「一針入魂」の精神を貫きながら、常に時代の最先端と共鳴し続ける「吉田カバン」。2025年には創業90周年という記念すべき節目を迎え、歴史あるメゾンから東京のストリートを牽引する気鋭ブランド、そして異業種のテクノロジー企業まで多岐にわたるパートナーたちとコラボコレクションを展開している。
単なるロゴの配置換えではない。互いのDNAを深く理解し、融合させたプロダクトの数々は、2025年のファッションシーンそのものを象徴していると言っても過言ではない。本記事では、2025年下半期にドロップされた数あるPORTER(ポーター)とPOTRのコラボレーションの中から、特にシーンに衝撃を与えた「象徴的」な5つのコレクションを厳選して紹介する。
STONE ISLAND × PORTER Capsule collection
via:porter_yoshida_co.official
イタリアが誇るスポーツウェアの最高峰「STONE ISLAND(ストーンアイランド)」とのコラボレーション。吉田カバン創業90周年を記念した今回のカプセルコレクションで特筆すべきは、ポーターのアイコンである「ナイロンツイル」に、ストーンアイランド独自の染色技術「Corrosion process(腐食加工)」を採用した点だ。 職人の手作業によりナイロンを脱色させるという高度な技術により、既存のポーター製品にはない、荒々しくも美しいビンテージライクな風合いを実現。歴史の重みを感じさせる、まさにアニバーサリーにふさわしい仕上がりとなっている。
TOGA × PORTER Capsule collection
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前作から約1年半ぶりとなる「TOGA(トーガ)」との第7弾コラボレーション。今回はその世界観がバッグという枠組みを超え、初のアパレルラインへと拡張されたことが最大のトピックだ。 ラインナップされたブルゾンやポーチ、ハットは、ポーターのタフな素材感にトーガのエッジが効いたメタルパーツなどのデザインが融合し、唯一無二の存在感を放つ。バッグ類には同素材を編み込んだブレードハンドルがあしらわれ、クラフト感とモードな雰囲気が同居。カラーパレットは汎用性の高い"ブラック"と"カーキ"に加え、ショルダーウォレットには艶やかな直営店限定色"パープル"も用意され、争奪戦を呼んだ。
HYSTERIC GLAMOUR × POTR collection
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吉田カバンのライフスタイルブランド「POTR(ピーオーティーアール)」と「HYSTERIC GLAMOUR(ヒステリックグラマー)」による初のコラボが実現。注目は、このコラボのためにゼロから共同開発された「オリジナル生地」にある。 ヒステリックグラマーが描き下ろしたアメリカンポップアート全開のグラフィックを、あえてストイックなモノトーンのジャカード織りで表現。しかし、ファスナーを開ければ世界は一変する。内装にはピーオーティーアールのシグネイチャーカラーである"ターコイズブルー"が鮮烈に輝き、その「静と動」のコントラストが所有欲を強烈に刺激する。
▶︎ヒステリックグラマー × ピーオーティーアール コレクション
Dyson × PORTER Dyson OnTrac PORTER limited-edition headphones and shoulder bag
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革新的なテクノロジーで世界を変える「Dyson(ダイソン)」との異色コラボ。その圧倒的な希少性とギミックは、2025年最大のサプライズとなった。用意された数は、世界でわずか380セットのみ。 高忠実度オーディオを実現したヘッドホン「Dyson OnTrac™」にはPORTERロゴが刻印され、イヤークッションはブランドを象徴する"オレンジ"と"カーキ"などが付属する特別仕様。さらに、セットのバッグにはヘッドホンを直接マウントできる独自の収納システムを搭載。ジェイク・ダイソン氏監修のもと、まさに「音を身にまとう」新しいライフスタイルを提示した。
▶︎ダイソン × ポーター ダイソン オントラック ポーター リミテッドエディション ヘッドフォンズ アンド ショルダーバッグ
PORTER × HYKE 2025FW collection
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毎シーズン、発売と同時に姿を消す「PORTER(ポーター)」と「HYKE(ハイク)」の人気コラボレーション。待望の2025年秋冬コレクションが、12月12日よりローンチされる。 今回のラインナップは、ポーターの顔である「ヘルメットバッグ」、機能的な「ツールバッグ」、そしてアクセサリー感覚でまとえる「ボンサックミニ&コインケース」の厳選された3型。最大のトピックは、ハイクらしいミリタリーの再構築アプローチだ。表地にはテフロン加工を施した高機能撥水ナイロン「Tefox(テフックス)」を採用し、裏地にはミリタリージャケットのライナーを彷彿とさせる「オニオン柄キルティング」を配備。見えない部分にまでハイクのDNAが宿っている。洗練されたデザインとハイスペックな実用性が同居する今作も、早めのチェックが必須だ。
おわりに
テクノロジーの巨塔「ダイソン」との異色タッグから、モードを牽引する「トーガ」「ハイク」との深化、そして「ストーンアイランド」「ヒステリックグラマー」とのカルチャー的共鳴...。 2025年のラインナップを振り返ると、「吉田カバン」が単なる「鞄屋」の枠組みを大きく超え、ライフスタイルそのものをデザインするプラットフォームへと進化していることが分かる。創業90周年という大きな節目に彼らが見せたのは、過去のアーカイブに安住する姿ではなく、未知の領域へ挑み続ける「一針入魂」の新たな解釈だった。進化し続ける吉田カバンの最前線から、今後も目が離せない。
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