白Tシャツの"黄ばみ"を落とすには? クリーニングのプロ「Baluko」直伝の洗い方を解説!

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白Tシャツの"黄ばみ"を落とすには? クリーニングのプロ「バルコ」直伝の洗い方を解説!について

ちゃんと洗っているはずなのに、ふと気がつくと首元が黄ばんでしまっている白のTシャツ。「洗濯しているのになぜ??」と、疑問に思ったことがある人は多いはずだ。

そこで今回、編集部が向かったのは新感覚のコインランドリーとして話題の「Baluko Laundry Place(バルコ ランドリープレイス)代々木上原」。クリーニングのプロであるバルコさんに白Tシャツが黄ばんでしまう理由を聞き、さらにその黄ばみを落とす洗い方も教えてもらった。お気に入りの白Tを長く愛用したい方は、ぜひチェックしてほしい。

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目次


Tシャツの黄ばみは時間差で現れる!黄ばみが発生してしまう理由とは?

白のTシャツを一枚で着る機会が増える春夏。オフシーズンだった秋冬を経て、久々にクローゼットから引っ張り出してみると、目に付くのは首元の黄ばみ。ちゃんと洗濯してからしまったはずなのに、半年寝かせるだけでここまで汚れてしまうなんて……。もはや白いTシャツは“消耗品”としてあきらめるべきなのだろうか?

「久々に着ようと思ったら首元が黄ばんでいるのは"Tシャツあるある"ですよね。お恥ずかしい話、私も自分自身が日常的に着るTシャツのケアは疎かにしてしまうことがあります(笑)。やはり、自宅でいつも完璧に洗濯するのは大変。衣替えでTシャツをしまう前に酸素系漂白剤を使った浸け置き洗いを行えば、黄ばみの発生を抑えて、お気に入りの一着をきれいな状態で長く着ることができますよ」

そう教えてくれたのは「バルコ ランドリープレイス 代々木上原」でクリーニングを担当する、岡田さん。

お話を伺った人

岡田優梨亜さん

株式会社OKULABが運営する「バルコ ランドリープレイス 代々木上原」にてクリーニングを担当。クリーニング師やジーンズソムリエの資格を活かし、幅広い衣類のケア方法を日々発信している

クリーニングのプロでもTシャツの黄ばみを経験したことがあるのは意外だが、裏を返せばそれだけ当たり前に起こり得ることとも言える。ではそもそも、Tシャツの黄ばみはどんな理由で発生してしまうのだろうか。

「汗で濡れたTシャツが一日や一週間で黄色くなるということは起こりにくいです。というのも、黄ばみの一番の原因は酸化した皮脂汚れ。皮脂が空気中の酸素に触れることで、白いTシャツは少しずつ黄色く変色していきます。つまり日々の洗濯で取り切れない皮脂の汚れがだんだんと蓄積していき、酸化して徐々に黄ばんでいくという流れになります」

今回、サンプルとして編集部が持参した無地の白T。海外ブランドのプリントTのボディに採用されることも多い「ALSTYLE(アルスタイル)」の一着
光の加減で分かりにくいが、首裏やリブの表側上部がうっすら黄ばんでいる。洗濯は定期的にしていたが、皮脂汚れがたまっていたようだ

黄ばみが目立つのはやはり首周りだが、人によっては脇下の変色が気になるという方もいるだろう。首周りや脇下がピンポイントで黄ばむ理由についても、岡田さんに聞いた。

「首周りが黄ばみやすい理由としては、体に密着する部分なので汗や皮脂が付きやすいことに加えて、ここは生地が重なり分厚くなっているため汚れが蓄積しやすいということも挙げられます。ワイシャツだと衿芯が入っていることも多いですよね。生地が厚い首周りには洗剤が染み込みづらく、繊維の奥の汚れに届きにくい。その結果、汚れが落ちていないということになりやすいんです」

「ずっと密着している首元に比べて、擦れが生まれやすいのが脇下の部分です。擦れによって生地の表面が毛羽立っていくので、汚れが奥に入っていきやすくなります。表面だけでなく、凹凸状になった生地の断面に汚れが入っていくイメージです。そういった理由で、脇も汚れが落ちづらい部分ですね」

まずは取扱表示タグを確認。40度のお湯と酸素系漂白剤で"浸け置き洗い"を実践

そんな黄ばみの予防に有効なのが、酸素系漂白剤を溶かしたお湯による"浸け置き洗い"。時間が経って出現してしまった黄ばみも、かなり落とすことができる。そして、いざ浸け置く前に確認すべきなのは取扱表示のタグだ。普段は気にする機会が少ないが、仮に丈夫なコットンのTシャツだとしても洗濯前にはチェックしておくべきポイントだという。

「コットン100%だと思っていても、他の素材が混紡されている場合もあるので取扱い表示のチェックは必須です。原理的にはコットン100%のTシャツには酸素系漂白剤を使って問題ありません。ただ、微妙な風合いが変化するリスクを鑑みて、アパレルメーカーさんによっては酸素系漂白剤の使用を不可としている場合もあります」

上段右2番目がASTM(米国試験材料協会)、下段右2番目がISO(国際標準化機構)の漂白処理の指定。斜線が入った三角マークは「酸素系漂白剤のみ使用可」を示している。塩素系漂白剤の使用は不可
ISOの表示に準拠してリニューアルした、新JIS(日本産業規格)の取扱表示。2016年以降に日本で販売されている衣類に関しては上記の取扱表示になる

via:全国クリーニング生活衛生同業組合連合会HP

今回は「ALSTYLE」のTシャツの取扱表示に従った浸け置き洗いを実践。用意したのは「バケツ」「40度のお湯」「粉末の酸素系漂白剤」だ。漂白剤の裏面に記載された分量を溶かしたお湯に、30分ほどTシャツを浸けていく。

「コットンは強い素材なので、汚れの度合いによっては60度くらいまで温度を上げても大丈夫です。効果を早く上げたいなら温度を上げてください。時間は30分〜2時間の間で、やはり汚れの度合いによって調節していただければ。生地にダメージを与え続けるのは避けたいので、2時間以上は避けたほうがいいですね。浸けた後はゴシゴシ擦ったりせず、そのまま放置して大丈夫です」

今回使った酸素系漂白剤「オキシクリーン」は“オキシ漬け”としてネットやSNSなどでもポピュラーになりつつある
お湯がまんべんなく浸かるサイズのバケツや桶があれば、2,3着まとめて浸けるのもあり。30分経過後に新しい水を入れて軽くすすぎ、絞って水気を切る。すすぎは水でもぬるま湯でも可

皮脂汚れをしっかり落とすには弱アルカリ性の洗剤で洗濯。低温乾燥で縮みを防止!

30分浸け置きし、軽くすすいだ後は洗濯機を使って自動で洗濯していく。黄ばみの原因となる皮脂汚れをしっかり落とすには中性よりも弱アルカリ性のほうが適しているそうだ。

皮脂や油系の汚れを分解する力は、中性よりも弱アルカリ性の洗剤のほうが強いんです。反対に油を分解する力はやや弱くなるものの、衣類の風合いをキープしながら洗えるのが中性洗剤のメリット。今回は『木村石鹸』という老舗石鹸メーカーが開発した『SOMALI(そまり)』という洗剤を使ったナチュラルコースで洗っていきます。『SOMALI』は弱アルカリ性なので、コットン系の衣類や皮脂汚れが気になる白いTシャツなどはこちらのナチュラルコースで洗っていただければいいかなと思います」

浸け置き後はバルコ ランドリープレイスに設置された洗濯乾燥機で洗濯。他の洗濯物がある場合は同時に投入してOK
今回はスタンダードコースではなく、石鹸由来の成分がメインの洗剤を使ったナチュラルコース(※左から3番目)を選択。乾燥が低温で行われるのも特徴だ。洗濯・乾燥合わせて70分ほどで終了

また洗濯には必須と思われがちな柔軟剤だが、コットンの衣類については必ずしも使う必要はないと岡田さんは話す。

柔軟剤は汚れや静電気を防いだり、繊維をコーティングし肌触りを良くする効能はあるのですが、どうしても繊維に成分が残ってしまいやすく、コットン本来の吸水性を阻害してしまうこともあるんです。ナチュラルコースでは柔軟剤の代わりにクエン酸を主成分にしたリンス剤を使っています。衣類に残った石鹸カスを取り除く効果があるので、コットンの衣類やタオル、シーツなど肌に触れるものの洗濯にはナチュラルコースでの洗濯をおすすめしています」

早く乾かしたいなら高温で乾燥させたほうがいい気もするが、ナチュラルコースの乾燥が低温に設定されている理由はなぜなのだろうか。

「通常は70℃なのですが、ナチュラルコースでは55℃ほどで乾燥しています。コットンは水に濡れた後に急激に乾かすと縮む性質があります。普通に吊り干しや平干しをしたとしても縮むくらいなので、乾燥機で急激に熱を加えると縮みの度合いはさらに大きくなりますね。低温乾燥であれば普通に吊り干しや平干しをした程度の縮み具合に抑えることができるので、シルエットの変化を防ぐには低温乾燥がおすすめです」

洗濯、低温乾燥を終えた一着。微細なシワは見られるが、元々ガシッとした質感のTシャツなので気にならない。また、シルエットの変化も見受けられない
首裏およびリブの表の黄ばみも落ちて自然な白さが蘇った。浸け置き洗いをしたおかげで、ボディ全体の色のトーンも明度が上がった印象だ

普段の洗濯のコツは"プレウォッシュ"と"裏返して洗濯ネット"の2点

今回、バルコ ランドリープレイスで実践した流れをまとめると「①取扱表示を確認→②酸素系漂白剤を溶かしたお湯で浸け置き洗い→③洗濯機で洗濯→④低温で乾燥」の4工程だった。浸け置き洗い以降はコインランドリーの設備を活用したが、気になるのは家庭での洗濯方法だ。黄ばみを防ぐ、または軽い黄ばみを落とすために自宅での洗濯では何を心がければいいのだろうか。

「そもそも汚れは付いた瞬間に洗うのが一番効率がいいんです。洗濯物を一週間溜める方もいらっしゃいますが、できれば毎日洗っていただくほうが汚れ落ちの部分ではいいですね。その際、汚れが気になる部分に"プレウォッシュ"という予洗いの処置をするのが効果的です。弱アルカリ性の洗剤と水を1対1で割ったものを作って、襟や脇など気になるところに吹きかけて15分ほどおく。まずはプレウォッシュを習慣にするだけでTシャツの洗い上がりは大きく変わってきます」

プレウォッシュ液は百均などで売っているスプレーボトルに入れて吹きかければいいそうだ。ただ、水と混ざることで洗剤の成分は変わるため、プレウォッシュ液は大量に作り過ぎずに一週間程度で使い切るようにしてほしいと岡田さんは話す。

「あとは特に風合いを変えたくないTシャツに関しては、裏返して洗濯ネットに入れていただくといいですね。余談ですが、社内ではよく『Tシャツはコットンニットだ』という話をするんです。コットンニットを洗うつもりでTシャツも洗うべきだよねって。実はTシャツも、目が細かいだけでコットンニットと同じ組成です。ある程度の伸縮性はあるけど、一度伸び切ってしまうともう元には戻りません。なので型崩れを防いできれいに着るためには、裏返してネットに入れる処置が効果的です」

「弱アルカリ性の洗剤をベースにして首や脇をプレウォッシュ、その後に裏返してネットに入れることを日々の洗濯の習慣にしてほしい」と話す岡田さん

しかし、型崩れが起きないように洗ったTシャツも干し方が間違っていたら元も子もない。洗った後はどう干すのがいいのだろうか。また「紫外線を浴びる外干しはNG」という洗濯の説も最近よく耳にするが、その点についても岡田さんに聞いた。

「針金っぽい細いハンガーは干した跡が残るので、肩部分に厚みがあるハンガーを使っていただくのがいいと思います。型崩れは濡れた状態から乾く過程で起こるので、ハンガーを首元から入れずに裾から入れるのもポイントですね。浴室乾燥機があるなら、そこで干していただいても構いません」

「また、Tシャツもさまざまな素材や色のバリエーションがあるため、紫外線に当たるといろいろな化学変化が起きる要素があります。できれば陰干しが望ましいですね。ただ、日光が絶対NGというよりは、干す時間とのバランスの問題。もし日光が当たる場所に外干しする際は、乾いたらすぐに取り込む意識で干せばいいと思いますよ」

クリーニング店のシミ抜きメニューを利用するのも一手

万一、プレウォッシュを施した日々の洗濯や、酸素系漂白剤を使った浸け置き洗いでも落ちない黄ばみはクリーニング店に依頼するのもひとつの手だ。黄ばみだけでなく、どうしても落ちないシミがあるお気に入りの一着もきれいに蘇るかもしれない。

「クリーニング店だからこそできる処置は、やはりドライクリーニング(※有機溶剤で油溶性の汚れを落とす方法)です。一般的な汚れは、水分を主体とした水溶性の汚れの上に、油溶性の汚れが膜を張っていることが多いんです。まずは油溶性の汚れを落とした後に水溶性の汚れにアタックできるのがクリーニング店ならではの強みかなと。やってみないと分からない部分はありますが、汚れの落ち具合に差が出せるのは間違いなくクリーニング店ですね」

有機溶剤など特殊な溶剤の他にも、超音波や熱を加えて汚れを落とす設備やノウハウを持っているのがクリーニング店ならではのメリットだろう。さらに「バルコ ランドリープレイス 代々木上原」なら、クリーニングの相談の前後にカフェスペースでゆっくりくつろぐこともできそうだ。

グレーと白を基調にしたスタイリッシュな印象の店内。洗濯を待つ時間も心地よく過ごせる
一般的なクリーニングメニューの他に、スニーカーやデニムに特化したケアのメニューも充実

「シミ抜きを行った後、専門的なプレウォッシュを施してからドライクリーニングやウェットクリーニングなどフルの工程を行うと見違えるほど白くなります。Tシャツのシミ抜きは『クリーニング料金+330円(税込)』から承ります。工程が多くなるともう少し料金をいただくことになりますね。頑固そうな汚れに見えてもドライクリーニングの溶剤だけできれいになる場合もありますし、薄い汚れに見えてなかなか落ちないパターンもあります。ご家庭で落ちないTシャツの汚れでお悩みの方は、まずはお持ちいただければと思います」

まとめ

実際に自分のTシャツを洗ってもらった身としては、浸け置き洗いを数ヶ月に一度行うだけでも黄ばみは防げそうだと感じた。また日々の洗濯前のプレウォッシュも難しい作業ではないので習慣にしてみたい。同店が近くにある方はランドリーやクリーニングのサービスもぜひ一度体感してみてはいかがだろうか?

Baluko Laundry Place 代々木上原
住所:東京都渋谷区上原3-29-2
TEL:03-6407-8415
営業時間:24時間(セルフランドリー)、9:00-20:00(クリーニング・洗濯代行・カフェ)
定休日:なし(年末年始・夏季休業あり)
Tシャツのメンテについてより詳しく知りたいなら『今日もバルコで』もチェック

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