エアフォース1の真贋鑑定ポイントとは?X線やマイクロスコープだからこそ分かるREALとFAKEの違いについて
1982年に誕生し、いまでもなお多くの人たちに愛され続けるマスターピース的なスニーカー「Nike Air Force 1(ナイキ エアフォース1)」。インラインの新色はもちろんのこと、コラボアイテムも毎年のようにリリースされる人気アイテムだが、それゆえに世の中にはフェイク品が溢れている。そこで今回、スニダンで行っているエアフォース1の真贋鑑定ポイントの一部をまとめた。二次流通でモノを買うことを躊躇っている人は、ぜひこれを読んで参考にして欲しい。
「Nike Air Force 1」とは?

1982年にNikeが生み出した「Air Force 1(エアフォース1)」は、当時としては画期的なバスケットボールシューズだった。というのも、デザインを担当したブルース・キルゴア氏が参考にしたとされているのが、同社のハイキングブーツである「アプローチ」というモデル。この試みが功を奏し、バスケ選手たちの悩みのタネだった"着地時の衝撃"を見事に解消したエアフォース1は、次第にコートの人気者に。それがストリートにも浸透した結果、2024年現在でも熱狂的なユーザーたちに愛される名品となった。
スニダンで詳細を見る鑑定ポイント:「デュブレ表面の比較」

エアフォース1の代名詞とも言えるディテールの一つ「デュブレ」だけでもいくつかの鑑定ポイントがある。まず見るべき点としては、表面の磨き方および中央の刻印内側の研磨仕上げの差異だ。
鑑定ポイント:「デュブレ刻印の比較」

続いてチェックするのは、「デュブレの刻印」。スニダンではマイクロスコープを用いた真贋鑑定を行っており、ルーペでも難しい細部の観察や、光の当たる角度を変える(=偏光)を用いることにより、質感の差異などを調査している。
デュブレの刻印は一定の角度から光を当て、周辺の光を抑えることで、刻印内側の仕上がりの差異を確認することができる。この調査により、REALは刻印の内側のみ梨地の表面処理になっているが、FAKEは刻印の外側と内側で表面加工に差がないことが判明した。
鑑定ポイント:「デュブレ裏側の比較」

さらにデュブレの裏側にも違いがある。デュブレを裏返しにして観察すると、シューレースを通すために開けられた穴のフチ部分の加工処理にREALとFAKEで差異が見られる場合があった。
鑑定ポイント:「インソールロゴの比較」

次に、インソールロゴの真贋ポイントを紹介する。インソールロゴは、インソール表面(踵付近)のロゴにUVライトを照射することで、輪郭を観察することができる。ここではエンブレムサイドのカーブの角度や、エンブレム両脇の五重になる半円状の線の太さなどに差異があらわれることが多い。
鑑定ポイント:「X線透過時の比較(シューズ側面)」

スニダンではX線機器を使用した真贋鑑定も行っている。エアフォース1にX線を側面から照射することで、内部エアの厚みが観察できる。参考画像では、REAL、FAKEともにフルレングスタイプのエアが搭載されているが、FAKEはREALに比べ厚みが不足していたり、長さが足りていなかったりするため、エアがダミーであることがわかる。
鑑定ポイント:「X線透過時の比較(シューズ底面)」

また、X線を底側から照射することで内部エアの形状や位置も観察できる。REALと見比べると、FAKEはエアが搭載されている位置がずれていたり、横幅、長さが足りていなかったりすることがわかる。
おわりに
二次流通では定価近くで取引されている「エアフォース1」でも多くのFAKEが流通しているのが実情だ。今回あげた真贋鑑定ポイントはあくまで一部で、スニダンではその他複数のポイントを見たうえで総合的に真贋鑑定を行っている。フェイクの製造技術は日に日に高まってきており、専門家でない人が自己流で偽物を見抜くのはかなり難しい。だからこそ、二次流通で購入する際には「プロ鑑定士による、極めて高い精度の真贋鑑定」が行われているスニダンがおすすめだ。今回は「エアフォース1」にフォーカスしたが、今後は他のモデルについても紹介していくので、それらも含めて売買の参考にしてほしい。
スニダンで「エアフォース1」をチェックする