「デザイナーの熱量を感じられる服はテンションが上がる」CONCEPT SHOP WTSがオススメする、珠玉のアーカイブ3選について
スニダン初のユーズドイベント「USED FASHION MARKET」が、2025年2月22日からオンラインとフラッグシップストアで開催される。このイベントの開催を記念し、スニダンメディアでは今回出店する3ショップにインタビューを敢行。第2弾は、ファッション&カルチャーマガジン「WTS」を母体に、世界中から厳選した希少なスニーカー、アーカイブ、アクセサリーなどを取り扱う千駄ヶ谷のセレクトショップ「CONCEPT SHOP WTS」のストアマネージャーである湯原正太氏。CONCEPT SHOP WTSの成り立ちや、2000年代前後のアーカイブの魅力、今回出品するおすすめのユーズドアイテムについて話を伺った。
プロフィール
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湯原正太 / Concept Shop WTS ストアマネージャー
Instagram:@conceptshop_wts
1987年生まれ、茨城県出身。2年前にファッション&カルチャーマガジン「WTS」を母体にしたショップ「CONCEPT SHOP WTS」をオープンし、ストアマネージャーを務める。
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自分たちが好きだったものを"そのまま取り扱って"提案していきたい
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ーはじめに、WTSについて教えてください。
WTSはちょうど10年くらい前に、中学の頃からの友人の長谷川が始めたメディアからスタートしています。メディアでは当時からスピード感を意識していました。そのおかげか海外メディアなどでフックアップされて、メディアとしての知名度も上がっていって。当時、長谷川はアメリカに住んでいたので、メディアをやりつつ、アメリカで洋服やスニーカーを仕入れててもらって、僕が国内のECサイトで売るということを始めました。
ー10年前だとメディア発信のショップというのは珍しかったですよね。
メディアではさまざまなブランドの情報を発信していたので、それを反映したお店をやりたかったんです。スニーカーから、ストリートブランド、デザイナーズ、ラグジュアリーブランドまで、あえて幅広いブランドを提案するお店です。
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ーそして、今では千駄ヶ谷に実店舗である「CONCEPT SHOP WTS」をオープンされています。お店ではどのようなアイテムをセレクトしているんですか?
僕らがファッションに興味を持った、2000年前後くらいのアーカイブが中心です。僕達のフィルターを通して、本当に良いと思ったものを置きたかったから、そのときに僕らが好きだったものをそのまま取り扱いしているって感じなんですよね。やっぱり、販売するなら僕らが好きなものをお客様に提案しないと説得力がないなと。だから、逆に90年代頭とかは通っていないので、そこまで取り扱いはないです。あったとしてもそこを通った人のお話を聞いてちゃんと学んだ上で接客するようにしています。
ー2000年代前半はストリート、デザイナーズ問わずファッションシーン全体に勢いがありましたよね。
そうですね。2000年代前半はアンダーカバーやナンバーナインはもちろん、エディ・スリマンがディオールオムのデザイナーに就任したり、ラフ・シモンズも人気が出てきたりと、世界中のいろんなブランドが盛り上がっていた。「これから世界に出ていくぞ」と勢いづいていて、転換期を迎えたブランドが多かったですよね。
ー湯原さん自身は当時どういったものに影響を受けましたか?
僕らの世代は完全に雑誌ですね。ストリートスナップ誌の『TUNE』や、美容師さんにフォーカスした『CHOKi CHOKi』にすごく影響を受けています。そこで流行っていたのが"古着ミックス"。古着を取り入れつつ、ラグジュアリーブランドも着たり。あの頃って良い意味でフラットなんですよね。着る側もストリート、デザイナーズの垣根がなかったので、ある意味どのジャンルでもいけるというか。何でもありでしたね(笑)。
デザイナーの熱量を感じられる服は身につけるだけでもテンションが上がる
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ー今回「USED FASHION MARKET」に参加されることになったきっかけは何だったんでしょうか?
単純にスニダンさんには個人的にお世話になっていたので、まずそこの垣根は全くなかったです(笑)。あとはスニダンさんも今後、ユーズド市場に力を入れたいという話だったのでぜひ一緒にご協力して、盛り上げていければと思いました。
ースニダンのユーザーに2000年代前後のアーカイブの魅力を伝えるなら?
この時期はみんなが知っているブランドでも、デザイナーさんが若い。だから、一点一点のアイテムが放つパワーがすごいんです。例えば袖を折ったときの、中のディテールがめちゃくちゃこだわっていたりとか。本当にいちいち作りが細かいんですよ。そういうデザイナーさんの熱量を感じられる服は身につけるだけでもテンションが上がる。それって自己満ですけど服を着る上ですごく重要だと思います。
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ーはじめてこの時代の服に興味を持った人に特に注目してほしいブランドを教えてください。
ブランドでいうと皆さん知っていると思うんですけど、ラフ・シモンズの 2001〜2006年くらいのアイテムは未だに人気ですし、やっぱり今見てもかっこいいですよね。あの年代のラフ・シモンズのクリエイションは素晴らしいです。当時はディオールオムのスキニーパンツが一大ムーブメントになっていたんですけど、同時期にラフ・シモンズのオーバーサイズも流行った時期で。この数年のストリートブームに比例するように、当時のラフ・シモンズのオーバーサイズがミックスされたのも、アーカイブが高騰した一つの要因だと思います。
ー余談ですが、WTS的には今後どんなアーカイブが流行ると思いますか?
今流行っているものって、2000年頭くらいのアーカイブじゃないですか?単純に時代の流れでいったら、今後は2010年のものがネクストヴィンテージ、アーカイブとして評価されるようになるのかなと。例えば、ラグジュアリーストリートを築いたリカルド・ティッシのジバンシー、ゴーシャ・ラブチンスキー、亡くなってしまいましたがヴァージル・アブローが手掛けていた初期のオフホワイトやパイレックス ヴィジョン、デムナの初期のヴェトモンなどは、今でも高いですが、もっとフォーカスされるんじゃないかなと思います。
ーたしかに言われてみると、そのあたりのブランドの評価はどんどん上がっていきそうですね。最後にWTSの今後の展開について教えてください。
今年は毎月ポップアップをやっていきたいなと思っています。今回のスニダンさんのイベントみたいに僕らが出たり、その逆でうちのお店でポップアップをやったり、行動範囲を広げていきたい。もちろん拠点はWTSなんですが、いろんなイベントに顔を出せたら良いなと思っています。
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USED FASHION MARKETで買える、おすすめのアーカイブアイテム3選
H&M x MAISON MARTIN MARGIELA 2012 INSIDEOUT DENIM JACKET
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2012年にメゾン・マルタン・マルジェラとH&Mとのコラボコレクションから登場したインサイド・アウトのデニムジャケットです。今でこそUNIQLOやH&Mなどとブランドのコラボレーションは当たり前になりましたが、2012年はまだまだ全然少なくて。その中で「あのマルジェラとH&Mがやるんだ」と、当時すごく話題になりました。生産背景はH&Mなので、マルジェラでは考えられないような値段だった。でも、クオリティはすごく良い。インサイド・アウト、内側のものを外に出したデザインは、マルジェラが何年も前からやっている手法の一つなんですが、それがH&Mの企画でもしっかりとやれているのは改めてすごいなと思います。
商品ページはこちらSUPREME 2012SS CEREMIC TRAY "RED"
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2012年にリリースされたSupremeのトレイ。これはHermesが2009年くらいに出したトレイをサンプリングしたものです。ほとんどHermesのデザインで、ロゴだけSupremeみたいな。Hermesがソースというのも面白いし、これってSupremeだからこそできるものなんですよね。普通のブランドがやったらアウトだけど、ストリートブランドだからこそ、暗黙の了解で許されているというのが面白いなって。
商品ページはこちらKAWS x STUSSY 00s WORLD TOUR T-SHIRT
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Stussyが2000年頭にリリースした、グラフィック・アーティストKAWSとのコラボレーションTシャツです。Stussyが創業当初から定番で出しているワールドツアーTシャツのデザインをKAWSが手掛けた一枚で、KAWSの✘が要所要所にあったり、フォントもKAWSのフォントだったり。すごくおすすめしたいアイテムです。
商品ページはこちらShop Information
CONCEPT SHOP WTS
住所:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前2丁目22-2 FOLD BLD 1F
営業時間:12:00〜20:00
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