MB「最終的にデザイナーズブランドを好きになってもらいたい」|アンバサダーインタビューVol.3

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MB「最終的にデザイナーズブランドを好きになってもらいたい」|アンバサダーインタビューVol.3について

こだわりや熱狂を世の中に発信し続けるクリエイターとSNKRDUNKがコラボレーションする企画「スニダンアンバサダー」。ハイブランドにおけるインタビュー第一弾は、「MBチャンネル」を運営するMBさん。デザイナー、作家、YouTuber、実業家とさまざまな顔を持ち、幅広い媒体でファッションの魅力を伝え続けるMBさんに、そのルーツから約40万人のYouTubeチャンネルの登録者を抱える“今”、そして圧倒的なファッションへの愛情。様々なテーマで話してもらった。

キーワードは“憧れの兄”と“ファストファッション”
今のMBができるまで

─まずは現在の活動内容を教えてください。

YouTubeでの動画配信や、メルマガや週刊誌、雑誌などでの執筆、音声配信媒体やテレビ番組への出演、オリジナルブランドでのものづくり業などさまざまですね。仕事量の比率でいうとものづくりが一番大きいです。

─本当に幅広くやられていますね。活動の軸にあるものはファッションですが、そもそも服を好きになったきっかけは何ですか?

4つ歳の離れた兄貴がトラッドなコーディネートをしていた影響です。お洒落でイケメンで信じられないくらい頭が良くて、ずっと憧れでした。僕が中学一年生の時、そんな兄貴がGloverall(グローバーオール)のダッフルコートを着ていて。アイテムに魅力を感じたというよりは、真似したいと思って僕も購入したんです。その流れで僕もアメカジにハマって、お金が無いなりにFULLCOUNT(フルカウント)のデニムやRed Wing(レッドウイング)を買っていましたね。

─ファッションを職業にしようとはずっと思っていたのでしょうか?

これも音楽好きだった兄貴の影響なんですけど、実は最初はミュージシャン志望だったんですよ。ジャズやフュージョンバンドのドラム担当で、大学2年生くらいまではプロを目指していました。でも、あるときプロの前座を任されて、楽屋からそのバンドの演奏を見ていたら「レベルが違いすぎる」と。僕のドラムを聴くくらいならこの人を聴いたほうがいいと思って。社会における僕の存在意義を見失ってしまったんですよ。じゃあ他のことでどうしたらみんなに価値を提供できるかと考えた結果、音楽と同じように好きだったファッションの道があると思ったんです。

─音楽での挫折がきっかけだったのですね。以前はアパレルのスタッフだったと伺っていますが、今のように情報発信を行うようになったのはいつからですか?

2011年です。その頃はデザイナーズブランドを扱うお店のマネージャーをやっていたのですが、ちょうど海外からファストファッションが流入し始めた時期で。当時扱っていた中価格帯のブランドが駆逐されていったんです。目に見えてお客さんが減って、ブランドの規模も縮小していった。でも僕は「ファストファッションでいいじゃん」とは思えなくて。デザイナーズブランドだって頑張ってものづくりをしているはずなのにおかしい。魅力の伝え方を変えて、新しい客層を連れてこないといけないと思ったんですよ。

─伝え方を変えるというのは?

ファッション誌のように写真に頼らず、文章で服の魅力を伝えるとか、「今年は青が気分」みたいに感覚的ではなく、論理的に伝える、とかですね。その発想でブログを書いてみたら、約半年で40万PV取れていたんですよ。「これは手応えあるぞ」と。そうやって自分なりの伝え方を模索する中で思いついたのが、どこでも手に入るファストファッションを入り口にして、最終的にデザイナーズブランドを好きになってもらうやり方。今のMBとしての発信方法ですね。

「やらない方がカッコ悪いと思った」
YouTubeを始めたきっかけ

─2019年にYouTubeチャンネルを開設されました。比較的“後発組”と言えるタイミングだと思いますが、なにか意図はあったのでしょうか?

正直、YouTuberのノリがあまり好きじゃなかったし、表に出るのも苦手だったんですよ。MBとして活動し始めた頃は顔出しをしていなかったくらいですから。でもある時、母親と話していたら「好きなYouTuberがいる」と言われて。それくらい常識になっているものにカッコ悪い・カッコいいと言う価値観を持ち出すこと自体がカッコ悪いと思ったんです。それから急いでチャンネルを開設しましたね。

─反響はいかがでしたか?

これまでとはまた違った層にリーチできていますね。変な話、僕のお客さんって基本的にファッションが大好きな人ではないんですよ。その中でも僕の本を買ってくれている人は、例えばコーディネートに関して誰かに傷つくことを言われたとか、よっぽどファッションに困っている人が多い。でも、YouTubeの場合、「ちょっと服に興味が出てきたな」くらいの温度感の人が見てくれて。動画の内容も、意図的にユニクロやGU、ワークマンを紹介する割合を増やすようになりましたね。

─ちなみに、YouTuberとして活動する上で参考にした人はいましたか?

市場を調べるときにざっと見ましたけど、いないですね。好きなチャンネルは「ジャルジャルタワー」ですから(笑)。

─毎日更新という以外の共通点がないですね(笑)。では、YouTubeに関係なくファッション業界で最も影響を受けた人はいますか?

うーん誰だろう……。好きなデザイナーでよければ、迷いなくJean Paul Gaultier(ジャンポール・ゴルチエ)と答えますね。もともとMartin Margiela(マルタン・マルジェラ)が好きなんですけど、調べるほどゴルチエに影響を受けていることを知って。さらにゴルチエのことを調べると、「今あるデザインってほとんど彼が作ったのではないか」と思うくらい先鋭的なことをやっているんですよね。

HELMUT LANG(ヘルムート・ラング)が「ペイントデニム」を作る前からペイント加工をやっていたし、今では普遍的なインサイドアウト(裏表逆)のデザインも彼が最初だったと思います。しかも、多くのブランドが「〇〇年代の〇〇」を参考にしてデザインしている中で、全く存在しないものをゼロから作り出しているんですよね。僕は哲学的に物事を捉えることが多いのですが、“存在意義”があるなと思います。

MBが熱狂する5つのアイテム

─圧倒的な“ゴルチエ愛”、伝わってきました。MBさんの私物にも愛を語れるアイテムがたくさんあると思うのですが、その中から5つ紹介してください。

「Maison Margiela "ストライプ パデッドコート"」

“マルジェライズム”が詰まりまくっているアイテム。形はヨーロッパ文化における肌着であるシャツですが、ダウンジャケットのような中綿が入っているんですよ。そして、表地には、スーツやコートの裏地に使われるストライプ柄のキュプラが使われている。つまり、中と外、裏と表が全部ちぐはぐになったデザインなんですよ。

また哲学的な話ですが、人間って全く新しい“美しさ”はなかなか作れないと思うんです。言い換えると、既視感のあるものにしか美しさを見出せないということ。でも、「見たことがある」だけのものはありきたりになってしまうという矛盾もある。そこでマルジェラは、このシャツのようなちぐはぐの手法を用いて、ありそうでないもの、見たことがあるけどどこにもないものを作り出しているんですよ。さらにマルジェラは、それを売ることができ、商業的に成立させられる。それはゴルチエですらなし得なかったことなので、僕はある意味でMaison Margiela(メゾン マルジェラ)が最強のブランドだと思うんです。

スニダンで「メゾン マルジェラ」をもっと見る

「Boucheron "キャトル"」

僕のブランドでもたくさん作っているくらい、ジュエリーが好き。お気に入りの私物はBoucheron(ブシュロン)の「キャトル」ですね。4つの細いリングを縦に重ねたような作りなのですが、全てパリのヴァンドーム広場の石畳をイメージしているらしくて、繊細な仕事にグッときます。ものづくりをする側になって、よりそういった職人技術のすごさを感じられるようになりました。

「HERMES "シェーヌダンクル" "クレッシェンド"」

あとは“原点”と呼べるようなデザインも好き。そういう意味では、180年以上の歴史を持つHERMES(エルメス)のジュエリーは圧倒的ですよね。「シェーヌダンクル」は、ぱっと見はシンプルだけど、一つ一つのパーツをよく観察してみると切断面に丁寧に磨きがかけられている。細かいけれども、そういう曲線美に色気を感じられるんです。

「クレッシェンド」は、その名の通りパーツごとのサイズを徐々に変化させているのが面白い。知り合いの彫金屋さん曰く「こんなの面倒くさくてやってられない」というくらい複雑な技術が使われているらしくて。正直、今はどこのブランドも似たようなものを作っていますけど、それでも「これじゃなきゃいけない」と思えるような説得力を感じますよね。

スニダンで「エルメス」をもっと見る

「VISVIM "スカグウェー ロー"」

VISVIM(ビズビム)の「フラットフォームスニーカー」も、マルジェラと同じ“ありそうでない”を感じられる一足。極端な話「コンバースのオールスターでいいじゃん」と言えるくらいベーシックなデザインなんですが、そうならない説得力がありますね。アウトソールがヒールよりもトゥ部分の方が厚くなっていたりとか、微妙に反り返った形状をしていたりとか、独特なバランスが面白い。あとは身長を盛れる厚底も、一回履いちゃうとやめられないですね。最近、僕のブランドでも厚底ブーツを発売したくらいハマっています(笑)。



スニーカー好きにも見てほしい。
MBの今後

─今後YouTuberとしてやっていきたいことはありますか?

今まで通りのことを続けていけたらいいかなと。あとは有料のメンバーシップに注力していきたいです。熱心に見てくれている方には言いたいことを最後まで伝えやすいですから。YouTubeでももっと深い層にリーチしていきたいですね。

─最後にスニダンアンバサダーとして一言お願いします。

僕の視聴者の方でスニーカー好きは意外と少ないんですよ。だからこれまでとは違うユーザーの方も、僕の動画に興味を持ってもらえたら嬉しいですね。

連載|アンバサダーインタビュー

▶︎SOSHI Net「目指すはチャンネル100万人登録」|アンバサダーインタビューVol.1
▶︎きまぐれクック「トレカは『子供の気持ちに戻れるもの』の一つ」|アンバサダーインタビューVol.2
▶︎Ninja We Made It.「ヒップホップの音楽やファッションを通して、見ている人に楽しさを届けたい」|アンバサダーインタビューVol.4

Profile

MB

ブロガー、作家、YouTuber、デザイナー、実業家とさまざまな顔を持ち、幅広い媒体でファッションの魅力を伝え続けるファッションインフルエンサー。ファッションを論理的に伝えるブログやメルマガ、YouTubeが人気を博している。YouTuneチャンネルの登録者数は、約39.9万人(2022年12月現在)。


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