スニーカー好きにもハマる古着は町田にあった!古着屋「danjil」に聞く、スニーカーと相性が良い服とは?について
古着とスニーカー。何となく“相性が良い”というイメージはあるが、実は多くの古着屋で提案されている古着はConverse(コンバース)やVans(ヴァンズ)などのローテクスニーカーと相性が良いものは多くとも、Jordan(ジョーダン)シリーズなどのボリュームがあるスニーカーと相性が良いものは少ない。そんな中、町田にある古着屋「danjil(ダンジル)」は90’sをテーマに、スニーカー好きにもハマる古着を提案している。今回はdanjilのディレクター Koji氏にインタビューし、お店のことや、スニーカーと相性の良い古着を紹介してもらった。

danjil(ダンジル)
80's〜90'sのアメリカンカルチャーにまつわる古着を中心にラインナップする、町田の古着屋。2023年7月で立ち上げから20年を迎える。近年は古着だけでなく、COTTON PANや、ACRONYM、bagjackなど新品ブランドの取り扱いも。一度聞くと耳から離れない店名の由来は「男の汗」。
一つのジャンルが“ワッと”ある古着屋がやりたかった

─まずはお店を始めたきっかけを教えてください。
danjilを始める前は町田の古着屋で働いてたんです。そこではアウトドア古着とスケートの新品をやってたんですけど、徐々に比重が新品に寄っていったので、そこから自分のお店を始めることを考えました。そこで働いてたときに思ったんですけど、町田って古着のレベルが高いんですよ。でも、同じ古着の街と言われる高円寺とは違うバイブスがあって、色もついてない。だから、ここなら変なことやれるなって思ったんですよね(笑)

─danjilはオープン当初から90’sをテーマにしていますよね。
90’sのスケート文化と音楽がずっと好きなんですよね。ラップ、メロコア、ハードコアとか、その頃のクロスオーバーしてるところがユースカルチャーの根源という感じがして好きなんです。身近にあるものをうまく使ってるというか。
例えば、スケートブランドをバンドマンやラッパーが着るって、自分だと普通の感覚なんですけど、今の子って「僕スケーターじゃないんで着ないです」とか言うんですよ。90’sはそれができる面白い時代だったんだなって思いますね。発信者がそれを壊してくれた、あの感覚が好きっすかね。

─既存のルールは無視していいけど、自分のルールの中で組み立てるみたいな感じですよね。でも、オープン当初は90'sに特化したお店は珍しかったんじゃないですか?
当時は年代もまばらに40〜90年代までやってる中で、ちょっと90’sも置いてるみたいなところが多かったですね。それに90’sと言っても、ほとんどStussy(ステューシー)。だから、自分はストリートブランドじゃなくて、スケートブランドとかに特化した感じというか。ビースティーボーイズが着ているような服装をメインにやりたかったんですよね。常にChampion(チャンピオン)と501があって、みたいな。

あと、自分らの好きなものがワッとある感じにしたかったんです。レコ屋だと同じようなジャンルがワッとある専門店は多かったんですけど、古着屋は年代もまばらに40〜90年代までやってるお店が多かったんですよ。だから、danjilではそこをタイトに絞って、そのジャンルが“めちゃくちゃある”みたいなことがやりたかったんですね。
あの頃の古着に“新品をさす感じ”

ー最近は古着だけでなく、新品も取り扱いされていますよね。
今は90年代のものを扱っている人が増えたし、自分が思う90’sと流行っているものも違うようになってきたんですよね。自分はあのときの“新品をさす感じ”が好きだったから、それをもっと表現したいなって。まさに藤原ヒロシさんとかがそうですよね。ヴィンテージのデニムにGOODENOUGH(グッドイナフ)とかを着てる、あの感じが良くて。

ーそこで取り扱い始めたのが「ACRONYM」というのが面白いです(笑)
リーコンとかが好きなんですけど、古いのだと壊れてたり、加水分解が激しかったりでダメなんですよね。それでアクロニウムは普段から着てたし、着こなしの幅の自由度が高いのでそれを入れ込みたいなって。前からずっとやりたかったんですけど、それがコロナのタイミングでちょうど始められることになって。
ちょうどそのときに、自分がやってるcottonpan(コットンパン)をTシャツレーベルみたいなものからちゃんとブランド化しようってときくらいだったので、タイミング良かったですね。

ーそして、スニーカーのラインナップも良いですよね。
うちは多分変わってますね。元々、加水分解があるからスニーカーはジャンル的に弱いんですよ。でも、自分には頭から先まで全部同じ年代で履きたいって欲求があって、以前は古いのも履いてたんですけど、出先で壊れて靴を買わなきゃいけないみたいなことがよくあって…。
ー僕もデッドストックのスニーカーをおろしたら、アッパーがどんどん剥がれていった苦い思い出があります…。
ただ、今は直せるスニーカーリペアさんも増えたんですよね。だからコレクターさんから壊れてるのを買ったりして、全部直してドカっと置くようにしました。今はBADLANDER(バッドランダー)とZoom Air URL(エアズームURL)ですね。バッドランダーはトルション全部交換しちゃってます。古いものだから立て付けがあんまり良くなくて、全部縫い直したりしなきゃいけないんで、履けるようにしちゃうとやっぱり値段も高くなっちゃうんですけどね。


こういうスニーカーは、それこそスニダンで買ってるような人たちが見に来てくれてますね。20代ってその場のノリで買ってるところもあると思うんですけど、30〜40代は良い時代を求めるというか、自分の青春期を買い直したいって人が多い。持ってるけど「改めて見ると意外と汚れてて…キレイな状態で欲しい」みたいな。スニーカー道に入ってる30〜40代は面白いですよ(笑)
danjilが選ぶ、スニーカーと相性の良いアイテム5選
1. cottonpan / ボーダーカットソー
─ここからはスニダンで人気のあるAF1やAJなどとのスニーカーと相性の良い服についてお聞きしたいです。danjilで取り扱っているアイテムの中から何点かご紹介していただけますか?
まずはcottonpanのボーダーカットソーですね。なんてことないカットソーなんですけど、手捺染で刷ってるんです。普通の既製品で、手捺染でこの色ってなかなかないんですよ。それでいて柔らかい天竺を使ってるから着心地も良い。

─手捺染は手ぬぐいなどで使われる、手作業で1色ずつ丁寧に染色する方法ですよね。これはそれに加えて、カラーリングも良いです。
オリジナルの色味で、これは自分の好きなSBカラーです(笑)。ピスタチオカラーに茶箱のイメージで作ったので、これはスニーカーとも相性良いかなと。サイズは身幅広めで、ざっくり着られる感じにしています。太いパンツにサクッと着ると良いかな。
2. Carhartt / アクティブジャケット
─お次はCarhartt(カーハート)のアクティブジャケットですね。
2000年初頭のアクティブジャケットのTALLサイズです。この時期は生地の問題なのかアメリカ製の方がもっとリアルツリーがはっきりしちゃうんですけど、メキシコ製の方がにごってて個人的に好きです。あと、中にシンサレート入るやつよりメッシュタイプの方がフードのノリが良くて、着るとフードがすごいちっちゃいのがいい(笑)
─リアルツリーで裏地がメッシュのアクティブジャケットは、春のアウターにもよさそうです。
そこまで厚手でもないから季節もあまり問わないし、春だと派手な色をインナーに入れてショーツや7分くらいのパンツに合わせるとB BOYっぽくて良いなって。スニーカーはフォース1でもいいし、SBダンクはもっといいし、バッドランダーやACGのフマラなんかも相性良い。カーハート自体があまりナイキのイメージがないので逆に合わせやすいかなと。3.Champion / リバースウィーブ 2XL(90’s)
─定番のリバースウィーブですが、これはサイズが大きいですよね?
これはアメリカ製の2XLなんですけど、今は出てくるのはXLまでで、この大きさあまり出てこないんですよ。黒のリバースはオープン当初からずっとやってるんですけど、これは黒の染色が悪いのがまた良いんですよね。

─その染色の悪さがファッション的には逆に良いと。確かにこれくらい褪せてた方が着やすいですよね。
この時期は黒の染色が悪くて、デッドストックでも2回くらい洗うとこんな感じの色になっちゃうんですよ(笑)。あと、アメリカ製は着るとウエストがたるんでボンって感じのシルエットになるんですよね。球体からのちょっと足が出て、スニーカーがあるみたいな。グラフとかであるようなシルエットになるのが好きです。
4.Carhartt / ダックパンツ(シングル)
─カーハートのダックパンツですが、これはダブルニーではなくシングルですよね?
シングルはあまり日本では馴染みないんですけど、個人的にはずっと好きです。まあ2年くらい前まではダブルニーしか履かないって言ってたんですけど、今ダブルニーの人気すごすぎるんで(笑)。ダブルニーじゃないこと以外は、シルエットも仕様もほぼ変わらないですね。履いたときの見え方はちょっと普通のストレートレッグに見えちゃうかもですけど。

─人気すぎるからあえて少しハズす感覚は分かります。このダックの茶色もいいですよね。
大人はものを知ってるよって見せ方ですね(笑)。ダブルニーだと黒を選ぶ人も多いんですけど、この抜け出した茶色も余白があって良いなって。これは普通に履いて、ハイカット合わせたら良いなって。ジョーダン3、ジョーダン4なんかでもいいし、バッドランダーに裾をちょっと乗っけても履きたいですね。
5.FUBU / デニムパンツ
─FUBU(フブ)のデニムは懐かしすぎます(笑)
うちらからはB BOYブランドって感じなんですけど、今はブランドを知らない子が増えてるんで、垣根をとっぱらってスケシューを合わせたりしている子が増えてるんですよね。無地T一枚で主張できるパンツだし、結構ディテールがふざけてていいんですよね。片面のカーゴで、もう片方はペインターとアシンメトリーなんですよね。

─確かにこの頃のデザインは改めて見ると面白いですよね。
この頃のB BOYブランドは今デザイナーズ顔負けくらいのパターンワークですね。これもまさにスニーカーに乗っけてはきたいんですよ。当時だったらティンバーとかのブーツが多かったんだろうけど、20年くらい経った今はスニーカーで良いかなっていう提案をしてます(笑)
─(笑)今回はいろいろ教えていただき、ありがとうございました!
Shop Info

danjil
住所:〒194-0013 東京都町田市原町田6-24-17町田ムセンビル101
電話番号:042-720-8703
営業時間:12:00〜20:00
website:https://danjil.theshop.jp/
Instagram:@danjil2
COTTON PAN Solo Exhibition
< ちょっとだけストレンジャー展 >
5月9日(火)からBETA TOKYOにて、COTTON PANの記念すべき第一回の個展< ちょっとだけストレンジャー展 >が開催!今回の個展では、いち早く23AWの新作コレクションをチェックできるだけでなく、COTTON PANデザイナーでイラストレーターとして活躍中のワタナベヒカリの作品展も合わせて開催される。宅刷りアートがどのように生まれるか…気になる方はぜひ個展に足を運んでみよう。
日程:2023年5月9日(火) - 5月12日(金) 17:00 - 19:00
場所:BETA TOKYO
〒107-0052 東京都港区赤坂7丁目5-27 赤坂パインクレスト
instagram : https://www.instagram.com/beta_tokyo
※メトロ (銀座線 / 半蔵門線 / 大江戸線) 青山一丁目駅から徒歩10分程
※メトロ (千代田線) 乃木坂駅から徒歩10分程
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