THE SNKR #02 atmos 小島奉文

THE SNKR
#02 小島 奉文

「atmos」独自のスニーカーを提案しつつ、世界中に「atmos」を広めたい

お気に入りのスニーカーをきっかけに、ゲストとスニーカーの関係性を紐解く、スニーカーダンクの新連載「THE SNKR」。
今回は、世界的人気を誇る東京発のスニーカーショップ「atmos」のディレクター・小島奉文さんが登場。世界中のスニーカーフリークにとって神的な存在と言っても過言ではない小島さんのプライベートなスニーカー事情や、世界を取り巻くリアルなスニーカートレンド、さらにはスニーカーシーンの今後の流れに至るまで幅広くうかがいました。

写真:淺田創 (SECESSION)
インタビュー・文:オオサワ系

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小島さん直筆サイン入りスニーカーを1名様にプレゼント!

小島さん直筆サイン入り
atmos AIR MAX 1 ”ELEPHANT”を1名様にプレゼント!

撮影時にサインを頂きました「atmos AIR MAX 1 ”ELEPHANT” (2017)」を1名様にプレゼント。
28cm / シューボックスに直筆サイン入り

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小島さんはスニーカーのオーソリティとして認知されていますが、そもそもスニーカーに興味を持つきっかけになったのはファッションだったんですよね?

そうですね。16歳のころから原宿に通い始めたのですが、ちょうど裏原ブームの時で。最も影響を受けたスニーカーが〈ナイキ エアマックス95〉と、〈ナイキ エアジョーダン1〉です。
当時はインターネットも普及していなかったですし、情報源は『Boon』や『asayan』といったメンズのファッション雑誌だけだったので、隅々までチェックしていました。
その当時からカリスマ的な人気だったNIGOさん(元〈A BATHING APE、現〈HUMAN MADE〉プロデューサー)やジョニオさん(=高橋盾〈UNDERCOVER〉デザイナー)たちが文化服装学院の出身だったこともあり、そこに憧れて僕も文化に進学しました。ただ在学中はあまり勉強はしてなかったですね。昼休みになると原宿に並びに行ったり休日は代々木公園や新宿野村ビルで開催されていたフリーマーケットなどに行ったり毎日ファッション漬けの日々を送っていました。
その中でも当時からとにかくスニーカーが好きだったので、どうせ働くなら好きなことをしようと思い卒業後はアルバイトから今の会社に入りました。ただ今考えると、その後20年も働くなんて思ってもいませんでしたけどね(笑)。
単純にスニーカーが好きだったから続いたんでしょうね。他の仕事をしようと思ったことが無いんですよ。

atmos小島奉文のインタビュー写真1

atmosコラボのデザインは小島さんが担当していますが、デザイン業はどうですか?

今は『atmos』の規模もかなり大きくなり、1人で全ては出来ないので若手のチームを編成して、彼らにもデザインに参加をしてもらっていますが、やっぱりプレッシャーはありますよね。
大きな金額が動くわけですし、世界的ブランドの世界規模の企画の物もあるので。
特に〈ナイキ〉、〈アディダス〉はスポーツ業界のトップブランドですし、つねに斬新なものを求めているので、既視感のある、ありきたりなデザインは通らないです。
特にうちのお客さんは普通に無いものを求めて来られる方が多いので、ハードルは高いですが、その分やりがいはあります。

ちなみに男女や年代別に売れるスニーカーの傾向ってありますか?

ありますね。若い世代はプレミアムモデル中心になっているのが現実ですよね。
逆に僕ら世代の30-40代は自分の好きな物が固まってきているので、全ての層にバランスよく響く商品はなかなか難しいとは思います。また国やエリアによっても全然異なります。それが面白いですよね。

小島さんも抽選に参加するんですか(驚)?

僕もたまにNIKE SNKRSやりますよ。けど全然買えないですけど(笑)。ちなみに先日のSPACE HIPPIEのハイカットにトライしましたがやはり買えなかったです(笑)。
うちのお店でもWEB抽選をやりますが「本当に抽選をやっているのか?」って言われたりもしますが、やっぱり〈ナイキ エアジョーダン1〉とかの人気モデルになると何万件もの抽選の申し込みが来て、その中で当選をしなきゃいけないわけですから、正直なかなか当たらないですよね。
逆に普通に店頭にずっと並んでて、誰でも買えるようになっていたら、買うのかってことを考えたらそうじゃなくて、やっぱり常に無いから欲しくなるんですよね。その辺の需要と供給のバランスが、〈ナイキ〉は上手だなってほんと思います。

では今の学生におすすめのモデルって何ですか?

まだ学生だと金銭的に余裕もないでしょうから、たくさん何足も買えないと思うんですよね。僕の個人的におすすめなのは各社さんの定番人気モデル。
〈ナイキ〉ならエアフォース1エアマックスシリーズ、〈アディダス〉ならスーパースター、〈コンバース〉ならオールスターとか。アイコンとなっているモデルは、どんな着こなしにも合う汎用性の高いデザインのものですし、良いと思います。まずはそこからスタートして、もっと色々履いて試してみるのは大事だと思います。
そして最終的に自分に合うモデルを探してもらえたらなと。僕も昔はほぼ全ブランドのスニーカーを履いて最終的にはこれだってのが見つかりましたので。履いてわかることっていっぱいあると思います。

学生でもプレミアムスニーカーを買う人は多い?

プレミアスニーカーを頑張って買っている人もたくさん居ると思いますよ。オシャレに興味のある若者は個性を出したい、友達と違うモデルを履きたいっていう思いがあると思います。でもその気持ちは大事だし理解できます、僕も昔はそうだったので。
あとはSNSの普及で有名人が履いてると欲しくなったりっていう心理も大きいかと。今一番影響力があるのはトラヴィス・スコットじゃないですかね。

なるほど。では、社会人3年目くらい、少し余裕がある世代におすすめは?

今だとナイキで言えば〈ナイキ エアジョーダン1〉と〈ナイキ ダンク〉です。人気なだけに入手困難ですが、少し頑張れば買えるのでそこは頑張ってもらえたらいいなと。他には〈ニューバランス〉のMADE IN USAシリーズなどもおすすめです。

atmos小島奉文のインタビュー写真2

では、男子ウケ抜群の女子におすすめのスニーカーは?

偶然にも「彼女に履いて欲しいスニーカーは?」っていうテーマで、社内の男性スタッフと先日議論をしたばかりです(笑)。最終的に〈コンバース チャックテイラー〉のハイカットで、色はブラックという意見が多かったです。やはりあれが一番だと(笑)。合コンで履いてたら嬉しいなどの意見もありました。
しかも日本未発売のチャックテイラーとかだったら「こいつわかってる!」ってなって、多分男性からの評価もぐっと高まるんじゃないですかねって個人的な見解ですが。

ありがとうございます。ちなみにスニーカーダンクはご覧になったことありますか?

1日1回は見てますよ。アプリのプッシュ通知も毎日きますしね(笑)。
以前、僕のインスタのストーリーで「スニーカーの情報をどこで入手してますか?」というアンケートをしたらスニーカーダンクさんが1位でした。毎日たくさんの人が投稿している内容をつらつら見たりもしてますし、情報の更新頻度が非常に早いし多いなと思ってました。

2020年上半期お気に入り5足

今回は、2020年上半期のお気に入り5足を挙げていただきました。それぞれの魅力を教えてください。

atmos小島奉文 × NIKE DUNK LOW ”ORANGE BLAZE”

「 NIKE DUNK LOW ”ORANGE BLAZE” 」

まず〈ナイキ ダンク〉ですが、昔から大好きなモデルなんです。社会人になりたての2000年頃、世の中的には〈ナイキ エア フォース1〉が人気だったんですが、僕は頑なに〈ナイキ ダンク〉派で(笑)。
カラバリやシルエットなど、デザイン的に好みだったということもありますが、〈ナイキ ダンク〉は薄めのソールを搭載していて、それが好きだったということもありますね。手放してしまってだいぶ減ってはいますが、ピーク時は〈ナイキ ダンクシリーズ〉だけで200足くらいは所有していました。

atmos小島奉文 × NIKE AIR ZOOM TYPE ”BLACK MENTA”

「 NIKE AIR ZOOM TYPE ”BLACK MENTA” 」

次は〈ナイキ エア ズーム タイプ〉です。見えるズームエアというのが特徴です。以前のエアズームシステムはソールに内蔵されていて見えなかったのですが、これはビジブルエア的なタイプで。
ソールとアッパーの大きさが1cmずつ違うのでソールが突き出ているのですが、これは偶然の産物と言いますか、プロトの時にたまたまナイキ社にあった28cmのソールと27cmのアッパーをドッキングしてみたら、すごくかっこよかったっていうことで製品化されたらしいです。
また6時間履いても疲れないという謳い文句にやられました。その言葉通りの履き心地とゴツい見た目のわりにかなり軽量なのが良いですね。新作ですが、好んで履いています。

atmos小島奉文 × atmos × ADIDAS ZX 8000 ”G-SNK”

「 atmos × ADIDAS ZX 8000 ”G-SNK” 」

そして〈アディダスZX8000〉ですね。個人的にすごく好きなんですが、日本ではZXシリーズの認知がまだまだ低くて。でもヨーロッパでは人気がすごく高いんです。ZXシリーズは日本でいうところの〈ナイキ エアマックス〉的なポジションですね。
こちらのモデルは『AZX PROJECT』というアルファベットの頭文字が該当するショップが、ZXシリーズのデザインを手掛けるという世界的キャンペーンで実現したモデルで、スタートとなる「A」は『atmos』だったんです。このオファーが来た時はめちゃくちゃテンションが上がって、ぜひ自分にやらせて欲しいってお願いして僕がデザインをさせていただきました。
毛足の長いハラコアッパーやヘビ柄が蓄光仕様、蛍光グリーンミッドソールなど、個性的でこの変態的なデザインがとても気に入っています。

atmos小島奉文 × sacai × asics GEL-VENTURE 6 G-TX ”WHITE/ELB”

「 asics GEL-VENTURE 6 G-TX ”WHITE/ELB” 」

〈アシックス ゲルベンチャー6〉は、ゴアテックスの防水仕様になっているので、普段履きもですが、主に雨の日に大活躍してくれます。トレイルランニングシューズがベースになっていて、カラフルなアッパーデザインは『atmos』で企画したものです。
アウトソールも凹凸の効いたラギッドソールなので滑りにくいですし、今季の梅雨シーズンはこれですね。ハイスペックスニーカーでかっこいい雨の日に履けるデザインのスニーカーってなかなかないので、かなり重宝しています。

atmos小島奉文 × atmos × Sean Wotherspoon × asics GEL-LYTE 3 OG

「 atmos × Sean Wotherspoon × asics GEL-LYTE 3 OG」

最後が「アシックス ゲルライト3OG」。今年でゲルライト3が30周年、そして『atmos』が20周年というアニバーサリーイヤーだったので、スニーカーダンクの読者もご存知のSean Wotherspoon(ショーン・ウェザースプーン)とのトリプルコラボレーションモデルです。
SEANとは2年前の中国のスニーカーイベントで初めて出会い、そこから仲良くなり友人になりました。その流れで僕から彼に直接オファーをして今回のコラボが実現しました。スニーカー好きの間ではコーデュロイ素材=ショーンという印象が強いのですが、そちらを余すことなく今回のコラボにも採用しています。
実は彼はビーガンなのでレザーやスウェードなどの素材を使わないというのも理由のひとつです。今年のアトモス20周年を象徴する一足であり、上半期で一番の話題作ですね。
スニーカーだけではなく、ショーンとのコラボアパレルも同時展開します。6月19日に特集ページがatmos-tokyo.comにて掲載されますのでそちらも是非ご覧頂けたらと思います。お楽しみに。

atmos × Sean Wotherspoon × asics GEL-LYTE 3 OG 1枚目 atmos × Sean Wotherspoon × asics GEL-LYTE 3 OG 2枚目 atmos × Sean Wotherspoon × asics GEL-LYTE 3 OG 3枚目 atmos × Sean Wotherspoon × asics GEL-LYTE 3 OG 4枚目

今後のスニーカーシーンと小島さん

20年間シーンの中心でスニーカーを見てきた小島さんは、今後スニーカーの流れはどうなると思いますか?

スニーカーカルチャーは、これだけ世界的なカルチャーになっていますが、まだまだ流行っていない地域がたくさんあるので、そちらへどんどんと波及していくんじゃないかなと思っています。
もともとアメリカの文化だったものが90年代に日本にやって来て、日本独自のトレンドに形を変えたものがアジアに広がって、今は東南アジアへと広がりを見せて、次はインド、その次は中東で最後はアフリカっていうのを勝手に予想してます。
『atmos』としてもこれから伸びそうなアジアの国々に出店していくことを考えています。

では今後、デザインのトレンドはどうなると思いますか?

これはファッションと同じで時代は繰り返します。ここ数年の一時期のハイテクブームから一転して、今は全体的にコート系のカップソールのシューズが主流になっています。
〈エアフォース1〉や、〈ナイキ ダンク〉や〈エアジョーダン1〉、あと〈サカイ〉とかの影響もあり全体的にクラシックなレトロランニングも注目です。これが流行りすぎると、またハイテクブームが到来するんでしょうけど。
クラシックな物が人気な中でも各メーカーがどう新しいイノベーションの最新アイテムを打ち出せるかっていうことで、新たなトレンドが生まれるのだと思います。

atmos小島奉文のインタビュー写真3

最後に、小島さんは今後スニーカーとどう関わって行きたいですか?

個人としては、どんな形であれスニーカーに携わっているのが理想ですね。また『atmos』のディレクターとしてはまず、一目見て「『atmos』らしい」とわかるオリジナリティあふれるスニーカーをこれからも作っていきたいです。
その一方で、自分がステップアップするチャンスをいただいたように、今は若いスタッフにどんどんチャンスを与えて、いろんな夢を実現させて欲しいという思いもあります。その一環で若手でデザインできるチームを作っている途中です。
そして『atmos』というショップをもっともっと世界中に広めることが当面の目標ですね。

読者プレゼント

小島さん直筆サイン入り
AIR MAX 1 ”ELEPHANT”を、
1名様にプレゼント

小島さん直筆サイン入りatmos×NIKE AIR MAX 1 ”ELEPHANT”を1名様にプレゼント!

プレゼント内容

「小島さん直筆サイン入りスニーカー / 1名様」

atmos×NIKE AIR MAX 1 ”ELEPHANT” (2017)
28cm × 1足 (シューボックスにサイン入り)




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※応募受付期間は、2020年7月12日(日)の23時59分までとなります。
※当選者の方には2020年7月14(火)にDMにてご連絡させていただきます。
※非公開・捨てアカウントからのご応募は無効とします。
※本プレゼントは、NIKE JAPAN様等のブランドと一切関係ありません。
※プレゼントにより発生したいかなる損害・損失について、スニーカーダンクは一切の責任を負いかねますので予めご了承下さい。

小島 奉文 / atmosディレクター

こじま・ひろふみ 1981年生まれ、埼玉県出身。文化服装学院を卒業後、2001年より『atmos』の前身である『CHAPTER』でキャリアをスタート。その後『atmos』にて様々なポジションを歴任し、現職に。
2016年に開催された歴代ナイキ エアマックスの人気投票で、小島さんがデザインを手がけた〈エアマックス1 アトモス エレファント〉が世界一の票数を獲得。その動向は世界中のスニーカーフリークが注目している。

Instagram:@koji198139