【ポケカ】「ブラッキーVMAX HR:SA」の真贋鑑定ポイントとは?について
新商品の発売が発表されるたびに話題となり、昨今のトレカブームの火付け役ともいえる世界中で大人気カードゲーム『ポケモンカードゲーム』(ポケカ)。「ポケットモンスター」(ポケモン)のカードゲームということもあり、大人から子供まで世代を超えて遊ばれている。
コレクターからも人気が高く、中には100万円以上で取引されるカードも存在するため、二次流通市場にはFAKEが多く出回っている。
そこで今回は、 ポケカより2021年5月28日に発売された強化拡張パック「イーブイヒーローズ」に収録され、現在20万円以上の価格で取引されている人気カード「ブラッキーVMAX HR:SA」をスニダンのプロ鑑定士がどのように「REAL/FAKE」を見極めているのか?についてまとめた。
ここに書かれているのはあくまで「鑑定方法の一部」にすぎないが、二次流通でモノを買うことを躊躇っている人は、ぜひこれを読んで参考にしてほしい。また、今回の真贋鑑定ポイントは一部のFAKEで判明しているもので、すべてのFAKEに該当するわけではないことをあらかじめ了承してほしい。
目次
「ブラッキーVMAX HR: SA」とは?
「ブラッキー」は、『ポケットモンスター 金・銀』で初登場したポケモン。2020年に株式会社ポケモンが実施した人気投票「ポケモン・オブ・ザ・イヤー」で、ジョウト地方で1位、総合5位に輝くほどの人気ポケモンである。
そんな「ブラッキー」が、ポケカの拡張パック「イーブイヒーローズ」にHR(SA)で収録された。美麗な描き下ろしイラスト、ファンの多さ、低い封入率などが相まって、発売当初から5万円以上で取引されており、現在は20万円以上で取引されている。
「イーブイヒーローズ」は絶版パックであるため、「ブラッキーVMAX HR:SA」の価値は日々高まっており、二次流通市場でFAKEが絶えない。
"高精細デジタル顕微鏡"を使った比較
肉眼では見分けることが難しい細かな違いも、"高精細デジタル顕微鏡"を使えば見分けることが可能。判明した鑑定ポイントをさっそく紹介していく。
鑑定ポイント:「カード表面左上『V進化』部分にあるブラッキー」
まずは、「カード表面左上『V進化』部分にあるブラッキー」にある印刷の質の違いを紹介。
REALは、網点が小さく細かな表現と鮮明さを表現できる印刷方法である"高精細印刷"のため質が高い。また、「目」「顔」「黄色の模様」などの輪郭線が「黒色」のインクで綺麗に塗られているため、それぞれの境界が鮮明。
FAKEは、"通常印刷"のため、「目」「顔」「黄色の模様」などの輪郭線がほかの印刷と同化しており、それぞれの境界が不鮮明。また、REALに比べてFAKEはインクドットの角度が傾いていない。
鑑定ポイント:「カード表面右側『ブラッキーの顔』」
また、加工の違いが、カード表面右側にある「ブラッキーの顔」に見られた。
REALは、「目」の部分にキラキラと光る"ホログラムPP加工"が入っており、「顔」部分には、紙の表面を凸凹させて立体感を生ませる"擬似エンボス加工"が「縦」に入っている。
FAKEは、「目」の部分に"ホログラムPP加工"ではなく、"擬似エンボス加工"が入っているため、「顔」と「目」の境界がない。また、「顔」部分の"擬似エンボス加工"は、「縦」ではなく「横」に入っている。
鑑定ポイント:「カード表面左下の『効果テキスト』」
カード表面左下の「効果テキスト」にも、加工方法や印刷の違いがある。
REALは、"擬似エンボス加工"の上から「白色」と「黒色」のインクが印刷されている。「文字」や「背景」は、"高精細印刷"が使われているため鮮明。
一方、FAKEは、"擬似エンボス加工"の上から「白色」と「黒色」のインクが印刷されておらず、下地だけで再現している。また印刷が"通常印刷"のため、REALより不鮮明。
鑑定ポイント:「カード表面右下"にげる"ために使う『エネルギーコスト』」
さらに、加工や印刷の違いは、カード表面右下の「エネルギーコスト」にも見られた。
REALは、無色エネルギーマークの中心にある模様が「黒色」で塗りつぶされている。また、無色エネルギーマーク周辺の枠には、光沢感やマット感を表現させる"ラミネート加工"と"ホログラムPP加工"が入っている。
FAKEは、無色エネルギーマークの中心にある模様が「黒色」で塗りつぶされておらず、「赤色」「黄色」「黒色」の三色で印刷されている。また、無色エネルギーマーク周辺の枠には、"ホログラムPP加工"が入っておらず、"ラミネート加工"が微妙に入っている。
鑑定ポイント:「カード裏面右下『闘エネルギー』」
カード裏面右下の「闘エネルギー」には、印刷時の点であるインクドットの違いが見られた。
REALは「闘エネルギー」部分が「赤色」と「黄色」のインクドットで表現されており、まっすぐ十字を描くようにインクドットが配列されている。
しかし、FAKEは使われているインクは同じだが、インクドットの配列が異なっており、REALに比べて十字がまっすぐではなく斜め。また、「白色」の部分が少し赤みがかっており、「闘エネルギー」の模様がやや不鮮明。
鑑定ポイント:「カード裏面上部『POKEMON』ロゴの右下にある『®マーク』」
印刷の違いが、カード裏面上部の「POKEMON」ロゴ右下にある「®マーク」に見られた。
REALは、"高精細印刷"のため仕上がりがハッキリしており、周囲に使われている「赤色」「青色」「白色」のインクが「®マーク」としっかり区別され印刷されている。
FAKEは、印刷の質が悪く"高精細印刷"ではないため、インク同士が重なり合って不鮮明な仕上がり。また、インクドットがREALに比べて大きい。
"赤外線カメラ"を使った比較
"赤外線カメラ"を使用することで、使われたインクの違いにより生じる発色の違い、カードにされた加工の違いを明確にできる。
鑑定ポイント:「カード表面」
"赤外線カメラ"で見ることで、REALとFAKEのインクの発色の違いが分かる。
REALは、表面左上にある「ブラッキーVから進化」の枠が立体的かつ、背景に描かれた空と湖がハッキリ見える。ブラッキーの周りにある「紫色」のシルエットがと、ブラッキーの「黄色」の模様、右端にある縦線が「白色」になる。そして、下部にある「弱点」「抵抗力」「にげる」部分は、「黒色」で塗りつぶされたようになる。
FAKEは、表面左上にある「ブラッキーVから進化」部分の枠が平坦。背景に描かれた空と湖がなくなり、"擬似エンボス加工"が目立つ。ブラッキーの周りにある「紫色」のシルエットが消える。また、ブラッキーの「黄色」の模様と、カード右端にある縦線が「黒色」に変化。そして、下部にある「弱点」「抵抗力」「にげる」部分は、「白色」と「黒色」の2色で映し出される。
鑑定ポイント:「カード裏面」
表面同様に"赤外線カメラ"で見ることで、REALとFAKEに違いが明らかになった。
REALは、裏面の外枠が「黒色」に変化。7つのエネルギーマークと、「POKEMON」のロゴ右下にある「®マーク」が消える。また、「POKEMON」のロゴが立体的。
FAKEは、裏面の外枠が「白色」に変化。エネルギーマークの一部と、「POKEMON」のロゴ右下にある「®マーク」が薄く見える。また、「POKEMON」のロゴが平坦に映し出される。
真贋鑑定ポイントを動画でチェック
【スニダンFAKE情報報告】
— スニーカー&トレカ買うならスニダン【スニーカーダンク】 (@snkrdunk_jp) December 2, 2024
ブラッキーVMAX HR: SA[S6a 095/069]のFAKE情報を報告します。
フリマアプリでFAKE/偽造品が多く流通しており注意が必要です。
詳細は動画をご覧ください。
スニダンでは最新の鑑定情報を随時お知らせしていきます。 pic.twitter.com/MB3Ad832JN
おわりに
今回は、「ブラッキーVMAX HR: SA」に見られるREAL/FAKEの違いを紹介した。"肉眼"だけで違いを見つけるのは困難だが、"高精細デジタル顕微鏡"や"赤外線カメラ"などの道具を使うと細かな違いまで見つけられる。
紹介した鑑定ポイントは一部であり、FAKEの製造技術は日に日に高まっていて、専門家ではない人がFAKEを見抜くのは困難である。
スニダンでは「プロ鑑定士」による極めて高い精度の真贋鑑定を行っているため、二次流通で購入する際には、ぜひ、スニダンを利用していただきたい。
また、高額カードの最新相場情報も記事で紹介しているため、そちらもチェックしてほしい。
権利表記
©Pokémon. ©Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.
ポケットモンスター・ポケモン・Pokémonは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標です。