人気復活の兆し! NEXTナイキの注目モデルは"コルテッツ"だ|コラムについて
毎シーズン、見逃せないさまざまなモデルが登場するNike(ナイキ)。実はシーズンごとに主役としてプッシュされているモデルがあるのをご存知だろうか?
ずばり2023年は"Cortez(コルテッツ)"だと噂されている。最近はコラボレーションモデルのベースにも選ばれることが増えてきた、このシューズ。
改めて、その誕生の歴史から現在までの流れを追っていこう。
ナイキの歴史において欠かすことのできないモデル、それが"コルテッツ"だ
via:43einhalb
今では"Air Jordan (エアジョーダン)"シリーズや"Dunk(ダンク)"、"Air Force 1(エアフォース1)"の陰に隠れた玄人モデルのイメージが強いが、実は"コルテッツ"はナイキにおいて重要な一足。いや、もっとも重要な存在であるといっても過言ではない。
それはなぜか?知るにはまずナイキの歴史を遡る必要がある。
ナイキの誕生は創業者である「Phil Knight(フィル・ナイト)」が日本の神戸でOnitsuka Tiger(オニツカタイガー)に出会い、その品質を気に入ってアメリカに戻った後、1962年に販売権を取得したことから始まる。
帰国後、フィルは元陸上競技のコーチであった「Bill Bowerman(ビル・バウワーマン)」と共同で「BLUE RIBBON SPORTS(ブルーリボンスポーツ)」社を設立。これがナイキの前身となった会社だ。
ブルーリボンスポーツ社はオニツカタイガーのランニングシューズをアメリカ国内で販売するようになり、やがて製品開発にまで関わるようになった。
そうして誕生したのが"タイガーコルテッツ"というモデル。軽量かつクッショニングに優れたこの一足は、瞬く間に陸上界に名を轟かせ、同社の看板商品に。
しかし、ブルーリボンスポーツ社はオニツカタイガーと1971年に提携を終了。ブランド名をナイキに変更し、伝説の一歩となる新たなスタートを切った。
このタイミングでナイキは自社でシューズを製造。人気のあった”タイガーコルテッツ"にスウッシュを縫い付けた"ナイキコルテッツ"を発売したというわけだ。
via:grailify
ここで疑問に残るのがオニツカタイガーのコルテッツはどうなったのかということ。
実はそれぞれがコルテッツという名称を使用していたため、法廷闘争にまで発展している。
結果は、現在のモデル名にあるとおりナイキが勝利。
"タイガーコルテッツ"は"タイガーコルセア"と名称を変更せざるを得なくなった。
このように、ナイキの"コルテッツ"はブランドを語るうえでは決して避けて通れないモデルとなっている。
まさにナイキの始まりを象徴する代表的な一足だ。
あの名作映画にも登場!
via:43einhalb
当時、革新的なスニーカーであったコルテッツは、今なおヒューマン映画として高い名作映画「フォレスト・ガンプ/一期一会」 にも登場している。
名優「Thomas Jeffrey Hanks(トム・ハンクス)」演じる、フォレストが履いていたのが、トリコロールカラーで彩られたこのスニーカーだった。この一足に衣装として白羽の矢が立ったのは、やはりその革新的なディテールが注目を浴びたからであろう。
特に際立っていたのがソール。当時、単一のスポンジ素材でソールを形成することが多かったのだが、このスニーカーは固めのスポンジラバーをやわらかいスポンジラバーで挟み込むというサンドイッチ構造になっている。
これによりクッション性が飛躍的に高まり、ランニングスニーカーとして歴史に名を残すほどのパフォーマンスを発揮することができたのだ。
実際、劇中でも主人公フォレストはこのコルテッツを履いてアメリカ横断のランニングを始め、達成しているのが描かれている。
偉業を成し遂げるために必要な足元として、このスニーカーが選ばれたというわけだ。
一時期は市場から消えたが、近年はコラボレーションモデルが続々とリリースされるように
via:sneakernews
そんなコルテッツはここ数年、定番モデルでありながらリリースが止まり、たまにコラボレーションモデルが登場するにとどまっていた。
それはなぜか?推測するに、あえてリリースを止めることで過剰供給にならないように調整し、そのシューズの価値を高めていたように思われる。
実際、adidas(アディダス)は"スタンスミス"を過去にインラインからリリースすることを一旦止め、その数年後に大々的に復刻と打ち出していた。
同じようにコルテッツが誕生50年を迎えた昨年、UNION(ユニオン)、sacai(サカイ)とのコラボレーションモデルが登場したあたりから、これまで以上にコルテッツをベースにしたリリースが相次ぐようになってきている。
ここで改めて、直近でコラボレーションモデルとなった代表的な2足を振り返ってみよう。
UNION × Nike Cortez(ユニオン × ナイキ コルテッツ)
via:kicksonfire
"エアジョーダン1"以降、注目を集め続けるユニオンとのコラボレーション。その中でコルテッツをベースにしたモデルがこちらだ。
アッパーにはスウェードとキャンバス素材が使用されており、ユニオンを象徴するピスネームやコルク素材のインソールなど、コラボレーションモデルらしいディテールが満載。長きに渡りシーンで愛されてきたクラシカルなシルエットに、ユニオンの本拠地LAの多様なカルチャーが表現され、それがカラフルなアッパーの生地に落とし込まれている。
また、未来にも目を向けるべく、使用する資源にもフォーカス。
コルク素材のインソールやリサイクル素材を混ぜ込んだクレーターフォームのミッドソールなど、サステナブル要素を含む素材を採用している。着こなしの足元に映える素材の切り替え、インパクト抜群な仕上がりは流石のひと言だ。
sacai × Nike Zoom Cortez (サカイ × ナイキ ズーム コルテッツ)
via:bstn
サカイとナイキの取り組みでお馴染みになった、履き口やスウッシュ、シュータンを2つに重ねるディテールは健在。
カラーリングは原点でもあるトリコロールカラーが登場。遅れてシックなネイビー&グレーの二色がリリースされた。
アッパーの素材は、コルテッツが誕生した当時を思い起こさせるナイロンとスウェードを使用。そして、その前足部に最新のズーム エアクッショニングを配しているのが特徴だ。
また、切り込みの入ったミッドソールは、オリジナルモデルのウェッジ型デザインを継承している。クラシックなアッパーと重ねられたデザインやソールが感じさせる近未来の要素。これらが見事に融合した仕上がりで、唯一無二の存在感を放っていた。
そんな中、待望の新作が続々と登場
数年間インラインでのリリースが滞っていたコルテッツ。去る2月についに新作が登場した。
Nike Cortez "White and Black"(ナイキ コルテッツ "ホワイト アンド ブラック")
via:prtimes
新たな幕開けを象徴するかのようにフレッシュな純白のスムースレザーでアッパーを構築した今作。
スウッシュからヒールにかけてはブラックのタンブルレザーを採用しており、往年の細身のラストは色褪せないスタイリッシュなムードを演出してくれる。
また、クラシックな雰囲気が薫るセイルカラーのミッドソールには、爽やかなライトブルーのアクセントが加えられ、ワンポイントとして活躍。
メンズ、ウィメンズともに販売直後にゴールデンサイズはソールドアウトしてしまったほど。そのことからもどれだけ待ち焦がれていた人が多かったかがわかるはずだ。
また、クラシック回帰とも言われる昨今のムードに非常にマッチングする見た目なのも、人気を後押ししている。
Nike WMNS Cortez "Gorge Green and Malachite"(ナイキ ウィメンズ コルテッツ "ゴージグリーン アンド マラカイト")
via:baitme
続けて2023年4月に、70’sらしい風合いと昔懐かしいカラーリングをまとった一足、新色"ゴージグリーン アンド マラカイト"が登場。
今作では、アッパーをセイルカラーのレザーで構築。グリーンのスウッシュが存在感を引き立たせ、昔懐かしい配色に仕上がっている。
これらに続くように直近でもコルテッツの新色が続々とラインナップ予定だ。
ミッドナイトカラーの上品なネイビーレザーをアッパー全体にあしらった一足は、まさに往年のコルテッツを彷彿とさせる見た目。また、海外リーク情報からもリリースが続くことが見受けられる。
今後、目を離せないモデルであることは明白だ。
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