cdn.snkrdunk.com/uploads/media/20220614093349-0.jpeg)
加水分解とは、「化合物が水分子と反応することによって起こる分解反応」のことを指す。スニーカーに当てはめると「ポリウレタンなどを使用したソールが空気中の水分と反応し、ボロボロになってしまう」ということだ。
この加水分解により、"大切にとっておいたスニーカーを久々に出したらもう壊れていた"、なんてこともある。特にポリウレタンがソールに使用されているAir Max(エアマックス)シリーズでは、よく起きる事例だ。
これに気付かずに履いて外出してしまった場合、急にソールが剥がれ落ちることもあり、転倒のリスクが非常に高くなる。
この対策としては、スニーカーを高い湿度からなるべく守り、汚れをそのままにしないというのが一般的。 より具体的な方法を知りたい方は、「スニーカーの最大の敵"加水分解"とは?」と、本記事下部の説明をチェックしよう。
スニーカーの買い替え・捨てどきの目安は?処分方法もチェック!
ソールの劣化を無視しながら使い過ぎると、下記写真のような状態になる。
写真:ニューバランス 997![スニーカー ダメージ 画像](https://cdn.snkrdunk.com/uploads/media/20220615115121-0.jpeg)
ここまで劣化してしまう前に、スニーカーを買い替えることがおすすめだ。
ここで、具体的な買い替えや捨てどきの目安を説明する。
■ソールが削れ、機能性が落ちている場合
スニーカーを履いて外に出れば出るほど、ソールは地面と接地して「削れ」が進行する。
これにより、新品の時には発揮していたグリップ力が徐々に減少。
また、左右で削れの進行度が違う場合は、足に負担がかかりやすくもなる。
スニーカーを履いて立ち上がった時にソールの減りを感じる、もしくは、ソールの凹凸がしっかりと残っていないと目視できる場合は、買い替え時だと判断しよう。
■パーツに穴が空いた場合
使えば使うほど、各パーツは摩耗していく。それによって穴が空いてしまうこともしばしばある。
シューズは足を守るためのアイテムでもあるが、穴が空いてしまった部分はその機能を果たしてくれない。
スニーカーに明らかなダメージが見つかったら、悩まずに買い換えよう。
履けなくなったスニーカーはどうやって捨てればいいの?
ここで困るのがスニーカーの処分方法だ。各パーツで使われている素材が違うため、分別の際に悩んでしまうこともあるかもしれない。
まず、基本的にスニーカーは燃えるゴミとして捨てることが多い。
しかし、金属のパーツや特殊な加工が施されているシューズは不燃ゴミとして扱う地域もある。
もし心配な場合は、地域の自治体に問い合わせるのがいいだろう。
寿命を迎えてももう一回履きたい方に!ケア・修理方法
ここまで、ソールの劣化に着目してスニーカーの寿命について見てきた。これらの説明を通して「お気に入りのスニーカーがいつか劣化してしまう」そんな未来を危惧した方もいるのではないだろうか。
そんな方のために、寿命が伸びる工夫をお伝えする。
1.手軽でお安い修復作業!
長く履いてきたスニーカーでは、劣化によるさまざまな症状が現れる。たとえば、ソールとアッパーの若干の剥がれや、ソールの削れなどが挙げられる。これらは、スニーカー修復材やヒールガードで直せる場合がある。
スニーカー修復材
スニーカー修復材とは、スニーカー用接着剤のこと。この修復材を使用することで、アッパーとソールを付け直したり、削れたソールを補填することができる。
商品例:靴補修剤 Shoe Goo (シューグー)ヒールガード
ヒールガードとは、削れやすいソールのヒール部につけられるパーツのこと。これをソールにつけて補修、もしくはソールが減ってないスニーカーにつけることで劣化予防にもなる。削れが進行しすぎている場合は、取りつけられないため注意が必要だ。
商品例:AmorePiena シューズ パッチ カバーこれらを使って自力で修繕する場合、材料費のみで安く修繕することができる。 もちろんプロの方に任せれば、オリジナルの状態に戻らない可能性は高いものの、ほぼ間違いなくソールの修理が完璧にできるだろう。心配な場合は、スニーカーの修理専門店に依頼してみよう。
2.ソールを取り替える!ソールスワップ
次に紹介するのは、ソールスワップだ。ソールスワップとは、ソールの張り替え、つまりアッパーはそのままに、新しいソールを取り付けることを指す。
このソールスワップでオールソールを入れ替えることにより、スニーカーの寿命を劇的に伸ばすことができる。
ここで、有名なスニーカー修理店「スニーカーアトランダム」さんが実際にソールスワップをおこなったスニーカーを見てみよう。
![ソールスワップ 画像](https://cdn.snkrdunk.com/uploads/media/20220613132141-1.jpeg)
写真中央部にあるのが、ソールスワップを実施したモデル。写真下部が元々ついていたソールだ。
他のモデルのソールスワップも見てみよう。
![ソールスワップ 画像](https://cdn.snkrdunk.com/uploads/media/20220613132141-0.jpeg)
このようにソールが生まれ変わることで、お気に入りスニーカーをより長く愛用することができる。
依頼時の注意点もあるので併せて紹介する。・職人さんとの事前相談が必須
→ソールスワップは簡単なカスタムではないため (ソールやアッパーのタイプによってはカスタム不可のこともあり)
・新しく付け替えるソールは基本依頼人が準備
→同じモデル、同じサイズのスニーカーをカスタム依頼品と別に買うことが一般的 (一部モデルに例外的にやや大きい木型を使用しているものもあり)
・新しく付け替える予定のソールが劣化している場合、ソールスワップをすることはできなくなってしまうことに注意
→ソールを剥がす段階で形が崩れてしまうため
via:スニーカーアトランダム「ソールスワップって何?をカスタム職人が解説」
これらの注意点を守り、専門の修理店に連絡しよう。
本記事にご協力いただいた「スニーカーアトランダム」さんは、ソールスワップが依頼可能なスニーカー修理店。もし、ソールスワップをやってみたい方はぜひ依頼してみてはいかがだろうか。
Sneaker at Random(スニーカーアトランダム)
![スニーカー アトランダム 画像](https://cdn.snkrdunk.com/uploads/media/20220613173034-0.png)
事業内容:スニーカーや鞄等のリペア&カスタムサービス及び販売
WEBサイト:https://sneaker-at-random.com/
インスタグラム:sneaker_at_random
各店舗情報
住所:〒272-0021 千葉県市川市八幡2-13-12
TEL:047-704-9626
営業時間:11~19時
定休日:火
Mail:sneaker.at.random@gmail.com
※繁忙期は各店舗電話がつながりにくい場合がございます
住所:〒166-0003 東京都杉並区高円寺南3-53-8
TEL:03-5913-7690
営業時間:11~19時
定休日:水
Mail:junkyardjapan@gmail.com
住所:〒530-8224 大阪府大阪市北区梅田1-13-13 阪神梅田本店6F
TEL:090-5361-0497
営業時間:10:00~20:00
お気に入りスニーカーを長く履くための長持ちケア術!
前項で修繕方法に関して説明しましたが、スニーカーを長く履きたいなら、劣化に対する予防法も必要不可欠。ここで最後に、スニーカーの長持ちケア術を紹介する。
![クレップ 画像](https://cdn.snkrdunk.com/uploads/media/20220615115806-0.jpeg)
1.防水スプレー
一つ目は、防水スプレーの使用だ。防水スプレーをかけることで、スニーカーへの水の侵入を極力防ぎ、汚れもつきにくくすることができる。これは加水分解への大きな予防策となる。
防水スプレーの詳しい使い方は、スニーカーを水や汚れから守る!防水スプレーの使い方とおすすめ商品を紹介!を参照してほしい。
2.ローテーション
次は、ローテーションでのスニーカー着用だ。一足のスニーカーを毎日履くのではなく、日を跨いで履くことで各スニーカーの使用頻度が減り、劣化のスピードを緩めることができる。
そのためには、何足かスニーカーを用意することが必須となる。
3.保管するときはシューレースを緩める
三つ目は、スニーカーをシューレースを緩めて保管することだ。シューレースを縛ったまま保管するとスニーカーが型崩れし、アッパーの劣化につながる。 また、縛ったままの場合は稀にアッパー、もしくはシューレースのカラーが色移りしてしまうこともあるので注意が必要だ。加水分解の予防のためにも、湿気が少ない場所で保管するのもポイント。
加水分解を予防するための詳しい保存方法は、スニーカーの最大の敵"加水分解"とは?防止策やおすすめグッズをご紹介! を参考にしてほしい。
4.引きずって歩かない歩き方
歩き方もスニーカーの劣化と関係が深いため、歩き方によって劣化を遅延させることができる。スニーカーを引きずって歩くとそれだけソールの削れが早まってしまうので注意しよう。 ソールの修復として紹介したヒールガードでもヒールの削れを対策できるため、気になる方はそちらも試してみてほしい。
5.日々の愛情を注ぐお手入れ
汚れも加水分解の原因となるため、履いたスニーカーのお手入れは予防策と言える。スニーカーに汚れが定着する前に綺麗にしていこう。 汚れ過ぎたらスニーカーを洗うこともおすすめだ。
スニーカーの洗い方は、スニーカーの洗い方・お手入れ方法を徹底解説!おすすめグッズもご紹介! を参照しよう。
まとめ
ここまでスニーカーの寿命とその予防策について紹介した。
これらを簡潔にまとめると、スニーカーに手をかけてあげればあげるほど寿命は伸びるということ。
今回紹介した方法を実践し、お気に入りのスニーカーと長く付き合っていこう。
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