50年続くナイキ ロゴ「スウッシュ」の歴史を紹介|コラムについて
今回は、Nike(ナイキ)ロゴ 「スウッシュ」を紹介。
「Swoosh(スウッシュ)」とは、風がデザイン化したような見た目を持つロゴだ。直訳すると"素早くものを動かす時のビューという音"となる。
このロゴをより詳しく見ていく前にナイキの歴史を振り返っていく。
ナイキは、当初ブルーリボンスポーツ(通称:BRS)という社名で、オニツカタイガー(現アシックス)のアメリカ代理店をおこなっていた。
1971年 オニツカタイガーとの契約終了を機に、独自のブランド「Nike」を立ち上げ、陸上経験のあるフィル・ナイトやワッフルソールを発明したビル・バウワーマンの先導によって、さまざまなスポーツシューズをリリース。今では世界中に店舗を構え、ファッションアイテムも多くリリースする世界屈指のブランドとなった。
そんなナイキのシンボル"スウッシュ"の歴史や変化を紐解いていこう。
わずか35ドルで誕生したロゴ
■大学生のデザイナー
スウッシュのデザイナー"キャロライン・デイビッドソン" via:nike.com
ナイキの超有名ロゴ「スウッシュ」。このロゴは、当時大学生だったキャロライン・デイビッドソンが生み出したもの。1971年、ナイキ社長のフィル・ナイト(2022年現会長)は、彼女に躍動感のあるロゴ作成をオファーした。
彼女が持ってきたのはいくつかのロゴ。その中で社員の心を射止めたのが現在の「スウッシュ」だった。ナイキは彼女への謝礼として35ドル(当時1ドル360円)を払い、たったそれだけの金額で世界中で認知されるロゴが誕生したのだ。
キャロライン・デイビッドソンのサインが入ったデザイン画 via:nike.com
ちなみに1983年9月、フィル・ナイトはキャロライン・デビッドソンを会社のレセプションに招待した。そこで彼は彼女にゴールドのスウッシュが刻印されたダイヤモンドの指輪、そして大企業となったナイキの株を渡した。
■由来は女神?
サモトラケのニケ via:ルーヴル美術館公式
由来は諸説あるが、最も有名なのは勝利の女神ニケをモチーフにしたというもの。この女神は「Nike」の社名の由来にもなっている。
2022年現在、ルーヴル美術館に展示されている「サモトラケのニケ」像には顔や腕がない。その形にインスパイアされたのがスウッシュだと言われている。
少しずつ変化していったロゴの歴史
次に、年を経て少しずつ変化していったナイキロゴを見ていこう。
■ナイキ 創立以前
ブルーリボンスポーツ ロゴ via:nike.com
ナイキのロゴの前にその前身会社のロゴを見ておこう。のちの"ナイキ"である"Blue Ribon Sports"(ブルーリボンスポーツ)は、オニツカタイガーのスポーツシューズをアメリカで卸していた。当時使われていたロゴは、会社の頭文字"B"、"R"、"S"を使用したトラックフィールドを思わせるデザインとなっている。
■1972年 初代ナイキロゴ
1972年 ナイキ ロゴ via:nike.com
1972年、ついにナイキロゴ"スウッシュ"が誕生。小文字の筆記体が特徴の初期ロゴだ。ナイキ現会長フィル・ナイトは当初このデザインを気に入っていなかったが、「これから気に入るかもしれない」として採用。現在と違い、文字とスウッシュが重なるデザインも多用された。
■1978年 2代目ナイキロゴ
1978年 ナイキロゴ via:Nikeアプリ
初期ロゴより幾何学的なデザインとなった。小文字だった英字が大文字に変化している。この白地に色文字のロゴより、スウッシュの真上に文字が乗る形が確立した。ちなみに現在でもシュータン、シューボックスなどナイキプロダクトの至る所で使用されている。
■1985年 3代目ナイキロゴ
1985年 ナイキ ロゴ via:SNKRS
1978年のロゴの違いとして、"色のついた四角を白抜きしたナイキロゴ"となったのが1985年ロゴだ。デザインのディテールは1978年と同じものを採用。今でも各プロダクトで使用されているロゴだ。
■1995年 4代目ナイキロゴ
2022年現在のナイキ ロゴ via:nike.com
1995年より現在も続くナイキロゴは、文字がなくなりスウッシュだけになっている。ブランド名「NIKE」を外したものの、世界的スポーツブランドナイキを連想できるシンプルかつ特徴的なロゴだ。
その他のロゴ紹介
ナイキはスウッシュ以外にも、各種スポーツ用ロゴや特定の選手に与えられるシグネイチャーロゴなどを作ってきた。今回は、よく目にする5つのロゴを紹介する。
■今ではサステナブルの象徴「風車ナイキ」
風車ナイキ ロゴ via:nike.com
スウッシュを8つ組み合わせたマーク。日本では"風車ナイキ"、本国アメリカでは"サンバースト"として知られている。創設初期にはスポーツウェアなどに使われていた。2019年より、ロゴ制作デザイナーの許可も得て、ナイキ サステナブル商品を象徴するロゴマークになっている。
そのロゴがインソールに使われているのが、ネクストネイチャーシリーズだ。人気のパンダダンクなどもラインナップしている。
■70年代を連想させる「ゴツナイキ」
ゴツナイキ ロゴ via:Nikeアプリ
ゴツゴツしているナイキゆえに通称"ゴツナイキ"と呼ばれている。1976年に誕生、当時「Baby Teeth」(訳:赤ちゃんの歯)という名前で誕生し、Tシャツなどに使われた。現在そのロゴは復活し、Circa 72コレクションとして70年代を想起させるロゴTシャツなどがリリースされている。
■各カテゴリーラインごとにロゴが!「ナイキSB ロゴ」
ナイキSB ロゴ via:nike.com
ナイキの各ライン、象徴するプロダクトそれぞれにロゴが設けられている。ナイキのスケートボーディングライン「ナイキSB」もその1つであり、2代目、3代目のナイキロゴを活かしたデザインを採用している。このライン以外にも「ナイキ スポーツウェア」やテクノロジー「ナイキ エア」も近しいデザインを使用している。
紹介したナイキSBロゴは、昨今人気を博すナイキSB ダンクに使われている。このマークはスケートボーディング用の高い機能性を持つ証だ。
■より独立したロゴ「ACG」
ナイキ ACG ロゴ via:Nikeアプリ
ナイキのアウトドアライン「ACG」には独自のロゴが使われている。"All Conditions Gear"(オール コンディションズ ギア)の頭文字"a"、"c"、"g"が三角に積まれたロゴだ。スウッシュが入った別のロゴも存在している。
ロゴが使用されているモデルとして、ナイキ エアモワブがある。ACGの特徴的なデザインの中でも存在感を放つロゴだ。
スニダンで「ナイキ ACG エア モワブ "ラタンバーチ"」をもっと見る
ACGをより知りたい方は「ナイキのアウトドアライン"ACG"とは?」をチェックしよう。
■シグネイチャーモデルの象徴「Jump Man」
ジャンプマン ロゴ via:nike.com
ナイキに属するブランド「ジョーダンブランド」にも、独自のJump Man(ジャンプマン)ロゴが使われている。ブランドのシグネイチャープレイヤー"マイケル・ジョーダン"のダンクをデザイン化したものとなっており、1988年のAir Jordan 3(エアジョーダン3)に初搭載された。
画像は2007年モデルとなっており、復刻モデルの多くはシュータンだけでなく、ヒールにもジャンプマンが刻まれている。
スニダンで「ナイキ エアジョーダン3 レトロ "ファイア レッド" (2007)」をもっと見る
初期エアジョーダンに使われていたウイングロゴも知りたい方は「ナイキが誇る名作 エアジョーダンのロゴについて解説!」をチェックしよう。
おわりに
ここまでナイキロゴの歴史や種類を見てきたが、ロゴひとつとっても、さまざまな種類や歴史があることが分かる。
さまざまなブランドを象徴するロゴマーク。世界的ブランド"ナイキ"の今はこの「スウッシュ」がなければ辿り着けなかったかもしれない。
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