アークテリクスはなぜ高い?アイテムに秘められたこだわりを徹底調査について
近年、タウンユースアイテムとしても人気を集めているアウトドアブランドのアイテム。その中でも特に高い人気を誇るのが「ARC'TERYX(アークテリクス)」だ。価格設定が高く設定されている印象があるブランドだが、それにはどんな理由があるのだろうか?
そんな疑問を解決すべく、本記事ではアークテリクスを徹底調査。そこで見えてきた、アークテリクスのこだわりを紹介していく。コラムの最後には、スニダン編集部のおすすめアイテムもピックアップしているので、あわせてチェックしてみてほしい。
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アークテリクスはどんなブランド?

via:ARC'TERYX
アークテリクスは、1989年にカナダで誕生したアウトドアブランドだ。機能性とデザイン性を兼ね備えたアイテムを展開しており、アウトドアシーンを中心に高い支持を集めている。日本では元々アウトドアを趣味としてきた人々から好まれるニッチなブランドという立ち位置だったが、フランク・オーシャンなどのストリートシーンに強い影響を持つアーティストなどが着用したことや、コロナ禍以降のアウトドアブームに伴い、アウトドア以外のシーンでも人気が加速。街中で着用している人も多く見かけるようになった。BEAMS(ビームス)や、Palece(パレス)、JIL SANDER(ジルサンダー)など、旬なブランドやショップとのコラボが度々行われるのも、その人気を裏付ける証拠ではないだろうか。
アークテリクスはなぜ高いのか?その理由を考察
一般的にアウトドアブランドはフィールドシーンを想定したものづくりをしている。アウトドアフィールドに対応する高い機能性や、特殊な素材、技術を用いてものづくりを行っているため、価格もそれに応じて高く設定されることが多い。その中でも特に高価格な設定になっているのが、アークテリクスだ。
その理由は、アークテリクスが「地球上にある最高のマテリアル、最高の技術、そして革新的なデザインで商品を作り上げる」というコンセプトを大切にしながらものづくりをしているから。アイテム企画から素材開発、製品づくりまで、自社もしくは信頼関係を築いたパートナーとともに作り上げているため、出来上がったアイテムのクオリティは高く、品質のムラがない。また、より良い商品作りのために、素材開発や製品テストはもちろん、必要とあれば機材すらも自社で開発してしまうというから驚きだ。この細部にまで渡るこだわりが、価格に反映されていると推測できそうだ。
アークテリクスの魅力とは?こだわりのポイントを紹介
前項で紹介したこだわりは、展開されているアイテムにどのように落とし込まれているのだろうか?
キーとなる、3つの「こだわりポイント」を見ていこう。
1.マテリアル(素材)へのこだわり

via:ARC'TERYX
アークテリクスの優れた点としてまず挙げられるのが、こだわり抜かれた素材。
そのなかでも代表的な2つの素材とその特徴は、以下の通りだ。
■GORE-TEX(ゴアテックス)

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防水透湿性素材であるゴアテックスは、後ほど詳しく紹介する「アルファ」や「ベータ」などの、ブランドの顔ともいえるジャケットをはじめ、様々なアイテムに用いられている。ゴアテックスは表地と裏地、その間のメンブレンと呼ばれる素材で構成されており、体から放出される汗などの水分は外へ逃がすが、雨などの水分は通さないという優れた素材だ。
ウェアを開発しようと考えたアークテリクスの相談にゴア社が応じる形でスタートしたパートナー関係は、1990年代後半に始まり、今も密接な関係が続いている。その証拠に、ゴア社にはアークテリクス部門専属のスタッフが在中しており、常に研究を重ね素材を進化させているそうだ。
■Coreloft(コアロフト)

via:ARC'TERYX
アークテリクスが独自開発した中綿素材コアロフトは、羽毛などのダウンと比べ、手入れが容易なのが大きなメリットだ。
主な組織構成は、ポリエステルの太い繊維と細い繊維の2種類。化学繊維の中綿の弱点である「ヘタリ」を弾力のある太い繊維が支え、細い繊維が温められた空気が逃げてしまうのを防いでくれる。
保温性を重視する、ミッドレイヤー(アウターとインナーの中間に着用するアイテム)などに多く使われる素材だ。
2.優れた耐久性

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アークテリクスが研究開発した素材は、想定されるシーンでの、最も過酷な環境に耐えられるか」という観点のもと、アイテムに落とし込まれ、実際の使用を想定したフィールドテストをクリアすることで商品化につながる。厳しい基準をクリアしたアイテムは、適切なケアや保管を行い劣化を防ぐことで長く愛用することができるため、値段は少々お高めだが、総合的にみたコストパフォーマンスは良いといえるのではないだろうか。
3.デザイン面のこだわり

via:ARC'TERYX
アークテリクスのアイテムをタウンユースで愛用する人が多い理由のひとつに、ブランドコンセプトに沿った"ミニマルで都会的なデザイン・カラー"であることが挙げられる。
登山用のウェアは、安全のために視認性を上げるためにビビットなカラーが用いられるのが一般的だ。しかし、アークテリクスにはカラー専門のチームが存在し、流行やコンセプトから落とし込まれたカラーを積極的に採用している。アウトドアシーンを始めとして、着る人や環境により良いものづくりをするために日々研究し、改善が繰り返されていることがアークテリクスの魅力だろう。
【おすすめアイテム10選】人気アイテムからコラボモデルまで幅広く紹介!
そんなこだわり抜かれたアークテリクスのアイテムから、特におすすめしたいアイテムをピックアップ。どんなアイテムがあるのだろうか?早速見ていこう。
アルファ SV ジャケット メンズ "オルカ"
1998年発売、ブランドの顔とも言える「アルファ」シリーズから、最も過酷な環境での使用を想定し作られた「SV」ジャケット。発売した当時の一般的なシェルジャケットに比べ、300グラムもの軽量化を実現した革命的なモデルだ。素材には通常のゴアテックスよりも優れた機能性を持つ「ゴアテックス プロ」を採用。完璧な防風、防水性を実現してくれる。
ベータ LT ジャケット メンズ "ブラック サファイア"
ゴアテックスを採用した、美しいシルエットに定評がある人気モデル「ベータLT」。薄く柔らかな素材であるにも関わらず、機能性は抜群で街着としての人気も高い。インナーで暖かさを調整することで、秋口〜春先まで活躍する万能アイテムだ。
ガンマ MX ジャケット メンズ "ブラック"
スリムなフィット感が特徴的なストレッチ性の高いソフトシェルジャケット「ガンマ MX」。ほどよい伸縮性があるにも関わらず、防水性にも優れており、ほどよい暖かさを実現してくれる。ミニマルなデザインで、どんなシーンでも着用できるのが嬉しいポイントだ。
アトム AR ジャケット メンズ "ブラック"
「アトム AR」は中綿にコアロフトを採用した定番モデル。中綿入りジャケットであるにも関わらず、スリムなシルエットが特徴。快適な暖かさと軽い着心地にハマる人も多く、アークテリクスの社員のほとんどが所持するアイテムだという。気温の変わりやすい季節のアウターとしてや、寒さが厳しくなってきたらシェルジャケットの中に着込むミッドレイヤーとして、様々なシーンで活躍してくれる万能アイテムだ。
アトム LT ベスト "コモレビ"
アトムシリーズのベストタイプも紹介。「アトム LT ベスト」はアームホールに適度なゆとりがあるため、タイトなアウターのインナーとしてはもちろんのこと、スウェットなどの上から羽織ることもできる優れたアイテムだ。
カイヤナイト AR テック ウール ジョガー"ブラック"
スッキリとしたシルエットながら、動きやすさを追求したジョガーパンツ「カイヤナイト AR」。素材にポリエステルとウールの合成繊維が使われており、暖かさと肌触りの良さを実現している。単体での着用はもちろん、ウィンタースポーツ時などのミッドレイヤーとしても活躍してくれるアイテムだ。
アロー 16 バックパック "ブラック"
アークテリクスが展開しているバックパックの中でもダントツの人気を誇るのが、このアローシリーズ。発売開始から20年以上も愛されてきた、タウンユース向けモデルだ。今回は、オリジナルモデルの22Lよりも一回り小さい、16Lタイプをピックアップ。性別や身長を問わず、ファッションに適度なアウトドア感をプラスしてくれる。エントリーモデルとしても最適なアイテムだ。
マンティス 1 ウエストバッグ "ホワイト" (ビームスコラボ)
スマートフォンなど、小物を収納するのに最適なサイズ感のウエストバッグもおすすめ。ビームスとコラボした「マンティス 1」は、ホワイトカラーに大きな金色のロゴが印象深い、コラボらしいカラーリングが印象的だ。紐の長さを調節することで、ショルダーバッグとしても使えるのも嬉しいポイントだろう。
グランヴィル 20 バックパック "フォリジ"
アウトドアで培われたノウハウを落とし込んだ、タウンユース向けのバックパック「グランヴィル 20」。シンプルなデザインだが、内部は細々とした荷物をスッキリとまとめ入れることができる収納が豊富に用意されている。耐水性にも優れており、書類やパソコンなどを水分からしっかりと守ってくれるため安心だ。
バードワード トーク "ブラック サファイア/ハビタット"
最後に、ブランドの象徴とも言える「始祖鳥」が大きくあしらわれた、アイコニックなニットキャップ「バードワード トーク」を紹介。これまでに発売されたカラーバリエーションが豊富なため、選ぶ楽しさもある。シンプルな服装にも個性をプラスしてくれそうだ。
まとめ
価格に見合った魅力を持ち合わせた、アークテリクスのアイテムたち。コンセプトに基づいて作られたアイテムたちは、機能面・デザイン面ともに優秀だ。アークテリクスのアイテムの値段がどうして高いのか?それは、各アイテムを深く知るほど、実際に着用するほどに納得するはずだ。
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