トレカの「インクド」とは?見抜くための真贋鑑定ポイントを徹底解説について
この記事では、トレーディングカード(以下、トレカ)で見られる「インクド」の真贋ポイントについて、さまざまな鑑定機器を用いた場合の見え方の違いを紹介している。
また、今回の鑑定ポイントは一部の「インクド」で判明しているものであり、すべての「インクド」に該当するわけではないため、その点を了承してほしい。
目次
トレカの「インクド」とは?
「インクド」とは、トレカの白く欠けてしまった部分(通称:白かけ)をマジックペンなどで補修することを指す用語だ。
一見、補修した部分が目立たず、美品に近づいているように見えるが、補修歴のあるカードは相場よりも価値が大きく下がるケースが多い。
グレーディングサービスの「PSA」には、通称"インクド判定"と呼ばれる『N3: EVIDENCE OF RECOLORATION』という判定が存在する(参考:「PSAグレーディング基準 - PSA Japan」)。この判定を受けたカードはグレードが付与されず、無価値であることが証明されてしまう。
「インクド」をしっかり判別することは、コレクション市場にとって非常に重要なことだ。そこで今回は、「インクド」されたトレカの特徴についてまとめた。
「白かけ」ができてしまう原因と事例
「白かけ」が発生する理由

「白かけ」が発生する主な理由は次の3つ。
- パックから取り出すとき
- スリーブに入れるとき
- 横になったカードを起こすとき
トレカは、紙が何重にも重なることで1枚のカードになっている。そのため、その層になる部分が何かしらに引っかかることで、めくれや削れが生じ「白かけ」になるケースがほとんどである。
ほかにも、カードを手に取った際に爪が引っかかってしまい、「白かけ」が生じることもある。
実際にスニダンに着荷した、「白かけ」が生じている『ポケカ』と『ワンピースカード』を見てみよう。
実際にある「インクド」の事例

赤枠で囲まれた部分を見てほしい。画像左の『ポケカ』には、小さなめくれが見られる。しかし、「白かけ」部分はカードの同系色で塗りつぶされているのがわかる。
一方、画像右の『ワンピースカード』は、めくれによる大きな「白かけ」が、カード本来の色とは異なる青で塗られている。
このように、「白かけ」部分を塗りつぶして補修されているものが「インクド」だ。
上記は一例だが、「インクド」の判別方法は、場所や大きさ、角度、「インクド」の方法によって見え方が変わるので注意してほしい。
鑑定ポイント:「ブラックライト」
前提として、「インクド」はカードの表面に後からインクを塗布した状態である。そのため、マジックペンや絵の具などで施された「インクド」はブラックライトを照射することで、肉眼では見えにくい部分も判別が容易になる。

まずは『ポケカ』の「インクド」部分にブラックライトを照射して確認してみよう。
画像左の赤枠で囲んでいる「インクド」部分の縁が、本来の色とは異なる色になっていることがわかる。肉眼ではわからない色でも、ブラックライトを使用することで発光反応の違いから判別がしやすくなる。

次に『ワンピースカード』の「インクド」部分にブラックライトを照射して確認していく。画像を見ると、めくれ部分のみが色濃く反応していることがわかる。
ただし、「インクド」の箇所が小さかったり、塗布されたインク量が少なかったりといった場合は、大きな違いを確認しにくい。
しかし、ブラックライトを使用することで、「インクド」部分の色の差が明確になり、判別が容易になるため、非常に有効な手段のひとつだ。
鑑定ポイント:「ルーペ」

赤枠で囲んでいる「インクド」箇所に注目してほしい。「インクド」の範囲が小さいため、肉眼では判断が難しいが、ルーペを使用すると色味の違いが明確になり、「インクド」部分がより鮮明に確認しやすくなる。
鑑定ポイント:「高精細デジタル顕微鏡」

スニダンでは、肉眼で確認することが出来ない部分に"高精細デジタル顕微鏡"を使用して真贋鑑定をおこなっている。
これにより、カードの素材感など細部まで確認でき、REALとの違いをより明確に見分けられる。
左の画像にある「インクド」は、ゴールド系のインクが使用されているため光沢が確認できる。右の画像にある「インクド」は、オレンジ系のペンらしきインクが使用されていることがわかる。
鑑定ポイント:「赤外線カメラ」

「赤外線カメラ」を使用した場合の「インクド」の箇所を確認してみよう。赤枠部分に注目すると、そこだけ黒ずんで変色しているのがわかる。
このように、「赤外線カメラ」を当てると「白かけ」の箇所は白く、「インクド」の箇所は他の部分と色の濃さが違って見えるため、判別しやすくなる。
真贋鑑定ポイントを動画でチェック
【スニダンFAKE情報報告】
— スニーカー&トレカ買うならスニダン【スニーカーダンク】 (@snkrdunk_jp) March 14, 2025
3/14(金)
トレーディングカードの状態偽装 "インクド" を報告します。
インクドとは人の手によってペン等で意図的に修正を行い状態を偽装する行為で注意が必要です。
詳細は動画をご覧ください。
スニダンでは最新の鑑定情報を随時お知らせしていきます。 pic.twitter.com/tVEmys5LkW
今回記事で紹介した「トレカのインクド」の真贋鑑定ポイントは動画でも公開中だ。スニダンでは最新の鑑定情報をXやInstgaram、TikTokなどのSNSでも随時お知らせしているので、ぜひチェックしてみてほしい。
おわりに
今回は、トレカでよく見受けられる「インクド」の真贋ポイントを紹介した。色味が大きく違えば目視で判別できる可能性もあるが、見分けがつかないケースもある。
さらに、大きい箇所であれば肉眼でも確認できるが、小さい箇所はルーペを使っても見落としてしまうことがあるため、素人による判断は難しい。
また、今回紹介した鑑定ポイントは一部に過ぎず、「インクド」やFAKEの製造技術は日々向上しており、専門家でない人が見抜くのはますます困難になっている。
スニダンでは「プロ鑑定士」による極めて高精度な真贋鑑定を実施しているため、二次流通で購入する際には、ぜひスニダンを利用してほしい。
引用元
ポケモンカードゲーム公式ホームページ
ONE PIECEカードゲーム公式サイト
権利表記
©Pokémon. ©Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.
ポケットモンスター・ポケモン・Pokémonは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標です。
©尾田栄一郎/集英社 ©尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション