2020年代前後のブームを経て、一つのジャンルとして定着した"シティボーイ"スタイル。その成熟とともに、独自の立ち位置を確立した「ENNOY(エンノイ)」と、「DAIWA PIER39(ダイワ ピア39)」は、ブーム後も変わらぬ支持を得ている。本稿では、なぜこれら2ブランドが移り変わりの激しい市場で支持され続けるのか。その本質と、今改めてチェックすべき名アイテムを見ていこう。
ENNOYとDAIWA PIER39が提案する"控えめな贅沢"
via:ennoy_com
かつて"シティボーイ"というスタイルは、特定のメディアが提案するユニフォームのような側面が強かった。しかし現在、エンノイやダイワ ピア39が評価されている理由は日常での使い勝手の良さや、さまざまな服に馴染む控えめなデザインにある。
2019年に始動したエンノイは、"大人が着られる上質な日常着"をテーマに、ストリートともラグジュアリーとも異なる独自の立ち位置を築いてきた。その魅力の核は、単なるオーバーサイズではない計算されたシルエットや、素材への徹底したこだわりにある。主張しすぎないロゴや細部に至る完成度が袖を通した時の満足感を生み、多くのリピーターを惹きつけている。
一方のダイワ ピア39は、フィッシングシーンで培われた多機能なポケットワークやゴアテックス等の素材を、都会的なシルエットに落とし込んだブランドだ。かつてのように全身を同ブランドで固める熱狂的なスタイルは落ち着き、現在はその高い機能美を日常に馴染ませる、より自然な評価へとシフトしている。タフな実用性とファッション性を両立させた完成度が、安定した支持を支える大きな要因となっている。
二次流通でも選ばれ続けるタイムレスなアーカイブ
一時期はいずれのアイテムも即完売・即プレ値となっていたが、現在は長く着られる定番品に需要が集中。スニダンにおける取引データを見ると、エンノイの"スウェット"や"シャカシャカ(ナイロンセットアップ)"、ダイワ ピア39の"テックミルジャケット"といった代表作は、依然として高いリセールバリューを維持している。
ジャンルを横断する、現代的なミックススタイルの楽しみ方
セットアップでの着こなしが定番として定着した今、2026年は異なるジャンルのブランドを織り交ぜた、より自由なスタイリングに注目したい。
例えば、ダイワピア39の無骨なシェルジャケットに「AURALEE(オーラリー)」などの繊細なウールスラックスを合わせ、機能性と上品なテクスチャーを共存させる。あるいは、エンノイのナイロンパンツに「nanamica(ナナミカ)」のゴアテックスコートや「Maison Margiela(メゾン マルジェラ)」のトレンチを無造作に羽織るといった、テック/トラッド/モードの境界をぼかすアプローチは、今の空気感に馴染みがいい。こうした異素材やシルエットのコントラストを自分らしく楽しむスタイルにこそ、ブームを経て成熟した現代の面白さが詰まっている。
おわりに
"シティボーイ"という言葉が消費し尽くされた後、残ったのは「生活に寄り添う高い機能性」と「袖を通した時の高揚感」だった。スニダンでこれらのアーカイブを探す際は、単にプレ値がついているからではなく、自分のクローゼットにある服とどう馴染むかを想像してみてほしい。一時のブームが去った今、本当に価値のある一着を納得のいく価格で探してみてはいかがだろうか。