フェイクを見抜く国内唯一の最新テクノロジーを導入!X線やデータベースを用いたスニーカー真贋鑑定とは?|スニダン真贋鑑定シリーズ vol.1

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フェイクを見抜く国内唯一の最新テクノロジーを導入!X線やデータベースを用いたスニーカー真贋鑑定とは?について

国内No.1のスニーカー取引量を誇るスニダンでは、膨大な正規品・偽造品のデータベースを元に、全取引商品を経験豊富な鑑定チームが丁寧に鑑定している。今回からそんなスニダンの真贋鑑定に関する情報やエピソードを掲載する連載をスタート。

vol.1ではスニーカー鑑定チームのリーダーである村嶋さんに、今まで非公開にしていたスニーカーの真贋鑑定プロセスや鑑定士の育成プログラム、現在導入している国内唯一の最先端テクノロジーなど、スニダンが行っている真贋鑑定について話を聞いた。

スニダン/スニーカー鑑定士チームリーダー 村嶋さん

ー今回はスニダンのスニーカー真贋鑑定についてのお話を、スニーカー鑑定チームのリーダーである村嶋さんにお伺いします。まずは村嶋さんについて教えていただけますか?

元々スニーカーが好きで、大学生の頃から趣味で真贋などをやっていました。以前はMONOKABU(モノカブ)で鑑定士として働いており、モノカブがスニダンと統合してからはスニダンのスニーカー鑑定チーム全体のリーダーをやらせていただいています。

スニダンでは一人あたり1日数百足のスニーカーを鑑定しており、日数でかけると相当数の真贋鑑定を行っています。なので、鑑定の経験値は高いと自負しています。


スニーカー鑑定士を育成するトレーニング制度とは?

ー鑑定士の方々は普段どういった業務を行っているんですか?

偽造品の流通を防ぎ、安心して正規品が購入できる場所としてお客様にスニダンをご利用いただけるよう、スニダンベースに入荷する全てのスニーカーの真贋鑑定を行っています。

具体的には、スニーカー本体はもちろん、ボックス、YCMシール、包装紙、付属品などの真贋鑑定です。


ー鑑定士はどういう方を採用しているのですか?

主に二次流通経験者の方ですね。スニーカーの事が詳しくなければ構造を理解しきれない部分があるため、面接時には例えばパーツの名称や、このモデルが何をモチーフに作られているか、復刻の年度を答えてくださいなどの質問を聞いています。


ースニダンのスニーカー鑑定士にはランク制度があるんですよね?

ランク制度があり、スニーカー鑑定士は全員見習いから始まります。見習いには1人ずつメンターがつき、トレーニングを行っています。また、スニダンではスニーカーの真贋鑑定レベルを商品毎に分けているのですが、定期的にレベル毎のテストも出題しています。


ー大体どれくらいの期間で一人前の鑑定士になるのでしょうか?

約1年ほどかかります。業務の流れは1ヶ月~1ヶ月半くらいで覚えることができるのですが、真贋鑑定レベルが一人前になるまでにはそのくらいの時間をかけないと難しいですね。

そこで、スニダンではよりスピーディーに鑑定スキルを身につけられるように、毎月鑑定のテストを行い、個々にメンターをつけトレーニングを行っています。


参考画像:スニーカー鑑定士の真贋テストの一例

ー事前にスニーカー鑑定のテストを見ましたが、難しいと感じました。

スニーカーが好きであっても、真贋鑑定に関しては恐らくできない方が多いかと思います。リアルとフェイクではそれぞれポイントがあるのですが、テストではそのポイントを押さえているかが分かるような問題を出題しています。また、テストの回答を選択した後には「なぜリアルと判断したのか?」「なぜフェイクと判断したのか?」もその場で答えてもらっています。


フェイクが多いモデルは経験豊富な鑑定士がダブルチェック

Travis Scott × Fragment × Nike Air Jordan 1 Low OG
(左)リアル(右)フェイク

ー人気や二次流通の価格によってフェイクが多かったり、少なかったりすると思うのですが、モデル毎にチェック体制は変わるのでしょうか?

スニダンではフェイクの着荷数などに合わせて、モデル毎に全5段階の真贋鑑定レベルを設定しています。1~2はメンターと一緒に見習い鑑定士、3~5は中堅クラス以上の鑑定士が真贋鑑定を行っており、5に関しては必ずダブルチェックする決まりになっています。真贋鑑定レベル5は前述のテストに合格したメンバーであっても、最終的にリーダーのジャッジを受ける必要があります。また、鑑定士が相談したいモデルに関しては都度、真贋鑑定レベルを問わずダブルチェックで真贋鑑定を行っています。


ー例えば、フェイクが少ない真贋鑑定レベル1はどんなモデルになりますか?

真贋鑑定レベル1は直近で発売されたが完売していないインラインモデルが中心です。ただ、常に二次流通の市場相場、フェイクの市場(マーケット)を分析しており、そこで登録されているか、フェイクの流通が過去にあったかなどを踏まえて、日々真贋鑑定レベルはアップデートしています。


ーフェイクが多い真贋鑑定レベル5にはどんなモデルがありますか?

Travis Scott(トラヴィス・スコット)のコラボモデルであったり、例えば最近リリースされたTiffany(ティファニー)のエアフォース1であったり、高額なプレミアな価格がついており、且つフェイクが既に発生しているモデルには真贋鑑定レベル5をつけています。また、二次流通での相場はそこまで高くないですが、ダンクのパンダやヴィンテージネイビーなども真贋鑑定レベル5に設定しています。


鑑定のポイントは「真贋鑑定資料」と「X線」などの最新テクノロジー

ー普段のスニーカー鑑定の流れについて教えてください。

まず受取工程で取引が紐付けされたスニーカーが鑑定チームに届きます。専用の端末で紐付いた専用バーコードを読み取ると、取引商品の詳細がタブレット上に表示される仕組みになっています。まずは品番とサイズが合っているのかを確認し、そこからボックス、包装紙、本体、付属品と、外から順に真贋鑑定を進めていきます。


タブレットを見ながら真贋鑑定を進めていく

タブレットには真贋鑑定資料がSKU*毎に登録されており、リアルとフェイクの画像一覧が閲覧できるようになっているので、そこを見ながら真贋鑑定を行っています。この時に、見習いの鑑定士はメンターと画像を見比べながら、慎重に鑑定を行っていきます。


*SKU:ストックキーピングユニット(Stock keeping Unit)の略。在庫管理上の最小の品目数を数える単位。


ー先ほどお話にあがった真贋鑑定資料はどうやって作成されているのでしょうか?

鑑定でフェイクが発生した時点で、真贋鑑定資料を各メンバーで作成しています。また、着荷前にも外部からフェイク情報を入手し、資料のアップデートを行っています。年間で600件以上は真贋鑑定資料を作成していますね。それほどフェイクが届いているという証拠でもありますが。


ー真贋鑑定だけでなく、個体差の判別も行う必要があると思いますが、そちらはどうやって判断していますか?

スニダンには圧倒的な着荷量があるため、SKU毎でどういった個体かのデータがあります。個体差は資料にまとめており、資料に登録すると、バーコードスキャンしたときにタブレットで個体差なのか、基準外なのかが把握できるようになっています。


X線機器の中にスニーカーを入れ、X線スキャンを行う

ーテクノロジーはどのように鑑定に利用されているのでしょうか?

ボックスの色味や文字(印刷のフォント)、自身の経験値から見る質感など、アナログなものが一般的な二次流通の鑑定だったのですが、スニダンではデータ、テクノロジーを駆使した鑑定を行っています。例えば、X線機器を使用した肉眼では捉えきれない内部構造の分析など、テクノロジーを利用したより高度な技術を用いた鑑定方法です。


ー内部構造の分析は真贋鑑定にどのように役立っているのでしょうか?

一般発売前のスニーカーは、X線機械を用いて真贋鑑定を行っています。例えばエアジョーダン1は10年前と内部に搭載されているエアの形状が変わっていないんです。本当に歴史の長いスニーカーたちは昔からほとんど内部が変わってないんですね。


X線スキャンを行うと、ディスプレイでスニーカーの内部構造を確認できる

真贋鑑定の際は、その中のエアの形状というのが非常に鍵になります。初めて着荷したモデルは必ずX線を通し、従来のエアジョーダン1の真贋鑑定資料を照らし合わせながら真贋鑑定を行っています。


ー発売前の話題スニーカーはフェイクが多い印象がありますが実際どうなんでしょうか?

発売前、発売後を問わずですが、スニダンにフェイクが着荷するのは、全体数で見ると1%以下です。フェイク業者というのは基本的にリーク画像をもとに、第一弾目のフェイクを作ります。なので、発売前に着荷するモデルの中には当然フェイクが入ってくることは多いです。実例としてはトラヴィス・スコットのリバースモカや、ブラックファントムは発売前にスニダンにフェイクが着荷しています。ただ、傾向として発売前のフェイクは箱の素材や包装紙など粗悪なものが多いですね。時間の経過とともに本体以外のフェイクの精度も上がってきます。


国内で唯一の最先端テクノロジー×鑑定にかける想いとは

ー最後に村嶋さんから、スニダンユーザーへメッセージをいただけますか?

僕自身もどかしいのですが、鑑定の真贋鑑定資料や鑑定ポイントはフェイク業者に対応されてしまうため、事細かく公にできません。しかし、皆さんに安心してお取り引きしていただくために、現在スニダンではX線などのテクノロジーの利用や、モデル毎に必ず真贋鑑定資料の登録など、国内で唯一の最先端技術を用いた真贋鑑定を行っています。ぜひ安心してスニダンをご利用いただければと思います。



次回より、スニーカー真贋鑑定に関する企画連載をスタート。次回はスニーカー真贋の鑑定ポイントを紹介する。


スニダンの真贋鑑定、物流・鑑定拠点であるスニダンベースについての詳細は下記リンクをチェック。


スニダンの真贋鑑定について

スニダンベースについて


GQ JAPAN「Sneaker Holics」で公開されたスニダンベースの動画もチェック!



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