【厳選5トピック】2022年に起きたファッション業界ニュース総まとめ|コラム

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【厳選5トピック】2022年に起きたファッション業界ニュース総まとめ|コラム 1枚目 via:unsplash

【厳選5トピック】2022年に起きたファッション業界ニュース総まとめについて

気づけば2022年も残りあとわずか。ファッション業界では今年も様々なことがあったが、その中でも特に気になるニュースを厳選して5つのトピックでご紹介。今後の予測もしつつ振り返ってみた。

①"Y2K"ファッションのブーム

引用元:universityoffashion

1990年代後半から2012年頃に生まれたZ世代を中心に、お腹見せやミニ丈、厚底のソールを備えたボリューミーなシューズなど、今から約20年前にあたる2000年頃に流行したファッションが受けている。"Year 2000"の短縮としてY2Kファッション(Kはkgやkmの1000という意味)と呼ばれるこのファッションに、若い海外セレブも飛びつき、今や世界的なムーブメントになっているのだ。

当時を経験している人からすると懐かしく思うが、どうやらZ世代には逆に新鮮な様子。また、韓流アイドルのファッションとリンクしているのもブームになったきっかけと思われる。

共通するのはポジティブ、キュート、明るいカラーリングなどだが、ファッション業界では世界的な情勢が不安定な時ほど、明るい色や上記のようなムードがトレンドになりやすいとも言われており、ファッションを通して少しでも気分を盛り上げていきたいという深層心理の表れなのかもしれない。

引用元:femalemag

さらにこのムーブメントを、ラグジュアリーなハイブランドもしっかりと受け止めている模様が見られる。miumiu(ミュウミュウ)はシーズンを通して、ローライズを主軸にルックを披露、続くように多くのブランドがローライズデニムや肌見せのファッションを提案している。

今後、どこまでこの流れが加速していくのだろうか。ファッションの周期は20年とも言われており、ビッグシルエットの波も止まり、タイト&スキニーの流れが再び来るのかもしれない。

②デザイナー、トレマイン・エモリーの躍進

引用元:snkrdunk.com

今年の2月、Supreme(シュプリーム)のクリエイティブ・ディレクターに就任したトレマイン・エモリー。彼の一挙手一投足に今、業界は熱い視線を注いでいる。

過去にSTUSSY(ステューシー)のアート&ブランド・ディレクター、今ではロンドンのレーベル、NO VACANCY INN(ノーバカンシー イン)での活動、デニム・ティアーズのデザイナーと、飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍の場を広げている彼。

故ヴァージル・アブローとも旧知の仲だったりと、交友関係も華々しい。 彼の凄さはデザインセンスもさることながら、コラボレーション能力にあるのではないだろうか。

事実、彼はNew Balance(ニューバランス)、Levi's(リーバイス)、Converse (コンバース)、Champion(チャンピオン)、UGG(アグ)など、様々なブランドとの協業を行ってきた。直近ではステューシー、Dior(ディオール)との取組みも記憶に新しい。

引用元:snkrdunk.com

では、なぜこんなにもコラボが多いのか?

それは彼のセンスあるミクスチャー感によるものが大きいのではないだろうか。アフリカ系アメリカ人である自身のルーツ、ブラックカルチャーをミックスしたチャーミングな着こなしは常に注目の的。まさにトレンドを体現する、この巧みなミックス感を欲するブランドが多数いるように思われる。 また、ノーバカンシー インの活動は音楽・ファッション・ナイトライフなど多岐に渡り、数多くのイベントを開催してきた。ここでの繋がりからコラボレーションが起きたこともあったかもしれない。

ゆくゆくはヴァージルのあとを継ぎ、LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)のデザイナーに就任するのではないかと業界内では密かに噂される彼。今後もその動向に目が離せない。

③円安、素材、輸送コストの高騰による相次ぐ値上げ

引用元:unsplash

不安定な世界情勢を背景に日用品や食料品を含めおよそ1万品目以上の値上げが行われた2022年。ファッション業界も同じく、商品の値上げが止まらない。

この背景には素材や輸送コストの高騰、コロナ渦による海外工場閉鎖による生産の一極集中、さらには円安も大きく影響しており、一時は1ドル150円を突破し未だ高止まりしている不安定なこの状況下、今後も値上げは止まらなそうだ。

素材自体の生産数が減れば、ブランド間の取り合いとなり高騰は止まらない(いわゆる、市場の競りと同じ状態) また、生産の一極集中が起きると、工場は高い工賃を支払うブランドを優先的に生産するという噂も立っており、それが結果、商品の価格に反映されているのではないか?と見解を立てる人もいるようだ。

引用元:unsplash

全体的に値上げ幅はおよそ10~15%ほどと言われており、ウールやカシミヤ、ダウン、またゴールド製品などの上げ幅が大きく、打撃を受けている。

一方で消費者は先述の通り、日用品や食料品、さらには電気料金の値上げに苦しんでいるため、賃金の上がらないこの状況下でファッションにまでお金をまわす余裕がなくなる。 結果、ファッションを楽しめるのが一部の富裕層になり、これまで以上にファッション=娯楽品という認識が進みそうだ。

④世界的に見るジャパニーズMANGAのファッション進出

引用元:fashion-press

日本の漫画が海外でも認められているのは既に周知の事実だが、近年はよりファッションとの結びつきが強まってきている。

例えば、古着市場では『AKIRA』のヴィンテージTシャツは1枚で10万円を超えることも珍しくなく、最近ではそれに続き、『攻殻機動隊』、さらには『ドラゴンボールZ』のTシャツまでもが海外マニアの間では高値で取引される事態に。 また、過去作のみならず、2022年はハイブランド×漫画のコラボレーションも話題だ。

引用元:fashion-press

ラグジュアリーブランド、Dolce&Gabbana(ドルチェ&ガッバーナ)は、なんと『呪術廻戦』とコラボレーション。フーディーやTシャツ、スニーカーなど多彩なラインナップを披露した。日本発ラグジュアリージュエラー、TASAK(タサキ)は『チェンソーマン』とタッグを組み、300万円超のジュエリーを製作。

ハイブランドのみならず、ストリートブランドFLAGSTUFF(フラッグスタッフ)が『電影少女 VIDEO GIRL』とのコラボを発表しているなど、ファッション業界と漫画は切っても切れない関係性を構築し始めている。

以前は漫画好き=オタク=ダサいという風潮があったが、もうそれは過去の話。今やオタク=クールという認識が世界的に広がりを見せている。また、今後のNFTアートの動き次第では、もっと拡散していくことだろう。

⑤新たなトレンドワード。"ゴープコア"をご存知?

引用元:prtimes

日々、新たなトレンドが生まれては消えるファッション。今年、注目されている"ゴープコア"というキーワードをご存知だろうか。

数年前にトレンドを席巻した"ノームコア"という言葉と似ているが、ミニマムが主流だったあちらに比べて、こちらは "Good Old Raisins and Peanuts"という言葉を略したもの("GORP")。

これはレーズンやナッツといった栄養価の高いミックススナックのことで、ハイキングやトレッキングの際に持ち歩く必需品のことを指し、"ゴープコア"とはアウトドアのムードをデイリーに取り入れたスタイルというわけだ。

主なアイテムは、シェルなどのマウンテンパーカ、ナイロンブルゾン、カーゴパンツやトレッキングブーツなど。 スタイリングの方向性は、ハイカーのような登山ルックにまとめるのではなく、程よくカジュアルスタイルにミックスさせて、アウトドア感を効かせる様子。

そこで注目されているブランドがARC'TERYX (アークテリクス)とSalomon(サロモン)だ。

近年ではTHE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)が確固たる地位を確立していたが、この2ブランドは今年、アウトドアというフィールドを飛び出しファッションとしての地位を一気に確立したように思う。

引用元:snkrdunk

アークテリクスは昨年より"system a"と呼ばれる、よりファッション性の強いアイテムをリリースするコレクションを発売。BEAMS(ビームス)と協業し、販路を限定し完売させるなど成功を収めた。また、インラインの"Beta LT"ジャケットは人気の集中により、今年の秋冬モデルは抽選販売に。人気の高まりを実感する流れが生まれている。

この人気は、海外シーンからの流れが非常に大きく、特に業界をざわつかせたのは故ヴァージル・アブローが発表したOFF-WHITE(オフ ホワイト)21AWのショーで、アークテリクスを組み込んだ作品を発表したこと、そしてラッパーのドレイクが皆が着飾って見に来るファッションショーの場において、しばしばアークテリクスのアイテムを着用していたことが挙げられる。

引用元:snkrdunk.com

一方で、サロモンは数年前よりラルフ・ローレンが2018年のCFDA賞受賞時に履いたり、COMME des GARCONS(コム・デ・ギャルソン)の川久保 玲が愛用するなど、じわじわと注目されてきていたが、ついに人気が爆発。

数年前より感度の高いファッション層では、パリのThe Broken arm(ザ ブロークン アーム)、カナダのBetter™ Gift Shop(ベター ギフト ショップ)などのセレクトショップとコラボした1足が人気を博してきたが、インラインの充実と共に広がってきたようだ。

この流れはヨーロッパ圏で大きく広がっており、インスタグラムなどでディグしていくと、メゾンデザイナーが自身のブランドに合わせてミックスコーデをしている姿など色々な着こなしが見受けられる。気になった人はぜひ参考にしてみてほしい。

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