スニーカーカルチャーにおいて、「Chicago(シカゴ)」ほど特別な意味を持つカラーウェイは存在しないだろう。1985年、マイケル・ジョーダン氏がコートを席巻したあの鮮烈な「赤・白・黒」のカラーリング。それは単なる一足のバスケットボールシューズではなく、一つの伝説の始まりを告げる象徴だった。以来、その配色は幾度となく再解釈され、その度に世界中のスニーカーヘッズを熱狂させてきた。そして2025年11月15日、ファン待望のOG仕様ローカットモデル「Nike Air Jordan 1 Retro Low OG "Chicago" (2025)」が、その輝かしい歴史に新たな1ページを刻もうとしている。
なぜ我々は、30年以上が経過した今もなお、この「シカゴ」にこれほどまでに魅了され続けるのか?この記事では、シカゴカラー最新作の登場を機に、スニーカー史を揺るがした「シカゴ」の系譜を振り返る。「Lost & Found」が見せたヴィンテージへの執念、「Trophy Room」が込めた特別なストーリー、そして「UNION」が示した革新的な再構築。伝説の傑作たちと共に、その色褪せない魅力の核心に迫る。
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▼最新作「Nike Air Jordan 1 Retro Low OG "Chicago" (2025)」
2025年11月15日、スニーカーカルチャーの原点にして頂点であるAJ1「シカゴ」が、待望のローカットOG仕様で遂に登場する。このカラーがローカットでリリースされるのは、2016年以来、実に9年ぶり。「赤・白・黒」の聖なるコンビネーションは、1985年当時から色褪せることのない完成されたカラーブロックだ。
アッパーを彩る鮮烈なバーシティレッド、クリーンなホワイト、そして全体を引き締めるブラックのスウッシュとシューレース。その配色は、マイケル・ジョーダン氏がコートで見せた情熱と伝説の始まりを今に伝える。 特筆すべきはやはり「OG仕様」である点だ。ヒールタブのウイングロゴや、シュータンの「NIKE AIR」タグなど、オリジナルを忠実に再現したディテールがファンの所有欲を刺激する。ハイカットとは一線を画す、ローカットならではの軽快なスタイリングも本作の大きな魅力。シカゴカラーの歴史に新たな1ページを刻むこの一足は、往年のファンのみならず、新世代の心をも確実に掴むことになるだろう。
「Nike Air Jordan 1」"シカゴ"カラーの人気過去モデル
2022年11月にリリースされた「Lost & Found(ロスト&ファウンド/シカゴ)」は、単なる復刻版シカゴカラーの枠を超え、スニーカーカルチャー全体を巻き込む一大ムーブメントを巻き起こした。このモデルの最大の特徴は、その卓越したコンセプトにある。テーマは「もし1985年の初代エアジョーダン1が、何十年もの時を経て、埃っぽい倉庫の中から発見されたら」。そのストーリーを具現化するため、アッパーのレザーには意図的なひび割れクラック加工、アンクルパッドのレザーには経年変化による硬化と劣化を模した質感が施されている。さらに、ミッドソールは黄ばみを帯び、アウトソールには白く粉を吹いたようなブルーム加工が施されるなど、ヴィンテージ愛好家も唸るほどのこだわりが詰め込まれている。また、ダメージ加工が施されたスペシャルボックスや、当時の購入を再現したレシート風の包み紙も、このシューズが持つ物語性を強固にした。発売から数年が経過した今もなお、その独創的なアプローチと完成度の高さから、「シカゴ」史に残る傑作として語り継がれている。
2021年に登場したこの一足は、マイケル・ジョーダン氏の次男であるマーカス・ジョーダン氏が手掛けるスニーカーブティック「Trophy Room(トロフィールーム)」との限定コラボレーションモデル。一見するとクラシックなシカゴカラーだが、そのディテールには特別なストーリーが込められている。このモデルのインスピレーション源は、1985年のNBAオールスターゲーム、通称「フリーズアウト」事件。ルーキーであったジョーダン氏が、先輩プレイヤーたちから意図的にパスを回してもらえなかったという有名な逸話に基づき、アッパーには「凍った」ような光沢を持つフロステッド加工が施されている。さらに、ヒールサイドにはマイケル・ジョーダン氏のサインがプリントされているほか、内側には「Rumor has it...」という文字が刻まれ、当時のゴシップを表現。その希少性と、ジョーダン氏のキャリアにおける象徴的な瞬間を切り取ったデザインが融合し、コレクターズアイテムとして絶大な人気を誇る一足だ。
2018年にスニーカーシーンを震撼させた「UNION(ユニオン)」とエアジョーダン1の伝説的コラボレーションが、2025年2月に新たな姿でリリースされた。今作はAJ1のオリジナルカラーの中でも特に人気の高い2つの巨頭、「シカゴ」と「シャドウ」をドッキングするという、まさにファン垂涎の組み合わせを実現。アッパーのベースとオーバーレイには「シカゴ」の鮮やかなバーシティレッド、ホワイト、ブラックを採用しつつ、アンクル部分には「シャドウ」の落ち着いたグレーとブラックのパーツが継承されている。もちろん、前作を象徴するディテールも健在。異なるパーツを繋ぎ合わせる太く大胆なジグザグステッチ、ヴィンテージ感を演出する黄ばんだミッドソール、そしてサイドに縫い付けられた「UN/LA」のピスタグが、ユニオンのシグネイチャーとして独自の存在感を放っている。歴史的な2つのカラーウェイを尊重しながらも、大胆に再構築したこの一足は、2025年を代表するスニーカーのひとつとして名を馳せている。
その他、スニダンで取り扱い中の"シカゴ"カラーの人気モデル
他にも数多くの"シカゴ"カラーをまとった人気モデルが存在する。ここでは、過去にリリースされた人気モデルを一挙に紹介。
おわりに
原点回帰の最新作「Nike Air Jordan 1 Retro Low OG "Chicago" (2025)」から、スニーカー史に名を刻んだ数々の傑作たちまで、「シカゴ」カラーの系譜を巡ってきた。こうして振り返ると、「赤・白・黒」という配色は、単なるノスタルジックな復刻に留まっていないことがわかる。「Lost & Found」は"時間"という概念をデザインに落とし込み、「Trophy Room」は"家族の逸話"というパーソナルな物語を加え、そして「UNION」は"解体と再構築"という革新的な手法で、その可能性を拡張した。これら全てのモデルが示しているのは、1985年のオリジナルが持つ圧倒的なまでの引力と、そのデザインの普遍性。だからこそ我々スニーカーファンは、このカラーに何度でも熱狂させられるのだ。最新のローカットモデルは、その偉大な歴史に敬意を払いつつ、現代のストリートに最もフィットする形で「シカゴ」の魅力を再び私たちに提示してくれる。時代を超え、世代を超えて愛され続ける「シカゴ」。この伝説的なカラーウェイが、あなたの足元で、そしてスニーカーカルチャーの中心で、これからも新たな物語を紡いでいくことは間違いないだろう。
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