今さら聞けない「サカイ」の魅力とは？「ハイブリッド」が生み出す新たなスタンダードについて
世界のファッションシーンで確固たる地位を築く「sacai(サカイ)」。その根幹には、デザイナー阿部千登勢が掲げる「日常の上に成り立つデザイン」という哲学が存在する。ニットと布帛、相反する質感の素材を大胆に組み合わせる独自の「ハイブリッド」というアプローチは、ブランドの代名詞だ。クラシックなアイテムを解体し、再構築することで生まれる予測不能なフォルムは、前衛的でありながら普遍的な美しさを宿し、袖を通す者に常に新たな発見をもたらす。この記事では、サカイが築き上げてきた唯一無二の世界観と、その魅力の核心に迫る。
sacaiとは？
via：sacaiofficial
1999年、阿部千登勢によって設立された日本のファッションブランド「サカイ」。COMME des GARÇONS(コム デ ギャルソン)でニットのパタンナーとしてキャリアを積んだ経験を礎に、彼女は「日常の上に成り立つデザイン」をブランドの哲学として掲げている。
その哲学を具現化する手法が、サカイの代名詞でもある「ハイブリッド」だ。ニットに布帛、クラシックにストリートといった、一見すると相反する素材や要素を大胆に組み合わせ、再構築することで、これまでにない新たな価値を持つ衣服を創造している。
定番アイテムを解体し、ドッキングさせることで生まれるデザインは、まるで巧みなレイヤード(重ね着)のようでありながら、実際には計算され尽くした一着の衣服として成立している。これにより、動くたびに表情を変える、軽やかで独創的なシルエットが完成するのだ。既成概念を打ち破り、衣服の新たな可能性を問い続けるそのクリエーションは、世界的に高く評価されている。
ブランドの顔となるアイコニックなアイテムたち
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サカイのクリエーションは、ブランド哲学を色濃く反映した数々のアイコニックなアイテムによって象徴される。その筆頭に挙げられるのが、ブランドのシグネイチャーとも言えるドッキングデザインのMA-1ブルゾンだ。ミリタリー由来の無骨なナイロンツイルに、温かみのあるニットや上質なウールメルトンといった、全く異なる性質の素材を大胆に融合。無駄を削ぎ落としたフォルムの中にサカイの美学が凝縮されており、シーズンを超えて多様なバリエーションで展開される、まさにブランドの顔というべき一着だろう。
また、歩くたびに豊かな表情を見せるアシンメトリーなプリーツスカートも欠かせない。繊細なプリーツにハリのある素材やレースを組み合わせることで、エレガンスと革新性を両立させている。さらに、正面はベーシックなニットでありながら、背面をシャツ生地やキュプラで大胆に切り替えたカーディガンなども、サカイの真骨頂を示すアイテムとして広く認知されている。
ジャンルを越境する、革新的なコラボレーション
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サカイの創造性は、他ブランドとのコラボレーションによってさらに拡張される。ブランドの核である「ハイブリッド」の哲学は、異分野のオーセンティックなブランドと融合することで予測不能な化学反応を生み、ファッションシーンに常に新たな衝撃を与え続けている。
その象徴が、「Nike(ナイキ)」との協業だ。二重のシュータンやスウッシュ、重ね合わせたミッドソールといった前代未聞のデザインでクラシックスニーカーを再構築した「LDWaffle(LDワッフル)」や「VaporWaffle(ヴェイパーワッフル)」は、ストリートシーンを席巻。藤原ヒロシが主宰する「Fragment Design(フラグメントデザイン)」を加えたトリプルコラボレーションも展開するなど、社会現象ともいえる人気を博した。
また、「Levi’s®(リーバイス)」とのコラボレーションでは、トラッカージャケットとサカイのMA-1ブルゾンといった互いのアイコンをドッキングさせ、ワークウエアの新たな可能性を提示。「The North Face(ザ ノース フェイス)」とはアウトドアの機能性を、「Carhartt WIP(カーハート WIP)」とはワークの堅牢性を、「PORTER(ポーター)」とはバッグの実用性を取り込み、サカイならではのデザインへと昇華させてきた。 さらにその影響力は、ハイファッションの世界にも及んでおり、「Moncler(モンクレール)」との実験的なダウンウエアや、「Dior(ディオール)」とのメンズカプセルコレクションなども発表。ジャンルの垣根を軽やかに越境するクリエーションは、サカイの地位を不動のものとしている。
おわりに
スタンダードなアイテムを知り尽くした上で、それを大胆に裏切るサカイの「ハイブリッド」なクリエーション。その根底には「日常の上に成り立つデザイン」という一貫した哲学があり、見慣れた衣服に潜む意外性と調和は、袖を通す者に発見の喜びを与え、日常をより豊かに彩る。その独創的な探求は、これからも衣服の新たな可能性を切り拓いていくだろう。
しかし、アイテムによっては品切れ状態が続き、入手が難しい場合も...。そんなときは、二次流通サービスを活用するのもひとつの手だ。スニダンでは、希少なコラボアイテムからマニアックなモデルまで幅広く取り揃えているので、自分だけの特別な一品を見つけてみてはいかがだろうか。
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