フリマアプリで蔓延するアパレルのフェイク出品。巧妙化するフェイク業者の手口と対策方法とは?について
近年フリマアプリでアパレルアイテムのフェイク出品が急増している。例えば、特定のファッションブランドに限ると出品されているほとんどのアイテムがフェイクだった、ということもあるようだ。フェイク業者の手口も巧みになっており、いちユーザーが購入前に見抜くことは難しい。
そこで今回はアパレルアイテムのフェイク事情に詳しいスニダンのストリートウェア鑑定士である中村渉氏に、フリマアプリでのフェイクの現状や、フェイクを見抜く秘訣などを教えてもらった。
今回の鑑定士
ストリートウェア鑑定士
中村 渉さん
役職:CX部門 鑑定部 SV
アパレル業界での買取査定・鑑定歴:10年以上
好きなブランド:Porter Classic、Paul Harnden、DESCENDANT、MOUT RECON TAILOR、visvim、Tilak
フリマアプリでのフェイク被害の実情とは
ー今回フリマアプリでのフェイク市場に詳しい鑑定士の中村さんにいろいろと話をお伺いしたいと思います。さっそくですが、最近フリマアプリでフェイクが蔓延しているというのは本当でしょうか?
フリマアプリでのフェイク出品は昔からありましたが、最近ではそのフェイク出品の数が急増しています。3〜4年前以上ならフェイクがあると言っても、Supreme(シュプリーム)やA BATHING APE(ア・ベイシング・エイプ)など人気のストリートブランドくらいの話だったのが、今はどんなブランドでもフェイク出品があるというのが実情です。
ー例えば、今はどんなブランドのフェイクが増えていますか?
最近はSAINT Mxxxxxx(セントマイケル)、HUMAN MADE(ヒューマンメイド)、ARC'TERYX(アークテリクス)のフェイクの流通が増えている印象です。また、ENNOY(エンノイ)、DAIWA PIER39(ダイワピア39)、SEE SEE(シーシー)、CMFなど、ストリートブランドとは少し違う層のブランドに関しても、フェイクが増えています。
ブランドのシグネイチャーアイテムが刺繍やプリントだから作りやすくてフェイクが多いとかではなく、売れるか売れないかの基準でフェイクは作られているんです。だから、SAINT Mxxxxxxやvisvim(ビズビム)など、手の込んだブランドの服でも、割とクオリティの高いフェイクが出回っています。
ーストリートブランドだけに限らず、売れているファッションブランドにはフェイクがあるというような状況なんですね。
例えば、いま某フリマサイトで「ENNOY」と調べましたが、TOPページに掲載されている商品はほとんどフェイクです。ブランドによってはフェイクしか売ってないこともありますね。ちなみにENNOYは元々フェイクが出やすいのでは、と思ってずっとウォッチしていたのですが、最初はなかなか出なかったんです。ただ、一度フェイクの出品を見かけたら、そのまま一気に大量のフェイクが出回りました。
ー新しいブランドや新商品でもフェイクはあるのでしょうか?
今は公式の販売から、フェイクが作られて流通するまでの期間がどんどん短くなっています。平均すると発売後2週間くらいでフェイクが出始めますね。早ければ発売前から出ている場合もあります。
巧妙化するフェイク業者の手口
ーそれらのフェイクはどのように売られているのでしょうか?
最近では、フェイクを販売している人たちの特徴として「並行輸入」というキーワードを使っていることが多いです。私が前職で日本流通自主管理協会(AACD)の協会基準判定士の資格を取得する際に学んだ言葉になりますが、「並行輸入」の定義は、商標権者と直接契約関係のない第三者が真正商品(本物)を輸入する行為になります。本来は流通ルートは違えど商品自体が本物で同じ商品なら国内、海外で違いはありません。
ただ、最近フリマサイトでは「並行輸入=偽物」というのが定説化してきているんです。フェイクを販売している人たちが「国内の商品とは少し違うところがあります」というニュアンスで「並行輸入」というキーワードを使用しているんですよね。例えば、Supremeを買ったとして、「日本のSupremeとちょっと違うんだけど」って聞いても「並行輸入だから仕様が少し違うんです」って返されるんです。フェイクに詳しくない人だったら、その一言で騙されてしまう場合もあると思います。
ー他にはどのような手口がありますか?
出品する際に、一枚目は公式の画像を使用し、2〜3枚目に実物を載せるというパターンが多いのですが、タグなど分かりやすいところ(鑑定しやすいポイント)は写していないことがあります。画像だけではフェイクだと判断できないようにしているんです。
他には、あえてプレ値で出品し、本物と思い込ませるというパターンもあります。例えば、定価1万円のアイテムで相場1.5万円だったら、それよりも少し高く設定して1.7万円で出品するとかですね。以前は相場よりも低い価格設定をしていることが多かったのですが、最近は相場より低いのはフェイクだという認識が広がってきたので、あえて相場に近い価格設定をしているんです。それを見るとユーザー心理としては「安くないし、本物だろう」と思ってしまうので、以前よりも知識がない人がフェイクを見抜くのは難しくなっています。ちなみに、そういう手口を使う業者は、visvimやACRONYM、KAPITALなど元々価格が高いブランドのフェイクを出品している場合が多いですね。まず新品が定価以下で出品されることはないブランドたちなので、ちょっと高値で出すと本物っぽく見えるんです。
あと、定価付近から定価以下で出品していて全カラー・全サイズを揃えている、発送地が大阪か福岡で発送期限が4日以上と記載してあるなど。発送地については、フリマアプリでは注文が入ってから中国、韓国から直便で大阪、福岡に発送されるということが多いんです。ただ、今は転送便などを使って上手く出品地域を誤魔化している場合もありますね。ただ送られてた伝票とかを見ると結局大阪から届いていることもあるのですが。
ーフェイクを出品する人たちの手口や傾向があるのですね。これらを運営側で取り締まることは難しいのでしょうか?
毎日フリマアプリをチェックしていると、フェイクを出品しているアカウントは度々削除されています。ただ、すぐに違うアカウントを作り直し、再出品しているのでフェイクの量は減っていないんですよね。対応はしているが、フェイク業者が多すぎて追いついていない、いたちごっこになっているというのが実情だと思います。
ー実際フリマアプリで出品されているフェイクを見抜くことはできるのでしょうか?
例えば、出品ページで、その出品者が何を出品しているのかを見ることで、ある程度は判断できます。明らかにハイブランドの新品を安い値段で出しているとかですね。ただ、先ほどお伝えした通り、最近はあえて高く価格設定していることもありますし、そもそもクオリティの高いフェイクもあるため、基本的には購入者が初見で見抜くのは難しいと思います。一般的には買ったあとにスニダンなど二次流通系のお店に買い取りに持っていって断られて、フェイクだったと気づくことが多いのではないのでしょうか。
フェイクを見抜く、スニダンの鑑定方法
ーでは、プロの鑑定士が揃うスニダンではどうやって鑑定を行っているのでしょうか?
まず、体制の話からすると、スニダンのストリートウェア鑑定士は基本的に全員が二次流通業界出身です。全員ブランドに精通しており、例えばSupremeを長年見ていたという人が実際にSupremeの真贋鑑定を行っています。また、スニダン独自の真贋鑑定のデータベースがあるので、その資料でポイントを確認しながら鑑定を行っていますね。
ー肉眼で見るだけではフェイクと見抜けないようなクオリティの高いものもあるかと思いますが、そういった場合はどのように鑑定を行っているのですか?
主に使用している機材は、ブラックライト、高精細デジタル顕微鏡、赤外線カメラです。これらを使用しながら、真贋鑑定のポイントをさらに細かく見ていきます。
鑑定方法①「ブラックライト」
まずはブラックライトです。どこの会社も使っているものだと思いますが、ブラックライトは主にブランド側が偽造防止で採用している特殊インクの確認や、プリント部分、縫製糸などの反応をチェックするのに使用しています。
New Era(ニューエラ)、Stussy(ステューシー)、Essentials(エッセンシャルズ)など、ブランドによってブラックライトで反応する箇所があるので、そこは必須の真贋ポイントになります。また真贋ポイントだけでなく、皮脂汚れなどもブラックライトで見ることができます。例えば、新品取引なのに中古だった場合などはブラックライトをあてるとわかります。
鑑定方法②「高精細デジタル顕微鏡」
次に、高精細デジタル顕微鏡です。普段は10倍のルーペを使用しているんですが、それだと確認しづらいような部分は高精細デジタル顕微鏡を使っています。
例えば、この画像のノースフェイスのホログラムは割とクオリティが低いフェイクですが、3枚目の画像のポイントは肉眼だとまず見えません。しかし、高精細デジタル顕微鏡を使用すると200倍まで拡大できるので確認してみることができます。
また、生地の編み方の違いなども高精細デジタル顕微鏡があれば見ることができます。ブランドによっては隠しで文字などを入れていることもありますね。3枚目の画像のSAINT Mxxxxxxはまさにそれで、REALはテープに文字が隠されています。
鑑定方法③「赤外線カメラ」
スニダンでは赤外線カメラでの鑑定も導入しています。ブラックライトは他でも使用されている場合が多いですが、赤外線カメラを使用しての鑑定は珍しいと思います。元々、赤外線カメラは筆跡鑑定や文化財の鑑定で使用されています。文字が消えているが赤外線カメラで見ると元々書いてあった文字が見える、とかそういう使い方をしているんです。それを鑑定に活かせないかと試行錯誤し、スニダンでは使えるという判断をしました。
例えば、何かに印字されているラベルがあるとして、それを赤外線カメラで見ると黒い文字が消えるんです。ただ、一方で消えないタイプも存在する。だから、正規品のラベルが赤外線カメラを通すと消える場合、もし消えないものがあったらフェイクだという判断ができます。
目視では同じ色に見えますが、赤外線カメラを使用するとインクや染料違いがわかります。このザ・ノース・フェイスのネームタグだと元々真っ黒なのに赤外線カメラを当てると白くなる。でも、フェイクは黒いままなんですよね。このような形でフェイクがどうかを鑑定することができます。顔料や染料など原料まで、本物に似せられないところがあるので、そこで違いが出ますね。
フェイクを購入しないためには
ー鑑定のお話を聞く限り、やはりフェイクを見抜くのは難しく、プロの目を通さないとフェイクを買ってしまう可能性があるということですよね。最近のフェイク増加の傾向を汲んでか、一部フリマアプリで鑑定サービスが始まっていますね。
一部鑑定付きのサービスが始まっているところは増えていますね。但し、あくまで一部で鑑定対象ブランドはまだまだ少ないのが実情です。また、フリマアプリによっては、鑑定サービスは出品者がそのオプションを選ばなければ、購入者は鑑定を受けられないというところもあります。フェイク業者が鑑定サービスを使用することはないので、実際は意味がないんですよね。
ーでは二次流通でフェイクを買わないためにはどうしたらいいでしょうか?
画像や肉眼ではフェイクだと見抜くことができないものが流通しているため、全品鑑定しているサイトを利用するのがおすすめです。先ほどもお話ししましたが、スニダンでは取り扱い商品の全てが鑑定対象であり、二次流通出身の鑑定士たちが最新のデータベース、技術で真贋鑑定を行っているので、安心してご利用いただければと思います。
おわりに
今回、現役のストリートウェア鑑定士にインタビューし、フリマアプリでのフェイクの現状や、フェイクを見抜く鑑定方法について知ることができた。フリマアプリを利用する場合は、フェイクを買ってしまわないために日ごろからトラブルに対する意識を高めるだけでなく、『真贋鑑定』をしているサービスで購入するのがいいだろう。 FAKE被害、トラブルに遭わないために、ぜひ鑑定サービスがあるスニダンを利用してほしい。
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