本格的な寒さがやってくる前に準備しておきたいヘビーアウターといえば、やはり「ダウンジャケット」。しかし、ブランドだけでなく、フィルパワーや素材、丈の長さなど、選択肢が多すぎて「結局どれを選べばいいの?」と悩んでいる人も多いのでは。本稿では、暖かさの基準となるスペックの見方から、体型やスタイル別の選び方、そしてスニダン編集部が厳選するおすすめのダウンジャケットを紹介していく。
暖かさの決まり手!「スペック」の基礎知識
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デザインやブランドロゴで選ぶのもファッションの楽しみだが、高価なダウンで失敗しないためには、まず「寒くないか」を見極めるための数字や素材を知っておく必要がある。見るべきポイントは以下の3つである。
①フィルパワー(FP)=「羽毛の反発力と軽さ」
タグによく記載されている「700FP」などの数字は、羽毛がどれだけ空気を含んで膨らむかを表す数値だ。数値が高いほど少量のダウンでも大きく膨らみ、暖かい空気の層を多く確保できる。
・550 FP〜600 FP: 一般的なダウン。タウンユースとしては十分な保温性を持つ。The North Faceの一部モデルや、生地が厚手のタフなアウターによく見られる。
・700 FP〜: ストリートの黄金基準。高品質ダウンの証とされ、真冬の都市部から寒冷地まで対応する。名作「ヌプシジャケット」もこのクラスで、ボリューム感のある美しいシルエットが出やすいのが特徴。
・800 FP〜: 超高品質(アルパイン・ハイスペック)。圧倒的に軽く、着ていることを忘れるほど。本格的な登山用モデルや、軽量性を重視したインナーダウンに採用されることが多い。
②ダウンとフェザーの「黄金比率」
中綿はすべてダウン(タンポポの綿毛のようなもの)ではなく、型崩れを防ぐためにフェザー(芯のある羽根)が混ぜられている。フェザーは弾力性を生む「骨組み」の役割を果たすが、保温力自体は低い。
・理想の比率は「ダウン90%:フェザー10%」 プレミアムダウンと呼ばれるものの多くはこの比率。空気をたっぷり含み、フワフワとした極上の着心地を実現する。
・実用重視なら「80:20」もアリ ダウンの比率が高いほど軽くて暖かいが、フェザーが多すぎると重くなり保温性が下がる。ただし、耐久性を重視するワーク系や一部のアウトドアブランドでは、あえてフェザーを20%ほど残して型崩れを防ぎ、ラフに扱える仕様にすることもある。
③表面の素材の機能性
中の羽毛がいかに高性能でも、外側の生地が冷気を通してしまうと意味がない。用途に合わせて素材を見極めよう。
・GORE-TEXGORE-TEX / GORE-TEX INFINIUM: テック系の最高峰。「マウンテンダウンジャケット」などは完全防水のGORE-TEXを、「バルトロライトジャケット」などは防風性と着心地を重視したGORE-TEX INFINIUMを採用することが多い。雪や冷気をシャットアウトし、屋内の「蒸れ」を逃がす機能は冬の必須条件だ。
・ナイロン・ポリエステル(リップストップ等): 軽量で引き裂き強度に強い。多くのダウンで採用されており、耐久撥水加工が施されていれば小雨程度なら弾くことができる。光沢のある「シャイニーナイロン」か、落ち着いた「マット素材」かで印象が大きく変わる。
・ウール・フランネル: ダウン特有のスポーティさやギア感を消し、スーツやコートのように着こなせる。MONCLERなどの高級ラインによく見られ、大人っぽい品格を出したい場合に最適。
失敗しない「丈感・サイズ」の選び方
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スペックの次は「シルエット」だ。単に身長で選ぶのではなく、移動手段や普段のコーディネートに合わせて選ぶことが、後悔しないポイントになる。
【ショート丈】アクティブ派・車移動が多い人
・メリット: 脚が長く見えるためスタイルアップ効果がある。車の運転や自転車に乗る際も邪魔にならず、脱ぎ着もしやすい。
・デメリット: 物理的に覆う面積が少ないため、腰やお尻周りの防寒性は劣る。
・おすすめ: The North Face「ヌプシジャケット」、Stone Island「クリンクルレップス」など。
【ミドル〜ロング丈】寒がり派・ビジネススタイルの人
・メリット: 内臓が集まる腰回りを完全にカバーするため、体感温度が圧倒的に高い。ジャケットの裾がはみ出さないため、オンオフ兼用で着用できる。
・デメリット: ショート丈に比べて重量が増しやすい。電車で座った際などは暑すぎることがあるため、ダブルジップ仕様を選ぶと体温調節がしやすい。
・おすすめ: CANADA GOOSE「ジャスパー」「シャトー」などのハーフコートタイプ。またはMONCLERのウールモデルなど。
スニダンで狙うべき!間違いなしの「最強ダウン」18選
おわりに
ダウンジャケットは冬の主役アイテムであり、決して安い買い物ではない。だからこそ、ブランド名や見た目だけで選ぶのではなく、今回紹介した「スペック」や「自分に合ったサイズ感」を意識して選ぶことが重要だ。本格的な寒さが到来する前に、機能もデザインも妥協しない「運命の一着」をスニダンで見つけてみては。