フォトグラファー・RK氏が「カメラの師匠はSNSのフォロワーたち」と語るワケ 「ミニマムな作品」から「密集した作品」への変遷

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フォトグラファー・RK氏が「カメラの師匠はSNSのフォロワーたち」と語るワケ 「ミニマムな作品」から「密集した作品」への変遷について

厳選した国内外の公式ブランドアイテムや、エクスクルーシブアイテムをDROPするストア「HYPE DROP」。新宿の実店舗において先日まで「MCM x RK」のPOP-UPを開催していた同店では、現在はフォトグラファーのRK氏の作品展示を行なっている。そこで今回、そんなRK氏にインタビューを行った。

HYPE DROPをチェックする

今回インタビューした人

フォトグラファー

RKさん

グラフィックデザイン会社に勤務する傍ら、2013年よりiPhoneのみを使用した撮影とエディットを開始。フォトグラファー・グラフィックデザイン・DJなどマルチに 活躍するRKは、ランニングクルー『AFE TOKYO』の専属iPhone Photographerとして一躍注目を集める存在となる。2017年にはApple銀座にてイベントを開催。グラフィックデザイナーやDJとして活動しながら、本格的にフォトグラファーの道へ進み、2018年4月よりフリーランスに転身。一眼レフに切り替え、『秋葉原の おじいちゃん』や『台北大橋のバイク』など数々の代表作を生み出した。また、Instagram公式アカウントでも富士吉田市での作品がシェアされ、自身のフォロワー数も 約70万人。現在注目されている日本人アーティストのひとりである。村上隆やKAWSを始め、TYGA、Naomiなど数々の著名人のポートレート、ストリート、建造物、 自然などを幻想的な色彩で切り撮るRKの作品は、日本に留まらず多くの海外メディアにも取り上げられている。さまざまなジャンルのブランドとのコラボレーションも行い、 アジアを中心に精力的に活動中。

カメラの"師匠"はSNSのフォロワーたち

―まずはRKさんが「どういった経緯でカメラマンになられたのか?」について教えてください。

RK:僕は出身が茨城県で、高校卒業後は文化服装学院に通いながら「LONDON NITE(ロンドンナイト)」のスタッフやったりDJやったりしてたんですけど、いったん地元に帰って工場で働いてたんです。でもその後に「やっぱり東京へ行きたい」という思いが出て就職活動したんですけど、受かったのがAVメーカーだけで…。その時は「実務経験を積んで、3年くらいで辞めよう」って気持ちでしたが、結局、10年くらい居ましたね。

―それはカメラマンとして?

RK:いや、グラフィックデザインというか、パッケージのデザインですね。文化服装学院時代にDJ見習いとしてクラブで働いてたときにフライヤーとか作ってたので、(Adobeのソフトである)「Illustrator(イラストレーター)」と「Photoshop(フォトショップ)」は使えたんです。でも「クラブで働いてる」って実務経験にならなくて、(社会的には)完全な未経験にされちゃって…。それでも雇ってくれたのが、そのメーカーだったって感じです。

―そちらに10年いらっしゃる中で、どのタイミングで"写真・カメラへの道"が開けてくるんですか?

RK:それはですね、デザイナーとしてデスクワークを続けてたらすごい太っちゃったんです。それでランニングしたり筋トレしたりしてたんですけど、一向に痩せず…。で、たまたま先輩がランニングチームをやっていたので、そこに参加させてもらうようになりました。週一だったのですが、それでも楽しく走れればいいじゃないですか。まぁ結局、みんなで走ったあとにみんなで飲むから元も子もないんですけど(笑)。

―それって、NIKEさんが関係してるチームでしたっけ?

RK:そうです。世界中でいろんなチームが立ち上がって。例えば東京は「AFE」、韓国は「PRRC」みたいな感じなんですけど、すべてコンセプトは「ストリート」。アジアだったら東京、韓国、台北とかでそれぞれ感度が高い人にNIKEが声をかけて集めたんで、メンバーはみんなモデルだったりデザイナーだったりするんです。もちろんアジアだけじゃなくて、ニューヨークにもロンドンにもチームはありました。

―アジアだけじゃなく、ヨーロッパも。

RK:全世界です。もう全員かっこいいんですけど、そういう人たちが国際マラソンに集まってイベントをやるんですよね。

―その東京の主催者の方とお知り合いだった?

RK:そうです。一緒に草野球をやってた先輩が東京・AFEのファウンダーで。楽しくて毎週毎週走ってたら、その方に「お前、こんなに参加してるならなんかチームのためにやれ。写真撮れ」って言われて。でも一眼レフを持ってないから「iPhoneで撮ってみよう」と思って。それが写真・カメラの入口ですね。

―それは走りながら撮るんですか?

RK:そうです。iPhoneだから機動力はいいし軽い。それでいい写真が撮れたんだと思います。iPhoneで撮って、iPhoneで編集して、iPhoneでインスタにUPするっていう「すべてがiPhoneで完結するスタイル」。当時って、そういうことやってるヤツが他に居なくて…。それでアップルの人たちも興味持ってくれたみたいで、イベントに登壇させてもらったりしてましたね。それが続いたことで、お仕事をいただくようになりました。

―なるほど。

RK:おそらくですが、(AFEの)メンバーも、僕が撮った写真を(自身のSNSなどに)載せるワケじゃないですか。だからモデルやデザイナーの方々が居るファッション業界に響いたんだと思います。そういう流れでお仕事をもらうようになったんですけど、とあるお仕事で「使ってる機材がiPhoneなんですけどいいですか?」って確認したら「紙媒体だと画質の問題で耐えられないから」って断られちゃって…。それで一眼レフを覚えようと思って。お金もなかったのですが、当時の彼女に誕生日か何かで買ってもらったんですけど、ぜんぜん分かんないんですよ。例えばシャッタースピードに関しても、iPhoneってオートじゃないですか。だからノイローゼになるくらい勉強しましたね。

―どなたかに弟子入りしようとか、そういう発想はなかったんですか?

RK:そんなことは考えてないですね。もう「目の前の楽しいことがしたい」っていうのがあるから「誰の下に付いて学ぼう」とかは一切考えなかったです。もう楽しくて仕方ないんですよ。別にそれが仕事にならなくても良くて。「ここに撮りに行きたい」とか「これはこういう風にエディットしたい」とか、もう頭の中にそれしかないから。変な話ですけど、インスタに写真をポストしてそれによってどうすべきかを勉強してたので、フォロワーの人たちが"師匠"みたいな感じですよね。

―彼ら彼女らが「いいね!」と言ってくれるものが正解というような?

RK:そうです。僕はあるタイミングまで、ずっとミニマムな写真をiPhoneで撮ってたんですよ。「真っ白でシンプルな空間に、人が1人だけポツンと居て」みたいな写真ですね。でもある日、秋葉原のおじいちゃんの写真にたどり着くんです。写真仲間の友達と、とある撮影でたまたま通りかかったお店なんですけど、そのお店と店主さんを撮影して投稿したらすごい反応がよくて。それで「もしかしたら(目指すべき方向性は)こっちかもしれないな」って、そこから徐々にスタイルを変更していきましたね。もちろんミニマムな写真も撮るんですけど、そこから「密集した写真」も撮るようになっていきました。

―じゃあ、その一枚がきっかけだったんですね。国内外からコメントが殺到した感じですか?

RK:むしろ海外からのコメントしかなかったです。僕の投稿はハッシュタグもすべて英語にしてたし。日本が好きじゃなかったんですよね。日本人の考えというか。「日本語のハッシュタグとかダサいな」って思ってたから、すべて英語にしてたんです。

―ではそのスタイルの変更を経て、お仕事も変わっていった?

RK:いや、仕事に直接の影響があってオファーが殺到するってワケじゃなくて。(評判は)SNSの中がメインですよね。もちろん、それに並行して仕事はついてくるんですけど、それは後からですね。当時の仕事はやっぱり「AFEに居たから」ってことで、ファッション業界からのオファーがすごかったです。「洋服のルックを撮って欲しい」とか。それで「WHIZLIMITED(ウィズリミテッド)」の下野さんから「パリコレがあるから、東京とパリの両方でルックを撮りたい」ってお仕事をもらったんですけど、そうなると一週間くらい会社を休まないといけないなって思って、思い切ってそのタイミングで独立したんです。

―それまでは、まだAVメーカーで働いてらっしゃったんですか?

RK:そうです。だからそれまでは土日とか平日の勤務後とかに撮影の仕事ができてたんです。でも海外の仕事が入るようになったタイミングで退職した感じです。

みんなが不思議がる"一眼なのにiPhoneっぽい写真"の謎

―なるほど、ありがとうございます。お仕事ではなく「ご自身の撮りたい写真」の場合、どこで撮ろうとかっていうのは事前に決めて行かれるんですか?それともその場で見て?

RK:あらかじめリサーチしたものをリストみたいにしておくんですよ。で、お仕事でどこかを訪れる際には調べておいて、時間があるならちょっと撮りに行ってみたり。もちろん、現地で見て「こういうところあるんだな」ってなって撮ることもあるし。いろんな方法がありますね。

―でも「どう撮るか?」はその場で決められるんですよね?

RK:そうですね。もちろん誰かが先に撮ってる場合もあるけど、それとは違うように撮りたいからレンズを変えたり画角を変えたり。自分なりの画角を探すとか。景色とかってどうしても一緒になっちゃうから。

―(富士山の写真を指して)こちらも撮影されるまでに3年くらいかかったと、インタビューで読みました。

RK:その商店街を見つけてから、それくらいかかりましたね。

―これはiPhoneですか?

RK:これは一眼レフです。でもみんながおもしろがって見てくれる写真って、すべてパンフォーカス(注:全体的にピントが合っている写真のこと)のものなんですよ。で、iPhoneってパンフォーカスなんですけど、一眼レフを持った人が求める「一眼レフっぽさ」って"ボケ"なんですよね。でもそれってF2.8とか1.4とか(の"絞り値")で撮るからそういうものが生まれるんですけど、僕ってF8くらいで撮るんです。そうするとパンフォーカスで"(一眼なのに)iPhoneっぽい写真"が撮れる。だからみんな不思議がるんです。

―この富士山の写真がRKさんの中で一番有名な一枚ですか?

RK:もう同じ構図でみんな撮ってますけどね。バズってから、そこは撮影スポットになっちゃって。そこに市がカフェを作るくらい。だから(RK氏が写真を投稿した後に)スポットになっちゃうところいっぱいあるんですよね。

―あのタクシーの写真もそうですよね。

RK:そうそう。あの場所は空港で、ただの歩道橋みたいなとこなんですよね、で、その場所からあのタクシーたちを一眼レフで撮ってたら警備員が来て「一眼レフでは撮らないでください」とか言われて。「iPhoneならいいですよ」とかよくわからないことを言われたのでケンカになって(笑)。でもいまは撮影スポットになってるから、どっちで撮っても大丈夫。

―それもRKさんがきっかけ?

RK:完全にそうですね。

―じゃあみんながRKさんを模倣するようになってるんですね。

RK:でも僕も真似しますけどね。これも台湾のおじいちゃんか誰かのブログで見つけたんです。だけどそういうときは、ちょっと違う自分なりのポイントを作るんですよ。

「ネオン」をテーマにピックアップしたRK氏の写真たち

―ありがとうございます。では今回、HYPE DROPでPOP-UP開催中の「MCM」とのコラボTシャツについて。元はどんなきっかけだったんですか?

RK:僕が以前にアパレルでコラボした「POLIQUANT(ポリクアント)」ってブランドがあるんですけど。そこでPRをしてる人に「MCMでやってみない?」って紹介されたんです。それでいろいろ提案したんですけど、(MCM側として)Tシャツが一番しっくりきたみたいで。それでこの写真も社長が気に入ってるものをピックアップしてもらった感じです。

―この写真は元々はRKさんがSNSに上げてらっしゃったものなんですよね?

RK:そうです。(MCMからのオーダーに)「ネオン」みたいなテーマがあったんですよね。それに沿って複数枚ピックアップしたうちの2枚ですね。

「MCM x RK」のアイテム&RK氏の作品展示詳細

アイテム詳細

左「MCM x RK UNISEX SPECIALSELECTION SOUVENIR T-SHIRT "WHITE1"」 右「MCM x RK UNISEX SPECIALSELECTION SOUVENIR T-SHIRT "WHITE2"」

RK氏 作品展示の詳細

日時:開催中(2023年11月30日の20:00まで)
場所:HYPE DROP新宿店/〒160-0021 東京都新宿区歌舞伎町1丁目1−17 エキニア新宿1階
電話番号:03-6233-8280
営業時間:11:00〜20:00

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