ナイキ エアフォース1 ローへのKさんの投稿

NIKE文化遺産シリーズ

ACW AF1 high 誕生秘話

皆様はA-COLD-WALL[ACW]のAF1にハイカットモデルが存在する事をご存知でしょうか？

WORM TOKYOさんのガラスケースにもLondon popup ver.が展示されており、その姿を目にした事がある方も多くいらっしゃるかと思います。

本日は幻の1足とも言えるハイカットモデルの誕生とACWブランド立ち上げ秘話についてお話させて頂きたいと思います。


時は遡る事2012年、皆様もよくご存知であるVirgil AblohがいつものようにInstagramの投稿をスクロールしている最中、ある男性の投稿に目が止まりました。

彼が投稿する作品の数々に類稀なる才能を感じたVirgilは、すぐさまメッセージを送り彼をスカウト。

その彼こそが後に、ACWを立ち上げたSamuel Rossです。

その後数年間に亘り、Virgilにも大きな影響を与えたSamuel は2015年に独立し、自身が手がけるブランドACWを発表しました。

自身の人生経験やイギリスの階級社会、建築などにインスパイアされたブランドによる造形美は、今までにない斬新なデザインにより一躍注目のラグジュアリーストリートブランドとして世間の注目を集めました。


その1stコレクションの中の1つとして作られた作品が、本日ご紹介させて頂くプロトタイプver.の1足となっています。

英国最高のストリートカルチャーを表すこの1足は、最上級のレザーとスエードを使用し、華美な装飾は施さずAF1の持ち味そのものを残しながらリデザインが施されています。

シューレースホール、スウッシュを取り除く事により、それぞれのパーツを印象付けるようにデザインされた1足は、マイナスの美学と言え、彼自身の理論をさらに深く表現するものとなりました。

またtoeサイドとヒールタブに施されたブランドロゴは初期のモックアップデザインです。

この特別な1足は、RUNWAY exclusiveとしてNIKE LABとの共同開発により、bespoke sample仕様のホワイトタブ、イエロータブの各25ペアが 製造されSamuel の元へ送られました。

そして来る2017年1月、ロンドンのファッションウィークにて行われた初のお披露目では、世界中のファッションファンを釘付けにし、それと同時にRUNWAYで使用されなかった数ペアが 1stsampleとしてSamuel の親しい身内にのみ配られ世間を大きく騒がせました。

DJ King Bell、Guillermo Andrade、Aleali Mayもその限られた1stsampleを受け取れたSamuel familyの中の1人です。


その数ヶ月後には、London popup exclusiveとして250ペアの限定販売が決定され、市販モデル(London popup)に近いデザインのbespokeが2nd sampleとして著名人に配れました。(KB Lee etc...)

中でも特に深い関係者には、1st sampleと2nd sample の両方が送られました。

1stと2ndの主な違いはロゴデザイン。

市販品とは、材質(レザーとフライレザー)、が異なり、レースホールの高さが変わり(sampleはデザイン性重視、市販品は足首の可動性、着用製重視)のデザインとなっています。

中でも1stsampleとなるbespokeには、サイズタグに15SSと記載され、これはブランド立ち上げ以前にNIKEよりギフトされた1足である事を意味し、いかに
Samuel自身が周囲から期待されていたアーティストである事が伺えます。

今を輝く一大ブランドの始まりの作品ともいえる本作は、ACWを語る上で最も貴重な歴史的資料に他ならい1足と言えるでしょう。


生産足数

bespoke 1st
25足(20ペア前後がRUNWAY専用、残りがF&F)

bespoke 2nd
25足(F&F)

London popup
250足(150足がリストバンド形式で販売、100足がF&F)



二次流通価格

bespoke 1st

2,000,000円前後


bespoke 2nd

1,000,000円前後


London popup exclusive

300,000円〜500,000円前後