90年代、東京の路地裏から始まった「裏原宿ムーブメント」。その中心に立ち、ストリートカルチャーを世界標準へと押し上げたNIGO®(ニゴー)氏と「Nike(ナイキ)」のコラボ最新作「NIGO® × Nike Air Force 3 Low」が2026年1月31日、2月6日にいよいよリリースされる。アイコニックなカラーリングと緻密なディテールで、リリースされるたびに話題となる同シリーズ。今回はニゴー氏のこれまでの歩みを辿りつつ、リリースされた歴代モデルの一挙紹介する。
ストリートカルチャーを定義した「伝説のプロデューサー」
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1. 「裏原宿」から世界へ
ニゴー氏は、1990年代の原宿シーンを語る上で欠かせない最重要人物だ。1993年、高橋盾氏(UNDERCOVER)と共にセレクトショップ「NOWHERE」を立ち上げ、同年に「A BATHING APE®(アベイシングエイプ)」を始動。代名詞であるエイプカモやシャークフーディーは、日本の枠を超え、ファレル・ウィリアムスやカニエ・ウェストといった米国のトップスターたちを熱狂させた。2011年にブランドを香港のI.Tグループへ売却、2013年にディレクターを退任し一つの時代に区切りをつけたが、彼の物語はそこからさらに加速していく。
2. 「NIGO®」という名の由来
彼の名前は、当時交流のあったショップスタッフから、藤原ヒロシ氏に顔が似ているとして「藤原ヒロシ2号」と呼ばれたことに始まる。日本ストリート界のパイオニアである藤原氏を師と仰ぎつつも、独自の「サンプリングセンス」と偏執的なまでのこだわりを武器に、トイや音楽、ライフスタイルに至るまで巨大な文化圏を築き上げた。
3. 現在の活躍:「KENZO」と「HUMAN MADE」
現在は自身のブランド「HUMAN MADE(ヒューマンメイド)」を率いる傍ら、LVMH傘下の「KENZO(ケンゾー)」でアーティスティック・ディレクターを務める。ハイファッションとストリートの境界線を軽々と飛び越えてみせるその手腕は、まさに現代ファッション界の至宝だ。
なぜ「エアフォース3」なのか?NIGO®が選んだアーカイブの再構築
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今回のコラボでベースに選ばれたのは、1988年誕生のバスケットボールシューズ「エアフォース3」。エアフォース1やダンクといった王道ではなく、あえてこのマニアックなアーカイブを指名したところに、ニゴー氏らしい捻りの効いた審美眼が光る。
「知る人ぞ知る」をメインストリームへ
80年代後半特有の武骨なシルエットと、サイドの重厚なレイヤー構造を持つAF3。スニーカー史においてこれまで決して「主役」ではなかったこのモデルに、ニゴー氏は自身のルーツである80sポップカルチャーや特撮ヒーロー、トイ・カルチャーに通じる「遊び」を投影させた。
「NIGO」と「OGIN」
今作を語る上で外せないのが、ヒールロゴの仕様が異なる2つのエディションだ。一般販売される「NIGO」ロゴ版に対し、「OTSUMO PLAZA」などの限定販路では、名前を反転させた「OGIN」ロゴ版が別モデルとしてリリースされている。自身のアイコン化を自らパロディにするようなこの仕掛けは、公式コラボでありながら海賊版のような危うさとユーモアを感じさせる。
素材へのこだわり
各モデルには、パテントレザーの光沢や複雑な型押しなど、プレミアムな素材使いがされているのもポイントだ。最新作「カレッジパック」では、ヴィンテージの大学スポーツカラーを彷彿とさせつつも、質感によって現代的なラグジュアリーへと昇華。単なる復刻には終わらない、ニゴー氏にしか成し得ない「過去と未来の接続」を感じさせる。
最新作「カレッジパック」をチェック!
「NIGO® × Nike Air Force 3」の歴代モデルを紹介
おわりに
ニゴー氏のクリエイションの根底にあるのは、常に揺るぎない「ヴィンテージへの愛」と「遊び心」だ。あえて主流を外し、1988年のAF3を現代に再定義したその手腕には、彼が長年培ってきた審美眼が遺憾なく発揮されている。かつてNikeのシルエットを独自の感性でオマージュしていた彼が、今、正式なパートナーとしてNikeの歴史を塗り替えている。この歴史的なコラボレーション、カラーリングや素材の一つひとつに込められた意図を読み解くのは、手にした者だけの特権だ。