正しい防水スプレーの使い方とは?スニーカーを守るおすすめ商品を紹介|コラムについて
梅雨の時期をはじめ、雨などの悪天候は言わばスニーカーの「天敵」とも言え、スニーカーが濡れたり汚れたりしてしまう一番の要因となってしまう。そんな天敵から大切なスニーカーを守ってくれる心強い味方が、防水スプレーだ。
ショップでスニーカーを購入する際に、店員さんから防水スプレーの購入を勧められた経験がある方も多いのでは。しかし実際のところ、効果について不明な部分があったり、正しい選び方や使い方が分からなかったりと、結局防水スプレーを使わずじまい…なんてことはないだろうか。
防水スプレーの効果や使い方を正しく理解することは、あなたの大切なスニーカーを雨などによる水、汚れから守ることに繋がっていく。
今回は、そんな望みを叶えてくれる防水スプレーの効果や選び方、使い方などを徹底解説。実際の画像付きで使い方についても解説をしていく。
防水スプレーの効果
まず最初に知っておきたい点は、防水スプレーには一体どんな効果があるのかということ。ここでは、代表的な効果を2つ挙げる。
①水が靴の中に染み込むのを防ぐ
「防水」という名が付く通り、スプレーには水を弾き、侵入を防ぐ成分が含まれている。
防水スプレーをしていない靴を雨の日に履いて、靴下まで濡れてしまった経験はないだろうか。防水スプレーには、そういった現象を極力防いでくれる効果がある。
②汚れが付きづらくなる
水が染みてしまうのと同様に、防水スプレーには汚れが付くことを防いでくれる効果がある。
たとえば、泥水が溜まった水溜りにうっかり足を入れてしまったりしたら、それはそれは大変だ。濡れてしまうだけではなく、広い範囲に汚れも付いてしまう。他にも、靴に飲み物をこぼしてしまったりなど、日常生活において靴が汚れてしまうシーンは多々ある。
そんな時、防水スプレーをしておくことでコーティング効果が高まり、アクシデントから大切な靴を守る役割も担っているのだ。
防水スプレーの種類
via:KicksWrap
防水スプレーには、いくつかの種類が存在する。吹きかける対象の素材によってその効果も異なるため、適した種類の防水スプレーを選ぶことが必要になる。これもまた、防水スプレーを選ぶときに重要なポイントの一つだ。
防水スプレーの種類についてと、メリット・デメリットをまとめて解説していく。
①フッ素系
フッ素系スプレーの特徴は、「繊維に付着することで撥水効果がある」ことだ。一般的な防水スプレーの多くは、このフッ素系スプレーとなっている。
適度に通気性を保ち、撥水効果を発揮。天然皮革や人口皮革に使用するのに適しており、よって多くのスニーカーへの使用に向いている。
・一般的なスニーカーに使用することができる。
・通気性を損なわないため、本来の素材感を保つ。
・油性の汚れも弾く効果が期待できる。
【デメリット】
・正しい使用方法を守らないとシミになることがある。
・効果の持続時間が短く、定期的なメンテナンスが必要になる。
②シリコン系
シリコン系スプレーの特徴は、「繊維の表面をコーティングする」こと。対象にバリアを作り出すといったイメージをすると分かりやすい。
フッ素系よりも高い撥水効果に期待できるが、その分通気性を損なってしまうという面も。長靴(レインシューズ)などに使用するのに適している。
・撥水効果がフッ素系スプレーよりも高い。
・効果の持続時間が比較的長め。
・傘やレインコートなど、雨具への使用が可能。
【デメリット】
・通気性を損なうため、蒸れが発生しやすい。
・スニーカーへの使用は適さないものが多い。
・革製品への使用はシミや変色が発生しやすいため不向き。
③両者の特長を融合したハイブリット系
フッ素系とシリコン系の良いところを融合した、いわゆる「ハイブリット系」と呼ばれる防水スプレーも登場している。つまり、高い防水性と通気性を発揮してくれる優れものだ。
適した対象も多く、少し値は張るが万能的に使えるのがハイブリット系の特長だ。
・通気性を保ちつつ、撥水効果が高い。
【デメリット】
・価格がフッ素系やシリコン系よりも若干高い。
「防水」と「撥水」の違い
「防水」と「撥水」という単語が頻繁に登場したが、どちらも同じような意味に感じた方もいるかもしれない。ここで、その違いについて簡単に解説していく。
【防水】
水が中に侵入してくるのを通さないようにすることを指す。【撥水】
表面をコーティングし、水を水滴状のまま弾くことを指す。一般的に「防水スプレー」という名称が浸透しているが、メーカーによっては「撥水スプレー」と表記しているものもある。フッ素系とシリコン系の違いを理解し、どちらも「水や汚れから守ってくれるもの」として覚えておくと良いだろう。
使用する際の注意点
via:KicksWrap
ここからは、スニーカーに対して使用する際の注意点を解説していく。その前に、対象となる商品を購入したら、できるだけすぐに防水スプレーを使用しよう。高い効果を発揮するために、これがまず重要だ。
①風通しの良い屋外で使用する
ガスを含んでいるため、風通しには十分に注意してほしい。また、周囲に人がいる場合の使用は避けよう。
②汚れがついている場合はあらかじめ専用のブラシやクリーナーを使ってきれいにする
ついている汚れを除去せずに使用すると、その汚れの上からスプレーをしてしまうことになる。できるだけきれいにしてから使用するようにしよう。
③スニーカーが乾いているかしっかりと確認する
すでに水分を含んでいるスニーカーには使用しないようにしよう。シミや変色の原因になってしまう。
④20cm〜30cm離して使用する
使用する距離が近すぎるとシミや変色の原因になってしまう。遠すぎてもスプレーが届かず、効果を十分に発揮できなくなってしまうため注意が必要だ。
⑤インソールやアウトソールに吹きかけるのはNG!
インソールに防水スプレーがかかってしまうと、通気性が損なわれてムレやすくなってしまう。吹きかける際は、インソールにかからないように注意しよう。また、滑りやすくなってしまうのでアウトソールへの使用もNGだ。
⑥使用頻度は最低でも月に1回が望ましい
防水スプレーの効果は徐々に薄れていく。スニーカーを履く頻度によるが、月に1回は欠かさず使用するようにしよう。履く頻度が多い方は、週に1、2回程度の頻度にすると高い効果が期待できる。
⑦スプレーに記載してある注意事項をよく読んで守る
その他、使用するスプレーに記載の注意事項をよく読んで使用してほしい。特に対象の素材に関しては注意が必要で、適していない場合は使用しないように注意が必要だ。
防水スプレーの使い方
防水スプレーの種類と注意点について理解を深めた後は、実際にスニーカーを用意して防水スプレーを使ってみた。
今回用意したスニーカーは、ナイキ SB ダンク ロー プロ "フィリーズ/バラーブルー アンド チームマルーン"。
こちらは2022年5月に購入したもので、防水スプレーはまだ使用していない。
見た目の通りはっきりとしたブルーが特徴で、水が染みてしまったり汚れがついてしまうとかなり目立ってしまう。これからの梅雨の季節を乗り越えるためにも、しっかりと防水効果を発揮してもらいたいところ。
【実際に使ってみた】
いよいよ実際に防水スプレーを使用していく。前述の注意点を守りながら、使用方法を交えて解説する。
今回使用するスプレーは、Kicks Wrap(キックス ラップ)の防水スプレーだ。この防水スプレーについては、おすすめ商品の項目で紹介する。
強力な撥水効果を与えるフッ素系樹脂に、シリコン樹脂を配合した「ハイブリッド系」と呼ばれる防水スプレーとなっている。
それでは早速、使っていく。
①紙を用意して、シューレースを外す
防水スプレーを使用する際は、細部までスプレーが行き届くようにシューレースを取り外した状態で使用するのがベストだ。
②スニーカーを紙の中央に置く
風通しの良い屋外で周囲に人がいないことを確認し、地面が汚れないように紙を敷く。そして、スプレーが地面にかからないように中央にスニーカーを置いたら準備完了だ。
③20cm〜30cmほどの距離をとって、アッパー全体に満遍なく吹きかける
近すぎず遠すぎず、しっかりと距離を保って吹きかける。また、吹きかけすぎないように注意してほしい。片足5秒を目安に様子を見ながら吹きかけよう。外しておいたシューレースへも忘れずに。この際、風向きにも注意が必要だ。
④しっかりと乾かしたら完了!
スニーカーの種類や素材、気温などによって乾くまでの時間が異なるが、今回は5分ほどで十分に乾いたことを確認できた。防水スプレーをする前後で、スニーカーへのシミや変色もなかった。最後に、外したシューレースを通して完了だ。
今回、シューレースを外してスプレーを吹きかけ、スニーカーが乾き、シューレースを戻すまでに要した時間は約15分だった。スニーカーによって多少前後する可能性はあるものの、短時間で防水スプレーを施すことができた。
おすすめスプレー紹介
Kicks Wrap(キックス ラップ)
◼︎Waterproof Spray(ウォータプルーフ スプレー)
記事内で使用した、キックススラップの防水スプレー。撥水+防汚効果を与えるスニーカー専用防水スプレーで、強力な撥水効果を与えるフッ素に"シリコン"を配合することで防水持続力が増加。防水スプレーで頻繁にみられる「スニーカーが白く粉ふく」現象も抑制する。パテントレザー、ビニール、エナメル、ゴムなどの製品には使用できない。
Crep Protect(クレップ プロテクト)
◼︎Waterproof Spray(ウォータプルーフ スプレー)
優れた撥水効果で、風合いや通気性はそのままに、水や汚れからしっかりガードしてくれる防水スプレー。ほとんどの液体を弾く驚異的な撥水性が世界中のスニーカーフリークから注目されている。爬虫類の皮革、ガラス系、エナメル、ワックスやポリウレタン及びビニールコーティング加工が施された繊維・革製品、その他ドライクリーニング処理のできない素材等には使用できない。
JASON MARKK(ジェイソン マーク)
◼︎REPEL(リペル)
via:JASON MARKK
2007年にアメリカで創業したJASON MARKK(ジェイソン・マーク)の商品。水性製品のため、スウェード、ヌバック、ナイロン、キャンバス、ニット等の吸水性のある素材にも使用できるのが強み。掲載画像の上部のスプレーパーツは繰り返し使うことができ、付け替え用の商品も販売している。シミや色落ち、変色する素材もあり、特に水に触れただけでシミになる素材には使用NG。
COLUMBUS(コロンブス)
◼︎AMEDAS(アメダス)
via:COLUMBUS
創業100年を超える日本の老舗ブランドCOLUMBUS(コロンブス)がリリースしているのは、スニーカーはもちろん、他商品にも使用可能な防水スプレーAMEDAS(アメダス)。靴や鞄、バッグ以外にも帽子やウェア、傘、ゴルフシューズ、テニスシューズ、トレッキングシューズ、登山靴など幅広く対応可能だ。また、スプレー後、靴を履かなかった場合、強く擦らない限り防水効果の低下はほとんどなく、防水効果の持続性も期待できる。
コンヨ
◼︎SUN UP 超強力防水スプレー SW-420
via:株式会社 コンヨ
職人向け大工道具や作業工具、さらにDIY用品をはじめ、家庭用品、園芸道具と、仕事や暮らしに身近な製品を作り続ける株式会社コンヨ。彼らが展開するSUN UP 超強力防水スプレー SW-420は、雨や雪、泥水の汚れはもちろん、油汚れでさえ弾いてくれる。ドライクリーニング処理のできない素材や、特殊加工を施されたモデル、プラスチック、ビニール、エナメル、ゴム製品には、使用NG。
まとめ
今回は、スニーカーを水や汚れから守る防水スプレーの種類や特徴、使い方について解説した。
梅雨の時期に限らず、雨の日でもお気に入りのスニーカーを履きたい!という願いを叶えてくれる防水スプレーは、より一層スニーカーライフを楽しいものにしてくれるだろう。
これまで防水スプレーを使ったことがなかった方も、この機会にぜひ使用してみてほしい。
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