【遊戯王OCG】日本選手権2022優勝デッキ《イシズティアラメンツ》解説について
2022年8月に開催された「遊戯王日本選手権2022」の優勝デッキ《イシズティアラメンツ》の強さや使い勝手について解説していきます。
TEXT:tomechu
《イシズティアラメンツ》デッキの特徴
日本選手権での優勝デッキ《イシズティアラメンツ》の強みは、次のように分析できます。
- 基本的な動きが、カード1枚からスタート可能。さらにそこから動かせるカードも多いため、動き出しが早く安定している
- 「墓地のカードをリソースとして使用しやすい効果」のカードが多い
- 出来上がった盤面はモンスターだけに依存せず、魔法や罠でも相手を妨害できる
上記内容に加え、このデッキを強くしている副次的な要因が下記になります。
- 相手の墓地リソースへの対策が簡単
- デッキ内のモンスター効果により、強い融合モンスターを比較的採用しやすい
- ライフを削っての勝利以外に、ライブラリアウト(相手の山札を全てなくす)という選択肢も
こういった有利な要素を内包しているのが《イシズティアラメンツ》デッキです。
《ティアラメンツ》カードの強さ
全体的に《ティアラメンツ》のカードは「効果で墓地へ送られた場合に発動する」という効果を持っています。
中でも注目すべきは、下記3体のモンスターが持つ「墓地・フィールド・手札からデッキへ戻しての融合」という共通効果です。
ティアラメンツ・ハゥフニス |
ティアラメンツ・メイルゥ |
《ティアラメンツ》登場以前、融合には「素材モンスター2体+融合するための魔法カード」の約3枚のカードが必要でしたが、上記の効果で強力な融合モンスターを「墓地のモンスターのみで処理できてしまう」ようになったのが特徴です。
自分の墓地リソースを効果的に使うために必要な「墓地へ落とすためのカード」「該当カードをサーチするためのカード」などのパーツ素材に関してもさまざまな潤滑剤が揃っているため、非常に安定した運用が可能となっているのです。
《イシズ》カードの要素について
本デッキにおいては「古衛兵アギド」「古尖兵ケルベク」「宿神像ケルドウ」「剣神官ムドラ」「墓守の罠」が《イシズ》と呼ばれるカード群です。「墓守の罠」を除く4枚を大きく2つに分類してみると、以下のようになります。
「自分・相手のデッキのカードを墓地へ送る効果」を持つカード
古衛兵アギド
古尖兵ケルベク
- 前述の《ティアラメンツ》のモンスター効果との相性が非常に良く、意図的に自分のカードを墓地へ送り、融合召喚を仕掛る状況を作れる
「自分・相手の墓地のカードをデッキに戻す効果」を持つカード
宿神像ケルドウ
剣神官ムドラ
- 自分にはリソースの回復手段として使い、相手へ効果を発動させるときは、相手の墓地にある有用なカードをデッキに戻すことで墓地条件の行動を阻害できる
以上のように、カード群の効果・運用面が《ティアラメンツ》と好相性だったため、2つの呼称を併せた《イシズティアラメンツ》デッキが、現在の遊戯王の大会レベルではよく使われているのです。
新リミットレギュレーションについて
規制されたカード
2022年9月11日、公式からの新しいリミットレギュレーション(2022年10月1日適用分)が発表されました。規制されたカードは以下のとおりです。
《ティアラメンツ》テーマで規制されたカード
壱世壊=ペルレイノ(枚数制限)
ティアラメンツ・ハゥフニス(枚数制限)
《イシズ》テーマで規制されたカード
古衛兵アギド(枚数制限)
宿神像ケルドウ(枚数制限)
両テーマに関連する、規制されたカード
朱光の宣告者(枚数制限)
規制後の運用
「禁止」になったカードは無いため、《ティアラメンツ》《イシズ》《イシズティアラメンツ》それぞれのデッキ使用は今後も可能ではあります。ただ、カード使用枚数に規制がかかった結果、本デッキの安定性や柔軟性は以前より下がるでしょう。
しかし《ティアラメンツ》自体は、《イシズ》カード群が発売される前から注目されていたデッキなので、《イシズ》以前のカードを混ぜた構築に戻す選択肢はありえます。
一例として
- 《シャドール》テーマとの複合デッキ構成にしてみる
- 《烙印》《デスピア》など、同じ融合テーマを混ぜてみる
といったように《ティアラメンツ》と同じ融合テーマを混ぜ合わせるのが、構築の方向性としては考えやすいでしょう。
おわりに
《ティアラメンツ》は強いカード群だということ。そして《イシズ》の墓地を増やす要素は《ティアラメンツ》デッキと相性が良いため、《イシズティアラメンツ》が強力な構築になるということが分かっていただけたでしょうか。
リミットレギュレーションによってこのデッキにも規制が加わる事になりましたが、その分、デュエリスト側での創造性を試されるのもゲームの魅力です。今後の動向にも注目していきますので、ぜひ更新記事を楽しみにしていてください。
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引用元
yugioh-card.com
権利表記
©スタジオ・ダイス/集英社・テレビ東京・KONAMI