「ラグは敷くだけでなく、アートとしても残せる」 タフティングアーティスト・RISAが語る、音楽や作品作りへの想い

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「ラグは敷くだけでなく、アートとしても残せる」 タフティングアーティスト・RISAが語る、音楽や作品作りへの想いについて

洋楽アーティストの顔やアルバムジャケットなどをモチーフにしたラグを「タフティング」と呼ばれる手法で作成するアーティスト・RISA氏とHYPE DROPのコラボが決定した。そこで本記事では、同氏が音楽・アートに目覚めたきっかけや、作品作りに対する想いを語ってもらった。

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RISA

1988年、山口県出身。デザイナー/イラストレーター/ダンサー。幼い頃からダンスを始め、その影響でHIPHOPをはじめとするブラックミュージックに目覚める。ダンサーとして活動していたが、あるイベントのフライヤーを作成したことでイラストレーターとしての経歴もスタート。現在では「タフティング」という手法を用いたラグ作品の発表も積極的に行う。

一人の恩師との出会いが、世界を大きく広げていく

–デザイナーやイラストレーター、ダンサーとして活動されているRISAさんですが、お仕事や作品を拝見していると、音楽、特にHIPHOPにルーツをお持ちなのかなと感じます。そこでまず、音楽やアートに目覚められたきっかけについてお伺いできますか?

小学一年生くらいのころ、母にダンススタジオの発表会に連れて行ってもらったことをきっかけにダンスを始めるようになりました。音楽のルーツとしては、そのスクールの先生の影響でマイケル・ジャクソンとかジャネット・ジャクソンを好きになっていったんですけど、成績が落ちちゃったりしたんで一度辞めてたんですね。

でも高校に入ったくらいのタイミングで別のスクールに通い始めて。そこで出会ったのが「New jack swing(ニュー・ジャック・スウィング)」というジャンルの音楽がお好きな、IPPOさんって先生で。HIPHOPをガッツリ…例えば「A Tribe Called Quest(ア・トライブ・コールド・クエスト)」の曲とかを流されてたんです。

そのIPPOさんからおすすめのミックスCDをいただいて聴くようになりました。なのでバックボーンにはダンスがあって、そこから音楽を調べていって、どんどん知っていってという流れです。


–そのころ、もう絵は描かれていたんですか?

私の姉が中学生くらいのころに漫画家を目指していて、家にいろんな種類のペンが置いてあったんです。それで一緒に絵を描いてて。アニメのキャラを模写したり、プリクラ帳の表紙を描いたりデコレーションしたりって感じで、絵は完全な趣味としてやってました。

その後、上京したときにIPPOさんから「フライヤーを作って欲しい」ってお願いされて。それが初めて、絵単体でお給料をいただいた"仕事"でしたね。10年経たないくらい前かな?


「HIPHOPの音楽は好きだけど、カルチャーはあまり理解してない」という気づき

–では当時は、お仕事・ご職業としては「ダンサー」さんだった?

そうです。でも、地元の山口県から「ダンサーになりたい!」と思って上京してきたんですけど、なかなかうまくいかなくて。バイトで「どうせなら好きな絵を描く仕事がいいな」と思って「Illustrator」とか「Photoshop」とかが使えるような内容の仕事…例えばLINEスタンプや、カメラアプリのモーション作るような会社で働いてました。

その時はダンスのインストラクターの仕事よりも、イラスト系の仕事の収入の方が大きくなってて。それを見たIPPOさんが、フライヤーの仕事を依頼してくれたって流れです。

そのフライヤーは「House Party(ハウスパーティ)」ってイベント用のものだったんですけど「好きに描いていいよ」って言われてたんですね。それで私は「HIPHOPのダンスイベントだから、HIPHOPのアーティストとかをコラージュした内容にしよう」って思って作ったんです。

でもIPPOさんから「これってオールドスクールに特化したイベントじゃないし、アーティストの混ぜ方にも違和感があるし。そもそも『ハウスパーティ』ってタイトルなのに『Kid 'n Play』(イベント名の元となった映画『House Party』の出演アーティスト)が入ってないのはなんで?」って言われて。

でも改めてそのフライヤーを見直したら、確かにかなりごちゃごちゃだなと。そこで「私ってHIPHOPの音楽は好きだけど、カルチャーのことはあんまり理解してないな」って気づいて、もっと勉強したいなって思ったんです。あとは「フライヤーで描いたキャラクターで、ジャケットを絵で描いてみたら面白そうじゃない?」って言ってもらって。それをきっかけに、ジャケットシリーズを描き始めたという感じです。


-いまお話に出たジャケットのイラストについて。「1,000枚分のイラストを描く」というのを目標にされていますが、いま現在ですと何枚くらい完成しているんですか?

いまは500枚いかないくらい…490枚くらいですね。最初は80〜90年代のニュー・ジャック・スウィングの「Guy(ガイ)」とか「Heavy D & The Boyz(ヘヴィ D&ザ・ボーイズ)」「Bobby Brown(ボビー・ブラウン)」とかを描いてたんですけど、そこだけに絞ってたら1,000枚いかないし、自分の知識も広がらないなって思って。


でもちょうどその時にIPPOさんから「『James Brown(ジェームス・ブラウン)』と『Miles Davis(マイルス・デイビス)』をアートで描いて欲しい」って言われたんです。私としては「いつも描いているものと違うジャンル、年代のアーティストになるな」って思うと同時に「そもそもなんで自分は80〜90年代にこだわってんだろ?」っていう思いも生まれて。

「80〜90年代の曲って、サンプリング元として60〜70年代の影響も強いよね。そこをもっと掘っていった方が絶対楽しい。それに新譜だってチェックした方がより楽しいし、勉強になるな」ってなった結果、いまは逆に1,000枚に収まらないんじゃないかって思ってます(笑)。


自分のアートが"世代間の橋渡し"になれば

-なるほど、ありがとうございます(笑)。ではこのあたりで、RISAさんの作品ジャンルの一つである「タフティング」についても伺っていきたいのですが、これはどういったものなのか?をご説明いただけますか。

はい。タフティングっていうのはラグを作る手法のことで、タフティングガンという…わかりやすく言うと「ミシンの毛糸バージョン」みたいな手持ちの機械で毛糸をラグ専用の布に縫っていくものになります。


ここ最近、誰でもできるような家庭用のものがコロナ禍で広がっていきました。私もちょうどそのころに展示がなくなってしまって、できることを増やしていかないとなって思ってた時期だったので、YouTubeでタフティングの映像を見かけて「めっちゃ楽しそう!」ってなって。

それで「KEKE」さんという会社のタフティングの東京でのワークショップに行こうと思ったんですけど、予約がすぐに埋まっちゃうんです。それで「これ、待ってたら出遅れるわ」と思ってまずは独学で始めて。いまは「ラグを敷く」っていう概念を変えたいなと思って、平面のアイテムだけでなく立体物も作ったりしてます。


-そういった創作活動に対する「作りたい」という欲求って、どこから生まれてくるんですか?

個展と違って、他の方の作品が見られるグループ展で生まれることが多いです。今年の初めに渋谷PARCOで開催された「POP&STREET AN ANNUAL 2023」も、特に自分の好きなグラフィティアーティストさんやイラストレーターさんが参加されるもので。自分の中で気合を入れた、新しい絵やラグを作って持っていったんです。

でも現場に行ったら、他の人の作品にやられて。そもそも額縁の時点でぜんぜん違う。インパクトがすごい。それに絵も大きいし、クオリティが高い。中でも影響を受けたのは「Gravityfree(グラヴィティフリー)」さんという、お二人で絵を描いてらっしゃるユニットの方々で。作品から温かさとパワーをものすごく感じました。

自分の作品を見に来てくれたお客さんも、吸い込まれるようにそちらに足が向いてしまうくらいヤバくて「すごいな!」という気持ちがある反面、悔しさもあって。そこから次はもっとクオリティ上げなきゃって気持ちになるので。そういったことが、次の作品への創作意欲に繋がります。


-ご自身の作品の"こだわりポイント"を教えていただけますか?

ただジャケットを描いているというよりも、ダンスを続けながら、常に曲について勉強しながら描いている。あと、自分より若い世代や逆に先輩の世代と話す機会も多いんですけど、人によっては「昔のHIPHOPしか好きじゃない」とか、逆に「昔のHIPHOPってダサいよね」って方もいらっしゃるんですね。でも私はどっちも好きで、今には今の、昔には昔の良さがあると思っていて。

それを「RISAさんのアートで知ったアーティストの曲、聴いてみたらめっちゃ良かったです!」とか、私の絵を通して知ってもらうこともあって。なので、おこがましいかもしれないんですけど、アートが"世代間の橋渡し"になればって思ってます。


-あるインタビューの記事で「キース・ヘリングに影響を受けている」とお話になっていたので印象的でした。

そうですね。キース・ヘリングってシンプルじゃないですか。めちゃくちゃ上手なグラデーションを多用しながら作り込んでるとかってワケじゃないけど、すぐに彼の作品って分かるし、みんなが「可愛い!」って欲しがる。私も美大とか行ってないし、絵の上手さで言ったらまだまだぜんぜんだと思うんです。でも自分にしか出せない"アジ"はあるなって、やりながら感じてます。だから、イラストの目「sleepy eye」が武器でもあります。


RISA氏の作品は「眠そうな目=sleepy eye」が特徴とされる

前に3人でHIPHOPのグループ展をやった時に、他の2人の作品がすごくてちょっと自信がなくなっちゃってたんですね。でも、たまたまその会場の近くで壁画をやってらした、Kensuke Takahashiさんっていう半端なく絵が上手いアーティストさんが見に来てくださって。「この"目"を武器にするって、すごく強いと思うよ」ってボソって言ってくれたことが、めっちゃ大きかったんです。

あんなにすごいクオリティの絵を描く方が、私のシンプルな絵の特徴を見つけてくれるのなら、そこは自信持ってやっていかなきゃなってなったので。だからこの目(sleepy eye)はこだわり続けて描いていきたいなって思ってるポイントではあります。


「ラグは敷くだけじゃなく、アートとしても残せる」

-そんなこだわりを持って製作されたアイテムですが、今回、HYPE DROPとコラボさせていただいたのがこの辺りですね。エクスクルーシブモデルもありつつ、受注アイテムもありつつ。

そうですね。ラグだけでなく、Tシャツも展開しています。


-スニダン原宿店での7/29(土)から8月6日(日)までのポップアップストアだけでなく、7月29(土)と30(日)の二日間はライブタフティングも開催されるということで。モチーフは決めてらっしゃいますか?

内緒です(笑)。時間があったら来場者の方にもタフティング体験してもらおうかなって思ってます。


-さきほどもおっしゃっていましたが、これらのラグも「床に敷くのではなく飾って欲しい」と。それぞれに「一緒に飾って欲しいスニーカー」があれば教えていただけますか?

そうですね。例えばトラヴィスだったら「Travis Scott × Nike WMNS Air Jordan 1 Low OG "Medium Olive"」、ビリーだったら「Billie Eilish × Nike Air Force 1 High '07 SP "Mushroom"」とかかな?


「Travis Scott × Nike WMNS Air Jordan 1 Low OG "Medium Olive"」をチェックする 「Billie Eilish × Nike Air Force 1 High '07 SP "Mushroom"」をチェックする

-ありがとうございます。では最後に将来の展望について伺えますか?

この5年くらいは国内で活動してきたんですけど、ありがたいことに最近は海外からもご連絡いただいたりするので。そういった展示などの活動を通じて、反応を見たりしつつ海外でも挑戦してみたいなと。

そして最近だとタフティングやる人もHIPHOPのイラストを描く人も増えてるので、自分の作品の幅を広げていって。「ラグは敷くだけじゃなく、アートとしても残せるんだよ」ってことを、活動を通して伝えていけたらなって思ってます。

展示ももちろんですが、今後の作品作りも楽しみにしていてください。


「RISA × HYPE DROP」POP-UP STORE&ライブタフティングの詳細

POP-UP STOREの詳細

HYPE DROPにて、アーティストRISA氏のアイテム販売を7/29(土)12:00からスタート。またスニダン原宿店にて、以下の日程でPOP-UP STORE&ライブタフティングを開催。
※当初、オンラインにて7/29(土)11:00発売開始予定でしたが、同日の12:00開始に変更させていただきます。POP UP STOREでは予定通り、7/29(土)11:00発売となります。

POP-UP STOREの開催日時:2023/7/29(土)〜8/6(日) 11:00~20:00
ライブタフティングの開催日時:2023/7/29(土)11:00~20:00 30(日) 14:00~19:00
場所:スニダン原宿店/東京都渋谷区神宮前4-28-25 FUJIBUILDING JINGUMAE 1・2F

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