ルイ・ヴィトンの歴代デザイナーとともに、功績や名作アイテムを紹介【コラム】について
1854年にフランス・パリで創業した世界的ブランド、Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン)。当初はトランク専門ブランドとして創業したルイ・ヴィトンは、独自のモノグラムプリントのバッグをはじめ、数々の名品を発表し続けています。
ルイ・ヴィトンが1892年に71歳の生涯を閉じてからは、長男のジョルジュが意思を継承。その後も何人かの有名デザイナーがアーティスティックディレクターとして就任し、伝統を受け継ぎながらさらなる発展を遂げてきました。
この記事では、そんなルイ・ヴィトンの歴代デザイナーとともに、その功績や名作アイテムを紹介します。
マーク・ジェイコブス(1997~2013年)
まず紹介するのはMarc Jacobs(マーク・ジェイコブス)
ニューヨーク出身のマーク・ジェイコブスは、若干15歳でデザイナーのPerry Ellis(ペリー・エリス)に才能を認められ、その後デザイン学校に進みペリー・エリス賞を受賞。1986年には自身のブランド、MARC JACOBS(マークジェイコブス)を立ち上げています。
ルイ・ヴィトンはプレタポルテ(高級既製服)への参入にあたり、アーティスティックディレクターに当時34歳だったマーク・ジェイコブスを起用。同ブランドを、ファッションシーンを牽引するトップブランドに押し上げました。
2013年にアーティスティックディレクターを退いた後は自身のブランドに専念しています。
マーク・ジェイコブスの功績
若いマーク・ジェイコブスを招いてのプレタポルテ参入によって、ルイ・ヴィトンは世界から注目される最先端ブランドとしてファッションシーンに躍り出ました。
これまでの顧客の年齢層よりも若い世代に注目されるような先鋭的なデザインに加え、購買層を広げるマーケティングや目を引く広告によってブランドイメージも一新。
マーク・ジェイコブス率いるルイ・ヴィトンは売上を飛躍的に伸ばし、2000年にはメンズコレクションも追加。2013年の退任まで、今なお語り継がれる華々しい功績を残しました。
マーク・ジェイコブスによる名作アイテム
louis vuitton Vernis ALMA BB Amarantiteマーク・ジェイコブスがルイ・ヴィトンを通じて生み出したものとしてまず挙げられるのは「ヴェルニ(Verni)」。フランス語で「エナメル」を指すこのラインは、鮮やかなエナメルにルイ・ヴィトンのモノグラムの型押しを施した、華やかなデザインが特徴です。
就任後に初めて発表した「ヴェルニ」は、その後もルイ・ヴィトンの定番ラインとなっています。
マーク・ジェイコブスはエナメルのほかにも、デニムやファーといったブランドイメージを革新する素材・デザインで世界を驚かせました。
また、草間彌生や村上隆といった日本人アーティストとのコラボは、日本でも大きな反響を呼びました。
スニダンのルイヴィトン ヴェルニのページはこちらをCheck!
ポール・エルバース(2006~2011年)
続いて紹介するのはオランダ出身のデザイナー、ポール・エルバース(Paul Helbers)
ポール・エルバースは、革命的なデザインで一世を風靡したメゾン マルタン マルジェラ(Maison Martin Margiela)でメンズコレクションを担当。2006年から2011年までルイ・ヴィトンのメンズラインのディレクターを務めました。
ポール・エルバースの功績
ポール・エルバースのルイ・ヴィトンにおける功績は、メンズラインの定番人気シリーズを確立したことです。
マーク・ジェイコブスの手腕でバッグ専門ブランドからプレタポルテを先導するブランドになったルイ・ヴィトンは、2000年より新たにプレタポルテのメンズラインを開始。
その際メンズスタジオを担ったポール・エルバースは、既存のブランドイメージを保ちつつあらゆるシーンで使えるデザインのバッグ「モノグラム・マカサー(MONOGRAM MACASSAR)」を考案しました。
ポール・エルバースによる名作アイテム
Louis Vuitton Christopher PM Monogram Macassarポール・エルバースが生み出した人気メンズラインの「モノグラム・マカサー」。ネーミングはマカッサル・エボニー(縞黒檀)というインドネシア原産の木材から取られています。
モノグラム・マカサーは、艶やかなブラックレザーが使用されたダークな色調。モノグラムに上品なアクセントが加わることでビジネスシーンにもマッチします。
2009年に発表されたモノグラム・マカサーは当初数量限定での発売でしたが、発売後まもなく売り切れてしまう人気ぶりを見せました。その後はルイ・ヴィトンの定番ラインとして男性だけでなく女性にも愛されています。
スニダンのモノグラム・マカサーのページはこちらをCheck!
キム・ジョーンズ(2011~2018年)
キム・ジョーンズ(Kim Jones)はロンドン出身のファッションデザイナー。さまざまなブランドとの名コラボを発表することでも知られています。
2011年に2年余りクリエイティブディレクターを務めたイギリスのラグジュアリーブランド、ダンヒル(dunhill)を去った後、ポール・エルバースの後任としてルイ・ヴィトンのメンズアーティスティックディレクターに就任。
就任直後に発表した「ダミエマサイチェック(Damier Masai Check)」やさまざまなブランドとのコラボは、長らくファッション界で語り継がれるインパクトを残しました。
2018年にヴィトンから退いてからはクリスチャン・ディオール(Christian Dior)のメンズライン「ディールオム(DIOR HOMME)」にてクリエイティブディレクターを務めています。
キム・ジョーンズの功績
キム・ジョーンズのルイ・ヴィトンにおける最大の功績は、他ブランドとの積極的なコラボレーションです。
コラボの名手キム・ジョーンズは、まだまだ一般ではバッグブランドのイメージが強かったルイ・ヴィトンのプレタポルテを、コラボによって広く知らしめました。
「クリストファーネメス(Christopher Nemeth)」や「フラグメント(fragment design)」などテイストの異なるファッションブランドとのコラボは、発表されるたびに大きな話題に。特に、絶大な人気を誇るストリートブランド「シュプリーム(Supreme)」とのコラボは、ファッションシーンに衝撃を与えました。
キム・ジョーンズによる名作アイテム
まず挙げられるのは、キム・ジョーンズがルイ・ヴィトン就任直後に発表した「ダミエマサイチェック」。
ケニアのマサイ族に伝わる伝統柄とルイ・ヴィトンを代表する「ダミエ」を掛け合わせたもので、シックな老舗ブランドのイメージを一新する華やかさが話題を呼びました。
歴代の名コラボのなかでも「シュプリーム(Supreme)」は特に印象深い作品。シュプリームのブランドカラーである赤色に染まったり、「Supreme」の文字が組み込まれたりと斬新に表現されたモノグラムが特徴です。若い世代に人気のセレブリティたちも着用し、人気を一層後押ししました。
スニダンのシュプリーム × ルイヴィトンのページはこちらをCheck!
ニコラ・ジェスキエール(2013~現在)
マーク・ジェイコブスの後任としてルイ・ヴィトンのレディースラインのアーティスティックディレクターに招かれたのがフランス出身のNicolas Ghesquiere(ニコラ・ジェスキエール)。
彼は専門学校などでデザインの教育を受けてはいないものの、19歳からジャン・ボール・ゴルチエ(Jean Paul gaultier)、ティエリー・ミュグレー(Thierry Mugler)、ステファン・ケリアン(Stephane Kelian)、トラサルディ(TRUSSARDI)など名だたるブランドでキャリアを積んできました。
その後、若干26歳でバレンシアガ(BALENCIAGA)のデザイナーに抜擢。ブランドイメージを一新し、低迷に悩むバレンシアガを再興した才能は各方面から注目を浴び、2000年にVHI・ヴォーグファッション・アワードの「アバンギャルド・デザイナー・オブ・ザ・イアー」を受賞しています。
ニコラ・ジェスキエールの功績
バレンシアガを復活させた実績を持つニコラ・ジェスキエールは、ルイ・ヴィトンのアーティスティックディレクター着任後から、ブランドの地位を一層確立するデザインを発表し続けています。
日本でも話題となったのは、ゲームキャラクターをモデルに起用するという驚きのアイディア。2016春夏コレクションにて、人気ゲーム「ファイナルファンタジーXIII」のCGキャラクターである"ライトニング"ことエクレール・ファロンにヴィトンのアイテムをまとわせた広告は、見る人を驚かせました。
2022年現在も、ファッション界に新たな感覚をもたらす存在として注目されています。
ニコラ・ジェスキエールによる名作アイテム
Louis Vuitton LV ArchLight Line Sneaker "Noir"ニコラ・ジェスキエールのヴィトンにおける傑作の呼び声が高いのが、2018年の春夏コレクションから続くスニーカー「アークライト(ARCLIGHT)」。
独特なフォルムにルイ・ヴィトンのブランドタイトルやモノグラムがプリントされた、唯一無二の存在感を誇るアイテムです。
このアイコニックなデザインのスニーカーは、ルイ・ヴィトンのショーでもたびたび登場。新たなデザインも登場しており、ファンを惹きつけてやまない逸品です。
ヴァージル・アブロー(2018~現在)
最後に紹介するのは2018年からルイ・ヴィトンのメンズラインのディレクターを務めたヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)。ルイ・ヴィトンでは初の黒人デザイナーを起用したことでも大きな話題となりました。
カニエ・ウエスト(Kanye West)のもとでクリエイティブディレクターとして活躍したヴァージル・アブローもニコラ・ジェスキエールと同じくファッション専門学校での教育は受けていません。
大学卒業後は建築業界に入ったものの、かねてより志望していたファッションの道を選び、2013年に動画プロジェクトであるパイレックス ヴィジョン(PYREX VISION)を始動しました。
動画をYouTubeにアップしたところ、パリのセレクトショップであるCollotteのサラ・アンデルマンから「ビデオに写っている、その服は買えるの?」といったメッセージを受け取り、そのことをきっかけにブランド化されましたが、ワンシーズンのみの展開でブランドは閉鎖しました。
その後2014年春夏シーズンにて自身が立ち上げたブランド「オフホワイト(OFF-WHITE)」でファッション界に本格デビューを果たします。
今後ますますの活躍が期待されていましたが、2021年11月に惜しまれつつ41歳という若さでこの世を去りました。
ヴァージル・アブローの功績
ヴァージル・アブローは、前任のキム・ジョーンズが打ち出したストリートテイストにさらにオリジナリティを加えつつ、「ラグジュアリー・ストリート」をルイ・ヴィトンのアイコニックなスタイルとして定着させたことにあります。
また、ルイ・ヴィトン初のメンズ・ジュエリーを発表したことも大きな功績の一つ。ガーナ系アフリカ人というルーツが持つ魅力的なエッセンスをハイブランドの品や華と見事に融合させています。
ヴァージル・アブローによる名作アイテム
Louis Vuitton Chain Links Patches Necklace数々の名品を生み出したヴァージル・アブローのアイテムのなかでも、一度は手にしてみたいのがメンズ・ジュエリーです。
シルバーや真鍮を使用した力強くもエレガントなネックレスやブレスレットは、装いに新しい印象をプラス。
特にマルチカラーが目を引く「コリエ・LVチェーンリンクス パッチーズ」は、海の色のような美しいブルーやオレンジ、さりげなくチェーンにあしらわれたモノグラムが華やかで上品な逸品です。
スニダンのコリエ・チェーンリンクスのページはこちらをCheck!
まとめ
デザイナーの遍歴は、まさにブランドの歴史そのもの。デザイナーについて深く知ると、各アイテムへの愛着も一層深まりますね。ルイ・ヴィトンは定番から貴重なコラボラインまで、さまざまなアイテムを発表してきましたが、手掛けたデザイナーに注目してお気に入りを探してみるのもいいかもしれません。
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画像引用元:stylecaster、fashionista、woolmarkprize、VOGUE、nypost、GQ、sumally、WWD、preen
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