【セリーヌの歴史】デザイナーの遍歴や代表作を解説!!【コラム】について
フランスの人気ブランド、CELINE(セリーヌ)。上品でフェミニンなデザインで、20代~30代をはじめとする幅広い年齢層から支持されています。
今回は、そんなセリーヌの歴史やデザイナーの遍歴、それぞれの時代に生まれた代表作などを解説します。
目次
CELINE(セリーヌ)とは?
画像引用元:dazeenCELINE(セリーヌ)は1945年にセリーヌ・ヴィピアナとその夫が創業したラグジュアリーブランドです。
創業当初は子ども向けの革靴専門店でしたが、レディースの靴や香水、バッグなど徐々に手を広げ、1967年からはプレタポルテ(既製服)をスタート。上品でベーシックなデザインで、セレブリティを中心に高い人気を得ます。
フランスのファッションシーンを席巻する勢いがあったものの、年代を経るにつれてブランドは徐々に失速。一時は低迷期をさまよいましたが、1987年にアンガッシュ社の傘下に入った後に経営改革を開始。ブランドとしての力を取り戻しました。
数あるアイコンバッグのなかでも高い人気を誇るのが「ラゲージ」。特徴的な台形のシルエットに丸みを帯びた装飾がほどこされており、フェミニンな雰囲気と品格を兼ね備えています。
ほかにも愛らしいデザインの「ハート」やビジネスシーンにもなじむ「16(セーズ)」、シンボルマークの金具があしらわれた「トリオンフ」なども人気です。
セリーヌのデザイナー遍歴
セリーヌはその長い歴史のなかで、数々の有名デザイナーと歩んできました。そして、デザイナーたちはそれぞれの時代を象徴する名品を世に送り出しています。
ここからは、4人の歴代デザイナーの残した功績や代表作について解説していきます。
セリーヌ・ヴィピアナ(1945~1997年)
画像引用元:themarketheraldまずは、ブランドの創業者でもあるセリーヌ・ヴィピアナ。ブランドの立ち上げから52年にわたりデザイナーをつとめてきました。
セリーヌ・ヴィピアナの功績
1945年の創業時には、セリーヌは子ども向けの靴専門店でした。この際、セリーヌ・ヴィピアナが考案したのはデザインだけでなく、医学的見地からも優れた靴。さらに、上質な革を使って一流の職人が仕上げたことから、またたく間にフランスの上流階級の間で流行しました。
セリーヌが婦人靴に参入したのは1959年。馬具を模した装飾のモカシン「インカ」がヒットし、ブランドはさらに躍進を遂げます。
1967年からは、満を持してプレタポルテ(高級既製服)に進出。バッグや香水、靴とともに大好評となり、「B.C.B.G.(上流社会のフレンチカジュアル)」を代表するブランドとして広く知られるようになりました。
セリーヌを立ち上げフランスのファッションシーンを牽引するまでに成長させたこと、今も愛される数々の名品を生み、長きにわたりブランドに寄り添い続けたことがセリーヌ・ヴィピアの大きな功績と言えるでしょう。
セリーヌ・ヴィピアナの代表作
セリーヌ・ヴィピアナの代表作としてまず挙げられるのが「サルキー」。セリーヌのブランドモチーフともなったサルキーは、二輪馬車をイメージしたモノグラム柄です。
ほかにもセリーヌの頭文字「C」と二輪馬車を掛け合わせた「Cマカダム」や石畳の道路を模した「マカダム」など、現在でも高い人気を誇る柄を生み出しています。
これらの柄はバッグを中心に用いられており、セリーヌを象徴するタイムレスなアイテムとして幅広い年齢層から愛されています。
また、発売当初に大好評を博したモカシン「インカ」は、今もトラッドスタイルを中心に人気のデザインです。馬の轡(くつわ)を模した金具がカジュアルな雰囲気にセリーヌらしい、上品なアクセントを加えています。
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マイケル・コース(1997~2004年)
画像引用元:crfashionbook長らくチーフデザイナーをつとめたセリーヌ・ヴィピアの後任をつとめたのがマイケル・コース。自身のブランドを持つマイケル・コースは、セリーヌとどのような歴史を歩んだのでしょうか。
マイケル・コースの功績
流行が移り変わるとともに、セリーヌは失速の憂き目にあいます。この流れを変えたのが、まず1987年アンガッシュ社への吸収・合併。そして経営を立て直した後、LVMH傘下に移ったセリーヌがデザイナーとして招いたのがマイケル・コースです。
アメリカの大学でデザインを学んだ後、国内で成功をおさめていたマイケル・コースは、セリーヌでも持ち前のセンスを発揮。ベーシックで洗練されたデザインが特徴だったセリーヌにスポーティテイストをミックスし、時代の流れに沿ったアイテムを次々と発表しました。
さらにこの時期、マイケルコースは「抱擁」や「バンディッツ」といった大ヒット映画の衣装をデザインしたことでも知られています。
マイケル・コースの功績は、セリーヌの特徴を生かしつつ新風を吹き込み、自身の実力と知名度を駆使して若い世代のブランド人気を再燃させたことにあると言えるでしょう。
マイケル・コースの代表作
マイケル・コースの代表作としてまず挙げられるのが「パリ・マカダム」
セリーヌを代表する柄である「マカダム」ですが、廃版となっていた時期がありました。マイケル・コースは「マカダム」を復刻。パリの凱旋門を取り囲むチェーンにインスパイアを受け、石畳をイメージした「マカダム」の柄にチェーンのモチーフをプラスしました。
さらに、バッグの生地にはデニムを採用。ラグジュアリーとカジュアルを兼ね備えたパリ・マカダムはアメリカを中心に大好評を博しました。
「パリ・マカダム」と双璧を成すマイケル・コースの傑作に「ブギーバッグ」
も挙げられます。長方形のシンプルなフォルムが特徴のブギー・バッグは、幅広い装いになじむベーシックなデザインと高い機能性が特徴。他の有名ブランドと比べて比較的手に入りやすい値段だったこともあり、こちらもアメリカをはじめヒットとなりました。フィービー・ファイロ(2008~2017年)
画像引用元:sumally2008年からセリーヌのクリエイティブディレクターとCEOを兼ねて就任したのがフィービー・ファイロです。マイケル・コースの力で復活を果たしたセリーヌは、フィービー・ファイロの着任でどのように変わったのでしょうか。
フィービー・ファイロの功績
パリに生まれ、ロンドンでファッションを学んだフィービー・ファイロは、セリーヌを訪れる以前はクロエで活躍。クロエのカジュアルラインである「シーバイクロエ」をスタートするなど、確かな実力を持つ新進気鋭のデザイナーでした。
世界のトレンドを牽引する存在として知られるフィービー・ファイロの影響力は大変強く、セリーヌ在任中に発表した数々のアイテムは現在でも多くのファンに愛され続けています。前任2人が守ってきたセリーヌの品格を受け継ぎつつも、インパクトのあるデザインとクオリティの高さでたびたびブームを巻き起こしました。
ファッションシーンに舞い戻ったセリーヌを、モードのトップを走る存在まで引き上げたのがフィービー・ファイロの功績と言えるでしょう。
フィービー・ファイロの代表作
フィービー・ファイロの代表作は実に数多く存在しますが、なかでもよく語られるのが「ラゲージバッグ」です。セリーヌを象徴するバッグとして知られるラゲージバッグは、大きなマチや台形のシルエットが特徴。大きく開かれた口やフロントのジッパー付きポケットなど、デザイン性と機能性が両立されたバッグは世界中から愛されています。
ファッション誌のエディターやセレブに愛用されているのが「クラシックボックス」
。なだらかでコンパクトなフォルムは、肩掛けとしてもクラッチとしても使えるため、幅広いシーンで重宝されます。2015年に発表された「ソフトバレリーナ」もまた、フィービー時代のセリーヌの代表作。足を包み込むように絞ったデザインが特徴のソフトバレリーナは、斬新なデザインだけでなく履きやすさにも定評があります。
ベーシックながら洗練を極めたデザインがタイムレスに使える「クロンビーコート」も有名作。カラーバリエーションや素材の多彩さも人気の一因です。
エディ・スリマン(2018~2022年現在)
画像引用元:Forbes Mexico2018年~2022年現在に至るまでセリーヌのクリエイティブディレクターをつとめているのがエディ・スリマン。天才の呼び声高いエディ・スリマンは、セリーヌ就任以前はイヴ・サンローランやディオール・オムで活躍しました。
エディ・スリマンの功績
デヴィッド・ボウイをはじめさまざまなミュージシャンからインスパイアを受けるというエディ・スリマンは、ミュージシャンの写真を数多くおさめた写真集を発売するなどフォトグラファーとしても活躍しています。
エディ・スリマンの就任後、まず大きく変わったのがセリーヌのロゴです。フランス語を用いたものから新フォントの「CELINE」へと切り替わることで、ブランドの新時代の幕開けが示されました。
ロックなエッセンスを感じさせるエディ・スリマンのセンスは、セリーヌでもいかんなく発揮されています。
また、従来のセリーヌのメンズラインを「セリーヌオム(CELINE HOMME)」に名称変更。新生メンズラインのファッションショーは多方面から絶賛。自身も次々と進化を遂げる若き天才デザイナーが、今後どのような作品を見せてくれるのか期待が集まっています。
エディ・スリマンの代表作
2022サマーコレクションで発表されたのが「エレファントジーンズ」。90年代のスタイルからインスパイアされたルーズなシルエットは、ランウェイではレザーやスパンコールを使用したトップスとコーディネートされ、ひときわ注目を浴びました。
エレファントジーンズと対照的なタイトなシルエットが特徴の「ミッドウエストストレッチデニム」もセリーヌオムの注目アイテム。幅広いアイテムと合わせやすいデザイン性の高さだけでなく、履き心地の良さも特徴です。
エッジの効いた小物も見逃せません。華やかな柄が描かれたスリッポンシューズやバイカラーのメタルブレスレット、複数の色合いをつなぎ合わせてステッチをほどこした「クロード パッチワーク ブーツ」など、エディ・スリマンのセンスが光るアイテムはぜひチェックしておきたいところです。
まとめ
この記事では、フランス発の人気ブランド・セリーヌの歴史や歴代デザイナー、それぞれの功績や代表作を解説しました。
子ども向けの靴専門店としてスタートしたセリーヌは、長い歴史の中でデザイナーたちと共にさまざまな変遷を経て、若い世代からも注目される名ブランドであり続けています。
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