タイムリミットはたった5時間⁉️ 洗濯物の"生乾き臭"を解消する、ただひとつの秘策とは?

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タイムリミットはたった5時間⁉️ 洗濯物の"生乾き臭"を解消する、ただひとつの秘策とは?について

日々の暮らしの中で、万人が何気なく行っている洗濯。その"良し悪し"を意識する機会はあまり多くはないが、真正面から向き合わざるを得ない瞬間もある。それは取り込んだ洗濯物から、あの嫌な“生乾き臭”が漂う時だ。

乾いたはずのTシャツの首元や脇下、トランクスのゴムの裏側が微妙に臭うのは、メンズにとっての"洗濯あるある"だろう。そんな生乾き臭との腐れ縁を断ち切るべく、毎度お世話になっている「Baluko Laundry Place(バルコ ランドリープレイス)代々木上原」を訪れた。クリーニングのプロに生乾き臭を解消する秘訣を聞いていく。

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目次


生乾きはなぜ起こる? 乾燥までのタイムリミットはたったの5時間!

ひとたび油断すると洗濯物に付着してしまう生乾き臭。せっかく終えた洗濯をもう一度やり直すことを考えるだけで、テンションは大きく落ちるものだ。

「じつは一度付いた生乾き臭は、洗濯をするだけでは完全には落ちません。なにより大事なのは"予防"です」。そう話すのは「バルコ ランドリープレイス 代々木上原」の店長で、クリーニング師の資格を持つ岡田さん。では、そもそも生乾きの臭いの正体とは何なのだろうか?

お話を伺った人

岡田優梨亜さん

株式会社OKULABが運営する「バルコ ランドリープレイス 代々木上原」の店長。クリーニング師やジーンズソムリエの資格を活かし、幅広い衣類のケア方法を日々発信している

「その名のとおり『濡れたまま衣類が乾ききらない状態が続くこと』で発生するのが、いわゆる"生乾き臭"ですが、その正体はモラクセラ菌に代表される雑菌。でも正確に言うと、モラクセラ菌自体は無臭なんです。臭いを発しているのは、モラクセラ菌が増殖した際に出す分泌物や排泄物。モラクセラ菌そのものはどこにでもいる常在菌なので、衣類に全く付かないようにするというのは物理的に不可能です」

あの嫌な臭いの原因はモラクセラ菌に端を発するが、菌自体が臭う訳ではなく、臭いの正体は菌の分泌物や排泄物。では、その分泌物が発する臭いを発生させないためにはどうすればいいのだろうか?

「基本的にはモラクセラ菌が増殖しないようにするのが大事です。当然、菌が増えると分泌物も増えますからね。洗濯時の目安としては洗濯物が濡れたままの状態から5時間を過ぎると、モラクセラ菌は一気に増殖すると言われています。つまり、いかに5時間以内に乾かすか?が勝負。ただし5時間という数字はあくまで目安で、湿気が多い場所だとタイムリミットはより短くなります。そしてモラクセラ菌が増殖する一番の原因は湿気だと思ってください」

「洗濯物を乾かす際は『湿気』が一番の大敵です」と話す岡田さん

そう言われれば、確かに生乾きの臭いはダラダラと干し続けた洗濯物から発生することが多い。実際に付着してしまった生乾き臭を消す方法も気になるが、まずはあの臭いの元となるモラクセラ菌を増殖させないための予防策を聞いていきたい。洗濯物を5時間以内に乾かすためには、何を心がければいいのだろうか?

「当たり前のことですが、通気性を確保することですね。具体的には洗濯物をなるべく重ねて干さないこと。見た目がきれいに見えますし、取り込みやすさや畳みやすさのため、バスタオルなどを畳んで干している方をたまに見かけますが、あれは良くないですね。布地が重なる部分は少なくして、洗濯物どうしの間隔をしっかり空ける。少し風が吹いても衣類が触れ合わない間隔を目安にしてください」

「また『外側は乾いているけど内側はまだ湿っている』ような場合もありますよね。そういうときは取り込む前に衣類を裏返したり洗濯物の干し方を変えることも大事です。乾き切っていないのに『まあいいか』と妥協して取り込んでしまうと、着ようとした時に『あれ、なんか臭う?』という事態になってしまいます」

編集部メンバーがサンプルとして持参した「シュプリーム×アイラック」のコラボT。まさに乾き具合を妥協して取り込んだため、生乾き臭の餌食になってしまった一着

モラクセラ菌の栄養は"皮脂"や"洗剤の残りカス"。洗濯時に気をつけることは?

湿気を好むモラクセラ菌を増やさないために、5時間以内に洗濯物を乾かすべきことは分かったが、干す以前に洗い方も重要だろう。洗濯時に気をつけることはあるのだろうか?

「前提として、モラクセラ菌は洗濯物に残った皮脂汚れや洗剤の残りカスを栄養にするんです。そのため、前回『白Tシャツの"黄ばみ"を落とすには?』でお話ししたように、皮脂汚れを落としやすい弱アルカリ性の洗剤を使うのが効果的です。また、すすぎ不足で残った洗剤や柔軟剤のカスもモラクセラ菌の栄養になるので、洗剤の入れすぎに注意することやすすぎの工程で洗剤をしっかり落とすことも重要です」

反響の大きかった以前の記事『白Tシャツの"黄ばみ"を落とすには? クリーニングのプロ「Baluko」直伝の洗い方を解説!』

生乾き臭を防ぐためには、普段の洗濯のクオリティにも気を配る必要がありそうだ。前回に教えてもらったプレウォッシュ(=汚れが気になる部分に洗剤と水を1対1で割った液をスプレーしておく処置)も効果的だろう。

洗う際の注意点に加えて、意外と見落としがちな洗濯機自体の扱い方についても岡田さんは教えてくれた。

「そもそもは洗濯物をきれいにするための洗濯機ですが、その洗濯機自体にカビや菌が発生しやすいということを頭に入れておいてほしいですね。構造上、洗濯機の内部はすごく湿気が溜まりやすいです。生乾き臭の予防としては、洗濯槽の掃除をこまめに行うことも大事です。また、使った後は必ずフタを空けておくのも鉄則ですね」

バルコ ランドリープレイス内の洗濯機にも、使用後のドアは開けたままにするように注意書きが

ちなみに、洗う予定の洗濯物を洗濯機に溜めて放置するのも良くないそうだ。水回りのスペースが限られる住まいでは自然に行ってしまう行為だけに、ドキッとする方もいるだろう。

「『洗濯機の中に洗濯物を入れておいて、溜まったら洗濯する』という習慣の方もいると思いますが、これは洗う前からモラクセラ菌を自ら培養しているようなもの。ここまでのお話を聞いていただければ、湿気だらけの洗濯槽に汗や皮脂汚れが付いたままの衣類を入れておくデメリットは分かっていただけるかなと。洗濯前の衣類は通気性がいいランドリーバスケットなどに保管してほしいですね」

意外と難しい浴室乾燥機。室内干しはサーキュレーターを活用して通気性を意識

ここで、今まで聞いてきた生乾き臭の予防策を洗濯の手順に沿ってまとめておきたい。

①雑菌と湿気が溜まりやすい洗濯槽は定期的に清掃して、洗濯物は通気性のいいランドリーバスケットに保管する

②洗剤は弱アルカリ性を選び、プレウォッシュの処置も交えて皮脂汚れをしっかり落とす

③洗剤カスが残らないように洗剤の量を守り、すすぎを十分に行う

④干す際は普段より衣類の間隔を空けて通気性を確保する

干す環境としては主に外干しを想定して教えていただいたが、住まいによっては浴室乾燥機の活用や室内干しというやり方もあるだろう。それぞれの方法で乾かす際の秘訣も解説していただいたが、特に浴室乾燥の機能は意外と使いこなすのが難しいのだという。

「まず、お風呂に入った直後に干すのはNGです。入浴後すぐは湿気が充満しているので、乾きづらい上に菌が増殖しやすいんです。厳密に言えば、お風呂場の壁や床に付着したカビも生乾き臭の原因になります。直接衣類に触れなくても、空間に浮遊したカビの菌が付着してしまいます。どうしても浴室乾燥の機能を使いたい方は、普段からお風呂場を清潔かつ乾いた状態に保つのが前提になりますね」

「実は浴室乾燥は生乾き臭が発生しやすいので注意が必要」と話す岡田さん

「浴室乾燥時に生乾きが発生しやすい理由として、浴室内や衣類が暖かくなるせいで乾いたかどうかの判断がしづらいことも挙げられます。『浴室乾燥を使ったからOK』ではなく、しっかり乾き切ったかどうかの判断は念入りにしたいですね」

天候に左右されず、外気より高い温度で乾かせるメリットはあるが、湿気やカビなどのリスクもあるのが浴室乾燥のデメリット。それに比べて、室内干しで重視すべきことは外干し時と同じく通気性だ。

「室内は外と違って風が通る環境ではないので、扇風機やサーキュレーターを活用して通気性を確保するのが大事です。人工的に洗濯物に風を送って、5時間以内に乾くことを意識していただければと。外干しと同じように、衣類は重なり合わないようにしてください。取り込む前にドライヤーの熱風を当てて、風と同時に熱を加えるのも効果的です」

編集部のTシャツで検証。付着した生乾き臭は乾燥機の熱で撃退!

ここまで生乾き臭を予防するための秘訣の数々を聞いてきたが、最後に知りたいのは生乾き臭が付着してしまった衣類の対処法だ。「一度付いた生乾き臭は再び洗濯するだけでは落ちない」と冒頭に話していた理由も聞いた。 ではここからは、実際に持参したTシャツを交えて検証していく。

「いったん増殖した菌の分泌物が衣類に付いてしまうと、その臭いは洗濯と自然乾燥だけでは消えません。粉末の酸素系漂白剤を使用することで除菌効果はありますが、完全に死滅することは難しいんです。でもモラクセラ菌は基本的に熱に弱く、60℃以上になると死滅すると言われています。熱が弱点ではありますが、一般的な家庭用の電気乾燥機だとそこまで温度が上がらないものもあるので、コインランドリーのガス乾燥機を使っていただくのが一番だと思います」

ランドリー内の洗濯機で洗濯した後、裏返して乾燥機に投入していく。時間の目安は衣類の素材や厚さによって変わるが、およそ30〜40分
選べる3つの乾燥コースの中から"標準"をチョイス。一般的なランドリーにある乾燥機の標準コースであれば、モラクセラ菌が死滅する温度を上回る65〜70℃の熱で乾燥できる

コインランドリーが近くになく、どうしても家庭で生乾き臭を解消したい方には「高温のお湯に浸け置く」という方法もあるのだそうだ。とはいえ、乾燥機を利用するよりも過激な方法であることは間違いない。

「60℃以上のお湯に10分くらい浸け置きすると、だいぶ生乾き臭はなくなります。ただ、一般的な衣類の洗濯表示において『60℃以上のお湯に漬けてもOK』という表記は、ほぼ見かけません。衣類へのダメージは避けられませんが、緊急処置として割り切るならありだと思います。比較的丈夫なコットン素材のTシャツやスウェット、バスタオルなどであれば、試してみてもいいかもしれません」

「さらに言えば、高温のお湯で浸け置き洗いをしても、その後に洗濯して干すという作業が待っています。それは結局、干す段階で時間がかかると再びモラクセラ菌が増殖するリスクを作ってしまいます。その点、洗濯して乾かすという自然な流れの中で、付いてしまった生乾き臭を落とすことができるのがコインランドリーの乾燥機なんです」

今回のTシャツは30分間かけて乾燥。​​持参した際はそれなりの臭いを発していたが、取り出したTシャツを念入りに嗅いでもあの生乾き臭は感じない
お気に入りの一着が再び気兼ねなく着れるのはうれしい。ややザラッとした風合いのアメリカ製のボディは乾燥機との相性も良さそうだ

乾燥における温度が高いだけでなく、乾燥にかかる時間が短いのも業務用のガス乾燥機のメリットだろう。モラクセラ菌の増殖に要する5時間を大幅に短縮して乾かせるため、生乾き臭の予防策としても有効だ。「コインランドリーの会社に勤めているからといって、少しガス乾燥機を褒め過ぎたかもしれません」と笑う岡田さんだが、大いにその効果を実感できる結果になった。

「クリーニング店によっては、臭い予防としての抗菌・消臭の加工ができることを謳うお店もありますが、いざ生乾きが発生してしまった衣類に"クリーニング店ができる特別な処置"はこれといってありません。つまり、生乾き臭は自分で対処できる問題なんです。『どうしても臭いが取れない服は捨てるしかない?』などと悲観せずに、コインランドリーという場所を上手に利用してほしいなと思います」

まとめ

今回のような生乾き臭が付いてしまった服でお悩みの方は、ぜひ近くのコインランドリーに駆け込んでほしい。また普段の洗濯においては、できるだけ洗濯物を湿気の多い環境に長時間(=5時間以上!)さらさない工夫が大切だと分かった。今までは湿度よりも気温を気にすることが多かった分、この考え方は目から鱗だった。ひとまずランドリーバスケットは新調したほうが良さそうだ。

Baluko Laundry Place 代々木上原
住所:東京都渋谷区上原3-29-2
TEL:03-6407-8415
営業時間:24時間(セルフランドリー)、9:00-20:00(クリーニング・洗濯代行・カフェ)
定休日:なし(年末年始・夏季休業あり)
Balukoについてもっと知りたい方は『今日もバルコで』も要チェック

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