再シュリンクを見逃さない! 膨大なデータベースとテクノロジーによるトレカBOX真贋鑑定!|スニダン トレカ真贋鑑定シリーズ vol.1

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再シュリンクを見逃さない! 膨大なデータベースとテクノロジーによるトレカBOX真贋鑑定!|スニダン トレカ真贋鑑定シリーズ vol.1について

『ポケモンカード』の新弾発売日には行列ができたり、シングルカードの高騰したりするなど、熱狂的な盛り上がりを見せるトレカ市場。そんなトレカ業界で今最も問題となっているのが「再シュリンク」詐欺問題だ。

本記事では、商品を鑑定することで偽造品の流通を防ぐ「スニダン」の鑑定機関で、「再シュリンク」詐欺問題についてどう対応しているのか? 鑑定士に解説してもらった。

今回の鑑定士

ホビー鑑定士チームリーダー

浅黄 慎也さん

経歴:トレカ・ホビー業界での買取査定・鑑定歴 7年
好きなカードゲーム:ワンピースカード・ポケカ・遊戯王

“シュリンク=未開封の証”を逆手に取った再シュリンク

─まず、基本的なことにはなりますが、「シュリンク」とは何か教えてください。

簡単に説明すると、シュリンクはボックスを包装している薄いフィルムのことです。

─つまり、「シュリンクがある=開封されていない状態」ということですね。

そうですね。トレカ以外の物だと、新品のDVDやCDも薄いフィルムで覆われているので、イメージしてもらうと分かりやすいと思います。

「シュリンク」や「再シュリンク」について、非常に丁寧に解説してくれた浅黄氏。

─そうなると、「再シュリンク」とは……。

シュリンクを1度剥がして、再びシュリンクをすることになります。

─その「再シュリンク」が、今トレカ業界で問題になっているんですよね?

そうなんです。「シュリンクをする」という行為自体は、ネットで材料や機材が揃うくらい意外に簡単なんです。そうやって「再シュリンク」されたトレカのボックスがフリマアプリとかには蔓延していますね。

─となると、フリマアプリでの購入はやはり危険ですか?

はい。個人間のやり取りで完結するフリマアプリでは特に危険かと思います。悪質な「再シュリンク詐欺」はSNSでも話題になっています。

─「再シュリンク詐欺」とは、どういったものですか?

商品の一部を抜いたりしたあとに「再シュリンク」をし、あたかも「新品未開封」と偽って売る行為です。最初に説明したシュリンクがかかっていれば「新品未開封の証」という概念を逆手に取った、トレカならではの詐欺行為といえます。

─確かに中身が違ったり、すり替わっているといった投稿をSNSで見かけます。

同じ被害者を出さないためにも、SNSで注意喚起する方が多いんだと思います。1度開封してしまえば泣き寝入りのケースがほとんどですからね。

実際にあった再シュリンク被害の一例

『25th ゴールデン ボックス』の中身がまさかの「塩」!?

販路に注意!『イーブイヒーローズ』再シュリンク品の実態を公開

Youtubeチャンネル -アイビーより

─これはかなり悪質ですね。中身が塩って…。ちなみに「再シュリンク」を見分けるにはどうすればいいですか?

「再シュリンク」にも程度はありますが、レベルが高いものになると、鑑定経験のない方では難しいと思います。特に、個人間のやり取りで完結するフリマアプリでは、主に写真で商品状態をチェックしなくてはいけません。そうなると「再シュリンク」を見抜くのは、ほぼ不可能といえます。

─フリマアプリで「再シュリンク」を見抜くのは難しそうですね。

かなり難しいかと思います。スニダンではそんな「再シュリンク」を見分けるために、経験のある鑑定士が直接手で触るだけでなく、テクノロジーによる鑑定も導入しています。

─テクノロジーによる鑑定? どういったテクノロジーで「再シュリンク」を見破っているんですか?

企業秘密の部分もあるので、鑑定の全てをお見せすることはできませんが、今回は公開可能な範囲で鑑定プロセスをご紹介させていただきます。

再シュリンク品を見逃さない鑑定士

こちらが、スニダンで取扱している「トレカ・ホビー」を鑑定しているセクションの一部です。ここでは、1日で数百個のボックスを鑑定しています。

「スニダンベース」にある「ホビー鑑定セクション」の一部。送られてきたホビー商品はここで鑑定される。

─1日で数百個? かなりの数ですね。

今は「ポケカ」のブームが来ているので、嬉しいことにかなりの数を鑑定させていただいてます。

─ここでは実際にどんな鑑定をしているんですか?

ここでは、鑑定士が実際に商品を一つ一つ手に取って確認しています。

─手で実際に鑑定する際のポイントはありますか?

素材感や質感、繋ぎ目がポイントです。鑑定士にしか分からない領域ですが、「正規品」と「再シュリンク」では、触ったときに質感が違います。

微妙な違いを感覚で判断するため、直接触って確かめる。普段から「正規品」に触れているからこそできる技だ。

─直接指で触って素材感や質感を確認することが大事なんですね。

そうですね。「シュリンク」の鑑定で最も大事なのは素材感や質感です。そのため、直に指で触れて確認することは最も重要なことになります。では、実際に「正規品」と「再シュリンク品」を用意したので触ってみてください。

(実際に触って確かめてみるスタッフ)
─え? 全然わからないです…。

左が「再シュリンク品」で右が「正規品」です。一般の方が見ても触っても全然わからないレベルのものもあります。特に写真だけの判別となると難しいんじゃないでしょうか。さて、次はテクノロジーを使用した鑑定方法です。

スタッフが実際に触らせていただいた、『ポケモンカードゲーム VSTARユニバース』のボックス。

シュリンクを精密分析!? "鑑定士×テクノロジー"によるWチェック

─場所を移動してきましたが、テクノロジーというと機械ですか?

そうです。鑑定士が目視や手で素材感や質感を確認。さらに機械を使って「シュリンクを精密分析」しています。鑑定士による「鑑定×精密分析」は全てのボックスで行っています。

─え、シュリンクを精密分析ですか?

はい。真贋鑑定はサービスの心臓とも言えるポジションなので、より鑑定の精度を高めるために、スニダンではさまざまなテクノロジーを導入しています。

─精密分析するなんて想像もつかなかったです。

さらに高い精度で鑑定するために導入されました。先ほどの「再シュリンク品」と「正規品」のシュリンクを精密分析してみましょう。

※シュリンクを精密分析する機械は社外秘のため公開できません。

─やっぱり見た目だけでは全然わからないですね。

そうですね(笑)。では、実際に使用してみます。このように商品を機械で読み取って、シュリンクを精密分析すると…。

─グラフが一致してないですね。

そうです。「正規品」と「再シュリンク品」では数値やグラフの波長が変わるので、かなり鮮明にデータに表れます。素材感や質感を確認して怪しいと思ったボックスを測定したら、あ〜やっぱり。みたいな事例は結構あります。

─テクノロジーを活用して数値でも判別している。鑑定士×テクノロジーによるWチェックですね。

公開はできないため、グラフのイメージ図。波形の違いが「再シュリンク品」と「正規品」の違いを表している。

透けて中身が見れる最終兵器"X線"

─今まで紹介いただいたものでも、見破れないものってあるんですか?

見破れないといったら語弊がありますが、複数の鑑定士が確認して怪しいと判断したものは、X線で鑑定します。

─X線というと、「GQ JAPAN」のYoutubeチャンネルで紹介されてたアレですね。

Youtubeチャンネル -GQ JAPANより

─X線って空港の手荷物検査の際に使う機械ですよね。

そうですね。なので、空港の検査くらいスニダンの鑑定は厳しいと思います。

─X線鑑定はどんな鑑定になるんですか?

X線の鑑定では、ボックスの中身を確認します。先ほどのボックスとは違ったボックスでどう見えるかお見せしますね。まずこちらが「正規品」です。

「正規品」にX線をあてたところ。パックが綺麗に並んでいるのがわかる。

─すごく鮮明にパックの厚み、枚数まで見えますね。

X線をあてることで、パックの厚みや数のほかに、付属品やプロモカード、プロモパックが封入されたセットも、中身が全てそろっているか確認することができます。

─なるほど。確かに全て見えるわけですね。

はい。次に、中身がすり替えられた「再シュリンク品」をX線にあてた写真をお見せします。

「再シュリンク品」にX線をあてたところ。パックとは明らかに違うものが映り込んでいる。

─パックじゃない何かが入っている?

これはパックが抜かれて、代わりに薄い紙のようなものが入っていますね。今回紹介したようなテクノロジーを使えると、ボックスの中まで見れるので鑑定精度もより上がります。

真贋鑑定を支える膨大なデータベース

─徹底的な鑑定とシステムですね

実はまだ…。

─まだあるんですか!?

はい。これらの鑑定を支えているデータベースがあります。

─データベースといいますと…?

より鑑定の精度を上げるため、日々鑑定したデータを集約して鑑定資料を作成しています。「過去にこんな個体のものがあった」とか、「こんなフェイクを見破った」といったことです。先に紹介した3つの鑑定プロセスでは、それぞれデータベースの資料も参考にして鑑定しています。

─なるほど。そういった資料があるんですね。

何が流行しているかで偏りはありますが、常に1つの商品を鑑定しているわけではないので。データベースは鑑定に欠かせない存在です。

─確かに、数多くの商品を扱うからこそ大事な資料ですね。

はい。新弾が出るとシュリンクの仕方が違うこともあります。そういったときにはスピーディに資料を作成しています。

一 一流の鑑定士に最先端のテクノロジー。さらに豊富なデータベースの全てがあってこそできる「安心の鑑定」ということですね?

はい。今のトレカ業界で「再シュリンク」を見破るにはどれかが欠けてもダメだと思っています。この環境や設備には感謝していますし、国内最大級のスニダンだからこその「安心できる取引」をユーザー様に届けていきたいです。

─ここまで徹底的に鑑定してもらえると安心できますね。

そういっていただけると励みになります。これからも徹底的に市場から「再シュリンク品」などの偽造品を排除していきますので、ぜひ安心してスニダンをご利用いただきたいと思っています。

─最後に、シュリンクだけではなく「PSA品の鑑定」も行っているんですか?

はい、PSA鑑定でグレーディングがつけられたカードの鑑定もしています。次回は「PSA品の鑑定」について紹介しますね。


次回 スニダン トレカ真贋鑑定シリーズ vol.2「PSA品の鑑定」は6月下旬〜7月上旬公開予定。出品や購入時に、PSA10/PSA9/PSA8以下の状態が選べるようになったので、お知らせも要チェック!

▶︎PSA商品が売買しやすくなりました!出品時や購入時、PSA10/PSA9/PSA8以下が選べるようになりました✨

スニダンの真贋鑑定、物流・鑑定拠点であるスニダンベースについての詳細は下記リンクをチェック。

スニダンの真贋鑑定について スニダンベースについて

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