プロレス史に残る最強タッグ『超獣コンビ』結成50周年記念 スタン・ハンセン氏インタビューについて
プロレスファンから長年愛されるスタン・ハンセンとブルーザー・ブロディによる『超獣コンビ』の結成50周年を祝し、70種類以上のスペシャルアイテムや貴重なアーカイブを販売するポップアップショップがHYPE DROPにて開催決定!今回はポップアップを記念し、スタン・ハンセン氏が来日したタイミングでインタビューを敢行。超獣コンビや盟友ブルーザー・ブロディ氏についての話や、現役時代のコスチュームのこだわりなどを伺った。
※聞き手:小佐野景浩(プロレスライター・評論家) HYPE DROPで超獣コンビ結成50周年記念展をチェックするプロレス史に残る、伝説のタッグ『超獣コンビ』
ー今回はスタン・ハンセン、ブルーザー・ブロディの超獣コンビ結成50周年を記念してインタビューを行わせていただきたいと思います。1974年にNWAトライステートレスリングでブロディさんとタッグを結成して今年で50周年になるわけですが、50年経ったと聞いてどう感じますか?
僕とブロディは同じ大学出身なんだ。二人の力をあわせて歴史を作れたことはすごく感慨深いね。
ー結成50周年を記念して、多くのファッションブランドからTシャツなどが発売されることに対してはどう思いますか?
二人とも全然ファッションには興味がなかったし、プロレスの力でここまで有名になっていったから驚いたよ(笑)。ブロディは嬉しいかもしれないね。
ーそこで最初はプロレスではなく、二人のファッションの話を聞いていきたいと思います(笑)
ファッションには興味がないからむしろ学びたいよ(笑)。息子たちのほうがファッションについては詳しいと思う。
ー今回はこういうものが発売されるみたいです。
いいね。ブロディはすごく喜びそうだよ。
現役時代のあの象徴的なコスチュームはいつから?
ーまずはリングの上でのファッション、コスチュームについてお聞きします。50年前に初めてアメリカでブロディさんとタッグを組んだときはテキサスカウボーイズというチームでしたよね。そのときの写真を見つけてきたんですが、これですね。テキサスカウボーイだからハットをかぶってるんですか?
この写真は初めてタッグを組んだときに撮った特別な一枚だね。ブロディがハットとカウボーイブーツをかぶってる写真はこれしか残ってないかもしれない。ブロディは全然カウボーイファッションが好きじゃなかったんだ(笑)
ーハンセンさんは1975年9月に初めて来日していますが、そのときのコスチュームはバンダナでしたよね。
自分でもなぜそんなスタイルになったのかはよく分からない。ワイルドに、かっこよく見せたかったけど、結果的にそういう格好になったんだ。
ーカウボーイハット、ブラックのスカル柄のベスト、チャップスというコスチュームになったのはいつ頃からですか?
プロレスを始めたころ、テリー・ファンクたちがそういうカウボーイファッションをやっていいて、僕もテキサス出身だし、やってみようと思った。
ーテリー・ファンク選手たちの影響を受けたんですね。黒いサポーターはWWWFのときからつけているんですか?
サポーターはファッションというより、自分の強さを活かすためにつけていたんだ。試合で話題になったから、メディアでもその姿が広がっていった。あの頃はいろいろな人たちを怒らせたし、ブルーノ(ブルーノ・サンマルチノ)とも試合をしたかったけどそれで試合ができなくなったんだ。
ーWWWFのときに「悪いテキサス出身のプロレスラー」というイメージが付いたんじゃないかなと。
その時代にはニックネームをたくさんつけられたけど、ほとんどの名前がメディアには出せないほどひどいものだった(笑)。言えるものだと、『テキサスのバッドマン』というニックネームはずっと付いていたね。レザーベストの後ろにもそれを書いていた時期がある。ただ、アメリカだと”バッドマン”だったのが日本だと”バッドボーイ”になっていたけどね(笑)
ー少年になっちゃったわけですね(笑)。カウロープを使い始めたのはいつ頃からですか?
日本に来る前にも使っていたけど、日本に来てからはもっとワイルドにするために使う回数が増えたね。
ーお客さんを蹴散らして、ジャイアント馬場さんには使うなって言われていましたよね(笑)
最終的に本物のカウロープを見つけて、それをずっと使っていた。そのロープに自分で見つけたカウベルをつけて、そこからロープ自体が重くなったんだ。だから、当たるとみんな痛いって言ってたよ。俺のことより、カウベルのことが怖かったんじゃないかな(笑)
ーブロディさんのコスチュームについてはどうでしょう。毛皮のベスト、シューズになった理由は聞いたことありますか?
ブロディはカウボーイとは違う方向性にしたかったらしい。アイリッシュ系だし、ブルーザー・ブロディという名前をつけて、そこからカウボーイとは違うイメージで毛皮のコスチュームを着るようになっていったね。ただ、ブロディのコスチュームはそこまで決まっていなかった。ワイルドな感じでチェーンや毛皮をつけていただけだと思うよ。
ープライベートでは、カウボーイハットをいつもかぶっているイメージがあります。何種類くらいお持ちですか?
かなりの数を持っているけど、数えたことはないな。シーズンごとにストローハットやフェルトハットに付け替えるとか、季節にあったハットをかぶることにはこだわっているよ。ちなみに今かぶってるハットは息子からもらったもので、長くかぶってるものなんだ。あとは結構、投げちゃうからね。
ーこの前に行ったイベントで、1982年にハンセンさんが投げた帽子を受け取った人が42年越しに「サインをください」と言ってきたんですよね。
そんなこともあったかな(笑)。ハットをずっと持っていてくれたファンにはすごく感謝しているね。
若い人たちにもプロレスに興味を持ってほしい
ー超獣コンビ50周年ということで、改めてブロディ選手はあなたにとってどんな人でしたか?
ブロディは「オープニングマッチからスタートして、また一周してオープニングマッチまでいく」とよく言っていたんだ。もし亡くならなければその通りに生きていたと思う。ブロディはすごくレスリングを愛していた。それについてはすごく尊敬している。やりたいことをやったんだ。俺は引退したら休みたいって気持ちはあったけど、彼は休まず続けていたと思うね。
ーちなみに今回ポップアップイベントを行う場所は新宿ですが、いつも日本に来日したときは新宿の京王プラザホテルに泊まっていましたよね。何か新宿に思い出はありますか?
妻と最初にデートしたのが新宿のKFCなんだ(笑)
ーそれは素晴らしい思い出ですね(笑)。最後に、今回は新宿のセレクトショップでのポップアップということで、普段プロレスを見ない人の目にも触れると思います。その人たちに向けてメッセージはありますか?
若い人たちがもっとレスリングに興味を持って、さらに昔の試合を見てくれたりするとすごく嬉しいね。昔いたすごいレスラーたちのことも忘れないようにしてほしいよ。
超獣コンビ50周年記念!YouTubeでインタビュー映像を公開中
YouTubeチャンネル「木原オヤジのプロレス話そうぜ!inジャイアント馬場バル」にて、今回のインタビュー映像が公開中!YouTubeでは今回のインタビュー記事では触れなかった、盟友・ブロディへの想いや、ブロディとの思い出などを余すことなく語ってもらった。
超獣コンビの結成50周年を記念し、70種類以上のスペシャルアイテムが5/25(土)11:00~DROP
1984年4月25日に開催されたPWF世界タッグ王座決定リーグにて初代王者となり人気を博した、スタン・ハンセンとブルーザー・ブロディ氏によるレジェンドタッグチーム『超獣コンビ(ミラクルパワーコンビ)』の結成50周年を記念し、彼らをリスペクトするアーティストやブランドが集結し、HYPE DROP限定アイテムのコラボアイテムをリリースする。
ポップアップ情報
HYPE DROP 新宿店
ポップアップ開催期間:5月25日(土)〜6月2日(日)
開催場所:東京都新宿区歌舞伎町1丁目1−17 エキニア新宿 1階
営業時間:11:00~20:00