ディテールは時代を語る。「リーバイス ヴィンテージ クロージング」の名作デニム4本について
リベットの数、ステッチの仕様、シルエット。一見些細に見えるディテールの違いには、実はそのデニムが生まれた時代の経済や文化、そして技術といった、さまざまな背景が色濃く刻まれている。「Levi’s®(リーバイス)」の歴代の名作を、当時の姿そのままに現代に蘇らせる「Levi’s® Vintage Clothing(リーバイス® ヴィンテージ クロージング)」。そのコレクションは、まさにディテールで歴史を物語る"生きたアーカイブ"と言えるだろう。本記事では、大人気のLVCコレクションの中から4つの年代のデニムをピックアップ。そのディテールを読み解きながら、時代と共に進化を遂げた名作ジーンズの世界を旅しよう。
Levi's Vintage Clothing 9 Rivet "Rigid Indigo"
スニダンでLevi’s® Vintage Clothingのアイテムを探す「リーバイス」が所蔵するアーカイブの中で最も古いブルージーンズ"9リベット"の復刻モデル。1873〜74年ごろに作られた"9リベット"は、通常11個のリベットが9個しか付いていないというのが特徴だ。アーキュエットステッチの一本縫いや、創業時の本社住所と手書きのサイズが施されたバックパッチ、センターにリベットがないシンチバックなど、リーバイスの長い歴史を感じさせる特別なディテールを備えている。生地にはコーンミルズ社ホワイトオーク工場の9オンスセルビッジデニムを使用と、LVCのこだわりが凝縮された一本。
Levi's Vintage Clothing 501XX 1937 Jeans "Organic Rigid"
スニダンでLevi’s® Vintage Clothingのアイテムを探す二本目に紹介するのは、世界恐慌の最中にあった1937年モデルだ。この年はデニムの歴史においても重要な節目で、従来通りシンチバックは付けられていたものの、サスペンダーボタンは取り除かれ、ベルトループが搭載されるという時代の変化を感じさせるディテールを搭載。また、家具や自動車のシートを傷付けるという消費者の声に合わせて、"隠しリベット"が導入された。そして、リーバイスのジーンズを他社ブランドと差別化するため、レッドタブが導入されたのもこの1937年の501から。デニム史に欠かせない一本である。
Levi's Vintage Clothing 1944 501 Jeans Rigid "Dark Indigo Blue"
スニダンでLevi’s® Vintage Clothingのアイテムを探す1944年、第二次世界大戦の戦時下で製造された、いわゆる大戦モデルを再現した一本。資源の節約を余儀なくされた時代背景もあり、ウォッチポケットのリベット、股部分に打たれるクロッチリベット、シンチバックといったパーツが省略されている。また、自社刻印の無いドーナツ型の"月桂樹ボタン"も、大戦モデルの象徴的なパーツの一つだ。整理加工で毛焼き処理のみを行っているため毛羽立ちが無く、濃紺のピュアインディゴで染色された生地を使用。色落ちや経年変化も楽しめるのも、デニムファンとしては嬉しいポイント。
Levi's Vintage Clothing 1955 501 Jeans Rigid "Indigo"
スニダンでLevi’s® Vintage Clothingのアイテムを探す1950年代のアウトローを象徴するバイカーたちが愛用していたモデルを復刻。本作は、スキニースタイルとは対照的に、ヒップ周りも若干ゆるめになった"アンチフィット"を採用。わたりにもゆとりがあり、全体的にボクシーなシルエットとなっている。前身となった1947年の501®から一部の仕様を受け継ぎ、ウェスト調整手段はベルトループのみ。バックポケットにはカッパー製の隠しリベット、ボタンフライはジンク(亜鉛)製といったディテールを備えている。ヴィンテージながらワイルドな印象を与えてくれる一本だ。
おわりに
LVCが届けてくれるのは、歴史に忠実な、公式のレプリカだ。今やヴィンテージは穿くのを躊躇するほどの価格になっているが、LVCなら気兼ねなく穿け、尚且つ自分だけのヴィンテージを「育てる」という、デニム本来の楽しみ方を味わえる。気になる一本があった方はぜひスニダンで購入を検討してほしい。