アメカジやストリートスタイルにおいて、ワークジャケットは普遍的な定番としての地位を確立している。中でも「Carhartt(カーハート)」のデトロイトジャケットは、実用的な作業着としての出自を持ちながら、長きにわたりカルチャーと深く結びついてきたモデルだ。本稿ではその歩みを紐解きながら、現代のファッションシーンで改めて支持される理由を整理していく。
デトロイトジャケットとは
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1954年に自動車産業で栄えたデトロイトの工業地帯にて誕生。当時、過酷な労働環境に耐えうる作業着への需要は極めて高く、カーハートはそれに応えるべく、一切の無駄を省いた設計を世に送り出した。
設計の根幹を貫くのは作業効率を徹底的に突き詰めた合理性であり、重機の操作を妨げないショート丈や摩擦に強い12オンスのダック地といった仕様に反映されている。さらに、可動域を広げる背面のアクションプリーツや強固なトリプルステッチなど、現場が求めるスペックが細部にまで余さず凝縮されている。
なぜ今、デトロイトジャケットなのか
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デトロイトジャケットの大きな特徴に、着込むほどに深まる経年変化がある。長年の着用で生じた擦れや色褪せは、ヴィンテージ市場において特有の風合いとして評価の対象となっている。
また、短めの着丈とゆとりある身幅を組み合わせたボックスシルエットは、レイヤードスタイルとの親和性が高く、合わせるパンツの形状を選ばない汎用性の高さも幅広い支持を得る要因となっている。
文脈を越え、多角化するスタイルの確立
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1990年代のヒップホップシーンを背景に、ファッションとしての地位を確立したデトロイトジャケット。近年、その人気が再燃した背景には、野村訓市氏をはじめとするクリエイターによる独自の解釈や、映画『インターステラー』での象徴的な着用シーンがある。
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さらに、クリエイティブグループ「CLIPS(クリップス)」とのコラボレーションが発表されるなど、ハイエンドな感性を注入したプロジェクトも絶えず話題を呼んでいる。伝統的なワークの意匠を尊重しながら、現代的な視点でアップデートを繰り返す姿勢が支持を受ける所以といえるだろう。スニダンでチェックすべき注目アイテム
おわりに
1950年代の誕生から現在に至るまで、デトロイトジャケットの本質は変わっていない。着るほどに生地が馴染み、その人らしい風合いへと変化していく特性は、効率を求める現代においても価値を持ち続けている。この機会に、自分のスタイルに馴染む一着をスニダンで探してみてはいかがだろうか。